第40回 「おひとりさま」の老後:入院・手術を受ける時

 

3.入院するときに求められる身元保証人

 

 まず、私が認知症を発症しておらず判断能力があり、元気で在宅している場合を考える。そんな元気な私でも、入院・手術しなければならない事態に陥る可能性はある。入院・手術をする場合、病院から身元保証人(一般的には親族)を求められることが多い。

 

身元保証

(図2)病院では「身元保証人等」を求めますか?

身元保証2

(図3)入院契約に当たり、身元保証人等が得られない場合、どのようにされていますか?
(出所)公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート『Legal Support Press』Vol.5 2013年秋号

 

 図は、2013年と少し古い調査だが、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート「病院・施設等における身元保証等に関する実態調査報告書」より病院についてのみ筆者が作成したものである。96%の病院が身元保証人等を求めている。病院の半数は、「不在のまま入院を認めている」が、入院させないと答えた病院が23%もある。

 「おひとりさま」であることにプライドを持って生きてきた私にとって、身元保証人(親族)を求められるのは、大きなショックだ。何故、普段付き合いの無い遠い親戚に連絡を取り、お願いごとをしなければならないのか。何故、私の考え方も良く知らないであろう遠い親戚に、入院計画に同意してもらわなければならないのだろう。これまでの生き方を全否定されたように思ってしまう。
次のページに続く

 

【目次】
1.ヨタヨタ・ドタリ期への備え
2.おひとりさまの備え
3.入院するときに求められる身元保証人
4.病院にとってのリスク
5.身元保証等高齢者サポートサービス
6.介護保険制度と成年後見人制度の利用
7.増加が見込まれる「おひとりさま」
8.身じまいの作法の必要性

 

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