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連載

西東京市の散歩道

第6回 谷戸イチョウ公園-発想の森-谷戸せせらぎ公園

2015年6月27日 萩原恵子

 


萩原 恵子(屋敷林の会、下保谷の自然と文化を記録する会)


 

◆谷戸イチョウ公園(4137.25㎡)

散歩マップ第6回

都営田無谷戸町二丁目アパート内にある。1987(昭和62)年頃の開園。建物が10棟もある団地で、当時の設計者たちの、庶民の時代に対する熱い思いが感じられる。狭い中に時代を象徴するモニュメントや木が混在。

往来に面した東側は、樹木を交互にダブルに配置し音を遮断。西と北側には公園を見下ろすように建物があり、いつも園内に人の目が届いて安心。真ん中に広場、南西に遊具広場やあずま屋が、そして西に滝と池がある。

南面の団地の道路がイチョウ並木になっているのがイチョウ公園の名の由来。園内には樹齢100年以上と思われるヤマザクラが。ミカンとカキの木があるのが今どき珍しい。
滝は定時に流れ出るそうだが、子供たちが大きな石にかじりついて遊ぶ姿は好ましい。

◆発想の森

この公園は、1995(平成7)年、企業が地域貢献のために市民に開放したもの。開園時間は7~17時とあるが不定期で閉まっている。

アカマツ・クヌギ・ケヤキなどの高木は、中島航空金属が、日特金属㈱、住友重機工業㈱田無製造所と社名を変えて生きてきたのに合わせて、工場を守りながら同じ敷地で生きてきた武蔵野の雑木林の生き残り。

公園は見通しのきく何げない造りだが、いつもきれいに管理されている。敷石にリサイクル技術を生かした製品を使っているという。道路に沿って常緑樹のヒマラヤスギ、生垣のベニカナメモチ、ツツジかササの3段の植物を配し、音と人目を遮断。

下草は林の南東にシラユキゲシやキバナオドリコソウなど。中木に野鳥が好みそうな実の生るイヌビワやクワなどが入る。

4、5年前、クヌギの大木のそばに丈の短いキンランが生え出ていた。その後中央に汚水処理用のタンクを埋め込む工事をしたせいか、その姿を見ていない。

現在公園創設時の面積は減らされ、園と工場をつなぐ道も閉ざされたが、「発想の森」の名にふさわしく、街中にあって街と隔絶された武蔵野の森をイメージできる空間。もしかして眠りから覚めた山野草に会えるかも……。

1 谷戸イチョウ公園;入り口に、騒音を遮るようにクスノキやケヤキが並ぶ
2 谷戸イチョウ公園;南側の団地内の道はイチョウの並木
3 谷戸イチョウ公園;西側は小高くなっていて、モニュメントが映える
4 谷戸イチョウ公園;あずま屋の向うが遊具の広場
5 谷戸イチョウ公園;ザリガニ取りに夢中の子供たち
6 谷戸イチョウ公園;左がヤマザクラ。中央の大きな岩の間から池に滝が流れ落ちる
7 発想の森;外から見ても天を覆うようなクヌギやアカマツ
8 発想の森;出入り口は段差がある
9 発想の森;日陰でなりはよくないが黒く熟したクワの実
10 発想の森;雌雄異株のイヌビワ。雌花のうは秋に食べられる
11 発想の森;下草は、花の終わったあとシラユキゲシの葉が繁茂
12 発想の森;武蔵野の面影残すアカマツ、エノキなど
13 谷戸せせらぎ公園;水辺で遊ぶ子供たち
14 谷戸せせらぎ公園;雨の後は、流れの中のほうが断然楽しい!
15 谷戸せせらぎ公園;ショウジョウトンボ♂ 。カルガモのひなは昨年も今年もカラスに襲われ育たなかったという
16 谷戸せせらぎ公園;6月花が終わったばかりのケンポナシ
17 谷戸せせらぎ公園;11月肥大した果柄の形が面白いケンポナシ
18 谷戸せせらぎ公園;11月トウカエデの紅葉が際立つ

◆谷戸せせらぎ公園(7810.96㎡)

1946(昭和21)年都心からこの地に移転した東京女子薬学専門学校が後の明治薬科大学田無分校。1998(平成10)年に清瀬市に移転し、跡地にUR都市機構の団地と公園が創設された。団地とせせらぎの周りの高木は大学由来のもので、団地に点在するヒマラヤスギは堂々として成熟した街を思わせる。

流れの脇のケンポナシは、果柄の形が面白く、香りはナシのよう。せせらぎの流れは地下に貯留した雨水を汲み上げ循環させている。

残念なのは、敷地中央の小山とその上の樹木が後ろを死角にして、事故があっても気づかない危険があること。親が引率、多数でないと遊ばせられないのはもったいない。

◆「みどりの散策マップ」と「西東京市の木50選」

(2)みどりの散策マップ(3)西東京市の木50選 さて、ここまで市内の自然を我流に紹介してきたが、手に取れるマップとして、みどり公園課と「西東京 自然を見つめる会」作成の『みどりの散策マップ』がある。市内の自然や文化の最適散策コースを紹介している。

『西東京市の木50選』も、公共の場にある巨木50本を紹介しているマップ。その木に会うため歩くのもまた楽しい散策。

どちらも入手に関しては、みどり公園課(電話042-438-4045)か、「西東京 自然を見つめる会」代表の中村賢司さん(電話042-464-1157)に連絡を。

次回は、ちょっと市境を越えてみる。

 

【関連リンク】
・谷戸イチョウ公園(西東京市Web)
・谷戸せせらぎ公園(西東京市Web)

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萩原恵子

はぎわら・けいこ

 石巻出身。震災以後、友と石巻の応援ブログを細々続ける。「地域博物館を創ろう連合会」事務局担当。下保谷の自然と文化を記録する会会員。元「屋敷林の会」代表。校正者。著書『タヌキの伝言』(けやき出版)、松田宗男と共著『武蔵野鉄道が通る!』。

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