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連載

西東京市の散歩道

第5回 御門訴事件関連石碑-玉川上水と千川上水の遊歩道-狭山・境緑道-小金井公園

2015年6月4日 萩原恵子

萩原 恵子(屋敷林の会、下保谷の自然と文化を記録する会)


 

◆御門訴事件関連石碑(一部武蔵野市)

ここは上水に沿った遊歩道が多いが、そこに入る前に立ち寄ってほしいのがこの石碑。

御門訴事件は1869(明治2)年に始まる。凶作で苦しむ農民に、当時の役所の品川県が社倉という備蓄米の供出を命令。反発した近隣12カ村の農民が日本橋の役所の門前に歎願に行くが、役人は不当に50人を逮捕、拷問・迫害を加えて、獄死や病死に追いやる。

犠牲者には上保谷新田の人も多く、現武蔵野大学の南西の共同墓地に招魂塔、大学の南の道を武蔵野市へ向かって数分の左手に、事件を記録した倚錨碑(いそうひ)が建てられた。

 

◆玉川上水と千川上水の遊歩道

五日市街道の境橋付近に、玉川上水から千川上水に水を分水する堰がある。上水はどちらも遊歩道でたどれる。

玉川上水(多摩川の羽村取水堰~四谷大木戸・43km)は江戸の飲料水として1653年開削、千川上水(境橋~江戸城城北部・約22m)はその43年後に分水され、1707年には農業用水としても使用許可に。

1971年以後流れは途絶えていたが、1989年に都による清流復活事業で、昭島市の玉川上流水再生センターの処理水を利用して流れがよみがえった。

現在水衛所跡の案内板が分水堰付近にあり、流れを覗くと大きなコイが泳いでいる。

上水の堤は、江戸時代、飲料水を清潔に保つために山桜など(小金井桜)が植えられて名所に。現在の遊歩道も、車の往来が激しい街道とは対照的な緑の空間を保っている。

 

1 御門訴事件。共同墓地北側にある、犠牲者を悼む招魂塔
2 御門訴事件。武蔵野市の井口家脇に立つ倚そう碑
3 玉川上水・千川上水。この堰で、千川上水(左)へ分水
4 玉川上水・千川上水。分水堰にある境水衛所跡案内板
5 千川上水4月。清らかな流れが復活した
6 玉川上水11月。上水に沿うケヤキの紅葉
7 狭山・境緑道3月。道脇では、空師と呼ばれる高木専門の造園業者がケヤキを強剪定
8 狭山・境緑道4月。小金井公園と連なるように、ここの桜も見事
9 狭山・境緑道4月。小平市に入ると齋藤素巖の彫刻がある
10 狭山・境緑道4月。新緑の季節
11 小金井公園4月。絶世の美女衣通姫にちなんで、ソトオリヒメ
12 小金井公園4月。西東京市の最南端に位置するオオシマザクラ
13 小金井公園11月。紅葉したオオシマザクラ
14 小金井公園11月。落ち葉が敷き詰められたバーベキュー広場。紅葉黄葉が見事
15 小金井公園4月。江戸東京たてもの園案内図
16 小金井公園4月。たてもの園の「奄美の高倉」。昭和35年まで保谷の民族学博物館にあった

 

◆狭山・境緑道(西東京市新町~東大和市10.5km)

現在の東京の飲料水の一部は、多摩湖から武蔵野市の境浄水場まで、地下に水道管を敷設して引いている。その上がこの緑道。サイクリングロードと遊歩道として整備され、入り口は五日市街道沿いにある。

緑道には、中高木・彫刻・ベンチなどが点在し、目と心を和ませる。この緑道を歩き、小金井公園に北口から入るというのは、北側に位置する西東京市民ならでは。

 

 

◆小金井公園(約80ha・一部西東京市)

戦中、紀元2600年記念事業とされた小金井大緑地が前身で、1954年都立公園として開園。玉川上水の堤に植えられた小金井桜の伝統を受け継ぎ、以来桜の名所となるよう公園に植えられた桜は約50種、1700本あまり。春、桜の園では430本の桜が次々に咲き誇る。

 

野鳥や昆虫の生息できる雑木林をもつ。秋は落ち葉や木の実が園内あちこちに。

スポーツ施設・子供の遊び場もある大規模総合公園、防災拠点でもある。

北西にある「たてもの園」は、昔の建物を移築保存し映画のセットのよう。それを活用して、食事ができる実際のお店が入っていたりする。それは、かつて保谷で渋沢敬三や高橋文太郎が目指した野外展示物付き博物館を実現した姿のようだ。

この園の西の端に、当時保谷の民族学博物館にあって、唯一残った野外展示物「奄美の高倉」があるが、西東京市の市民でどれくらいの人が知っているだろうか。

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萩原恵子

はぎわら・けいこ

 石巻出身。震災以後、友と石巻の応援ブログを細々続ける。「地域博物館を創ろう連合会」事務局担当。下保谷の自然と文化を記録する会会員。元「屋敷林の会」代表。校正者。著書『タヌキの伝言』(けやき出版)、松田宗男と共著『武蔵野鉄道が通る!』。

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