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第3回 語らいも、相談も-くつろげる居場所「オレンジカフェ保谷駅前」


 三輪隆子(みわ内科クリニック)


 

毎月第3木曜日の午後2時から

 

 今回は、オレンジカフェ保谷駅前の活動の様子をお知らせします。
 オレンジカフェ保谷駅前は、認知症の方やその御家族、認知症の方の支援をしている方、認知症に関心のある地域の皆様が気軽に集い交流する場です。毎月1回第3木曜日の午後2時から4時まで開いています。西武池袋線保谷駅の西友のあるビルの5階の、保谷駅前公民館第4会議室が会場です。5階でエレベーターを降りて右に進み突き当りを左に曲がってください、ちょっと奥まっていますが、廊下に受付がありますので気軽に声をかけてください。

 カフェに参加する方は、受付で住所とお名前を書いていただいております。西東京市の地域包括支援センターが主催しておりますが、西東京市以外の方も参加できます。駅に隣接しておりますので、お買い物のついでなどに立ち寄って下さい。カフェの利用料金はおひとり100円です。コーヒー・紅茶・緑茶のサービスをしております。お代わり自由ですので、遠慮なくお声かけてください。

 

保谷駅前公民館5階

 

話すと元気になる

 

 さて、カフェではどのような方がどのように過ごされているでしょうか。
 お一人暮らしの方、高齢の御夫婦、ご家族が働いているので日中は一人になってしまわれる方、老人ホームに入居している方などが、居場所や話し相手を求めてカフェに来店されます。

 認知症の奥様とお二人でこられる高齢男性。お二人暮らしで多趣味で活発に活動されていたようですが、奥様の御病気もあり今まで通りの活動はできなくなってしまいました。普段の生活ではあまり人の助けは借りたくないけれど、毎月1回カフェに来ていろいろな人と話をするのは楽しみだといってくださいます。趣味の話に花が咲いて、聞いている方もとても楽しくなります。奥様が隣でにこにこと相槌を打っているのがとても印象的です。

 家庭での生活はほとんど問題ないけれど、約束を忘れたり道に迷ったりするので外出が不安になってしまったという方。家に引きこもりがちになっていたけれど、本当は人と会うのが好きだから、カフェで毎回違う人と話すことができるのが嬉しいと毎回通ってこられます。

 近隣の老人ホームに入所されたばかりの方が初めて来店された時にも、「自宅から離れたところに入所して、知った人もいないのでしばらく誰とも口をきいていなかった。」とお話になり、笑顔で相槌を打つボランティアの女性を相手に話が止まらない様子でした。ご高齢になってから人との交流がなくなると認知機能低下の原因になります。カフェが認知症予防の役割を果たせるのではないかと思っています。『若い人と話すと元気になるね』といっていただけると、スタッフも笑顔になることができます。

 

相談しに来る家族も

 

 相談が目的で来店される方もおられます。一番多いのは、認知症の方の御家族です。カフェで医師が認知症の相談に乗ってくれるということを聞いて、少し遠い所から見える方もいます。私の話だけでなく、カフェに来られている他の御家族とお話をされて、安心して帰っていく方もおられます。

 私のクリニックに通院されている認知症の患者さんのご家族も、診察時には十分に話を聞けないからと、相談目的に来店されます。診察室では、時間がない、本人の前では話せない、愚痴を言ってもいいかと遠慮してしまう……とのこと。十分にお話を聞けていなかったのだなと反省します。ご家族も、ゆっくりと話が聞けて良かったと喜んでくださいますが、私も診察室では得られない情報を聞くことができて、その後の診療にも大変役立ちます。

 

みわ内科クリニック(保谷駅北口)

 

 カフェでは、十分に時間が取れる、ということもあると思いますが、環境が違うことでご家族の方がリラックスして話ができるという効果もあります。今まで何年もお付き合いしているご家族に、「先生、いつもと感じが違いますね。なんか若く見えますよ。」と言われることもあります。白衣を着ていないことが大きいと思いますが、私自身がクリニックとは違いくつろいだ気持ちでいるのだと思います。これは、カフェの雰囲気を作って下さるスタッフの皆様のおかげです。

 ご家族以外にも、自分が認知症ではないか心配、将来認知症にならないためにどうしたらいいか、認知症の人を支えるために何をしたらいいか、居場所づくりをしていくにはどうしたらいいか……などと相談されていく方もいます。それぞれの分野について得意なスタッフが質問にお答えしています。医療から介護福祉の専門家がおりますので、多くの質問には答えられますが、カフェで対応できないことは、どこにご相談したらよいかをご案内します。カフェが認知症について考えるきっかけになると嬉しいです。

 

楽しいイベント企画

 

 カフェとしての活動が中心ですが、イベントとして4月6日に桜カフェとして春のミニ演奏会を開催しました。フルート・バイオリン・キーボードの演奏を聴き、皆で春の歌を合唱しました。誰でも知っている懐かしい歌を口ずさみ、心が和み、一体感が生まれました。参加された方もスタッフも楽しい時間を過ごすことができたと思います。次回はクリスマスの頃にイベントを企画しています。楽しい企画を考えていきたいと思いますが、オレンジカフェの目的は、居場所としての役割と皆様の認知症に関する相談に気軽にお答えする事です。笑顔でお話しできる場所を作っていきますので、多くの方の来店をいただきたいとおもいます。

 次回は、みわ内科クリニックで認知症の方にどのように対応しているのかを述べたいと思います。

 

©ks_skylark

 

【筆者略歴】
 三輪隆子(みわ・たかこ)
 認定内科医、神経内科専門医、身体障害指定医(肢体不自由、音声言語、平衡機能障害)。西東京市医師会理事。
 静岡県清水市(現静岡市清水区)出身。信州大学卒業後、信州大学第3内科入局。佐久総合病院で地域医療を研修後、東京都立神経病院、狭山神経内科病院で神経疾患、難病の診療に従事。1995年(平成7年)国立身体障害者リハビリテーション病院神経内科医長。リハビリテーションのほか社会復帰、療養・介護など福祉的な問題にも取り組む。2007年(平成19年)1月「みわ内科クリニック」院長。2013年(平成25年)6月医療法人社団エキップ理事長兼務。2017年(平成29年)4月から理事長。

 

 

 

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