第39回 現代版駆け込み寺―生活サポート相談窓口


  富沢このみ(田無スマイル大学実行委員会代表)


 

 先進国日本において、これまでも「見えない貧困」は、あった。新型コロナウイルス感染症の影響により、以前から厳しい生活をしていた人々に加え、新たに生活困窮に陥った人たちが崖っぷちにまで追い込まれ、西東京市田無庁舎1階の「西東京市生活サポート相談窓口」に駆け込んでいる。

 

 福祉丸ごと相談窓口生活サポート相談員の後藤さんによれば、災害用に備蓄していたアルファ米などを毎日配る事態になるとは、思ってもみなかったという。この窓口にまで辿り着けていない人もいるかもしれない。それだけ事態はひっ迫しているようだ。

 

1.西東京市の福祉丸ごと相談窓口とは

 

 西東京市は、2020年2月に、「福祉丸ごと相談窓口」を開設した。たとえば、「失業して収入が無くなった、子どもが2人おり、母親の介護をしている、家賃が払えなくて困っている」など、支援ニーズは、複合的である。役所の組織は、専門化されているので、就業相談、学費の相談、介護の相談、住居の相談など、それぞれ異なる窓口に行かなければならない。このため、包括的な相談支援体制の整備が必要であるとの認識から設置された。

 

 

パンフレット

図1 西東京市福祉丸ごと相談窓口のパンフレット(市のHPより)

 

 なかでも、コロナ禍のもとで、「生活サポート相談窓口」へのニーズが高まっている。ここでは、国の生活困窮者自立支援制度に基づき、生活困窮者を対象に、就労その他の自立に対する相談・支援、国が用意したさまざまな事業を利用するためのプラン作成、関係機関とネットワークを構築し必要に応じて紹介する。また、働くことに自信のない方への就労準備支援、社会に出ることや将来に不安のある若者の相談なども受け付けている。

 

 相談体制は、相談員4名で対応、このほかに、就労支援員1名がいる。また、若者に対する引きこもり・ニート対策事業、就労準備事業については、それぞれ専門的な事業所に委託し、同じ相談窓口に机をならべ連携して支援にあたっている。
次のページに続く

【目次】
1. 西東京市の福祉丸ごと相談窓口とは
2. コロナ禍で急増した相談件数
3. 日本における「貧困」の再発見
4. 絶対的貧困と相対的貧困
5. 弱いところへの打撃が大きい
6.コロナ後の暮らし

 

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