第2回 社会に貢献したい若者が増えている
富沢このみ(田無スマイル大学実行委員会代表)
イノベーションって?
第1回で私が関わっている市民団体が「地域イノベーター養成講座」からスタートしたと書いた。「地域イノベーター」って何?と突っ込まれそうだ。地域の課題をイノベーティブに解決しようとする人たちというような意味だ。
「イノベーション」と聞くと、一般的には、ノーベル賞を受賞するような高度な技術革新を伴うイメージを持つのではないだろうか(テクノロジカル・イノベーション)。しかし、もっと身近なイノベーションも多い。
たとえば、最近では当たり前のように利用している「100円ショップ」や「時間貸し駐車場」も立派なイノベーションだ。「100円でどんなものを提供できるか」から考えるという発想は凄い。「月極め」しかなかった駐車場に「時間貸し」という新しい考え方を取り入れたのもコロンブスの玉子だ。
貧困の人を助けるのに、「お金や食糧を提供する」ことから、「お金を稼げるように仕事を創り出す」というのも社会的なイノベーション(ソーシャル・イノベーション)である。
要は、同じ資源でも組み合わせ方を変えたり(再編集)、新しい枠組みを提供したりすることを「イノベーション」と捉えて良いのではないかと思っている。技術が変わり、意識が変わることもあれば、意識が変わって社会の仕組みが変化することもあり、これらは相互に影響しあって進む。
イノベーションは、当初は多くの人に怪訝なものとして受け止められるが、だんだん普及してくると、それが恰好良いものに見えてきて、さらに当たり前のもののように思われてくるものだ。>> 次ページ
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