第3回 小金井公園の大島桜


絵筆探索_タイトル
大貫伸樹
ブックデザイナー

 


 

水彩画・小金井公園の大島桜 ©大貫伸樹 (禁無断転載 クリックで拡大)

水彩画・小金井公園の大島桜 ©大貫伸樹 (禁無断転載 クリックで拡大)


 

 今回モチーフに選んだのは小金井公園にある大島桜ですが、まだ咲いていないので、古い写真をモニターに映し出した画像を見ながら描きました。おそらく田無市と保谷市が合併した2001年より前に撮影した写真ではないかと思われます。

 その頃、保谷市に住んでいた私にとって小金井公園は、隣の田無市の先にある小金井市の公園というイメージが強く、せいぜい年に1度か2度くらいしか行きませんでした。

 30数年前に保谷市に引っ越してきた頃は、西武新宿線の西武柳沢から花小金井まで電車に乗って行き、そこから4歳と6歳の息子たちとのんびり30分ほど歩いてやっとたどり着きました。

 そんな遠くにある小金井公園でしたが、2001年に田無市と保谷市が合併すると、隣の市にある公園ということになり、私の意識の中でもすぐ近くの公園であるかのように変わってきました。そうなると電車を使わず、自転車でも気軽に行くようになり、月1回くらいは足を運ぶようになりました。

 小金井公園の南側を流れる玉川上水の堤に咲いていた桜は、小金井桜と呼ばれ江戸時代の頃から桜の名所として知られていました。が、五日市街道が拡幅整備され交通量が増えると、桜並木は衰えかつての面影はなくなってしまいました。そんな折り、昭和29年に小金井公園が開園し、桜をはじめ多くの樹木が植えられました。桜の名所も玉川上水から小金井公園へと移動し、今では桜の季節になると、大勢の花見客で賑わう小金井桜の名所として復活しました。

 1700本、50種類の桜が集められているという小金井公園の桜の中でも、今回描いた大島桜は、高さ13m、幹の周囲3.66m、枝の端から端20mもある巨木で、ひときわ目立つ一番人気の桜です。

 ある日、この大島桜の位置を地図上に見つけて、ちょっと驚きました。なんと、大島桜は小金井市ではなく西東京市の市域に生えていることに気がついたんです。東伏見公園の1.5倍ほどの面積ですが、西東京市にも小金井公園があったんです。大島桜の看板にも「平成24年に〈西東京市の木50選〉に撰ばれる」と書いてありますので、西東京市内にある桜というのは間違いではありません。そう思うと、小金井公園までの距離はさらに近いものになり、桜の季節や紅葉の季節には、毎週末に足を運ぶようになりました。

 

(筆者作成 クリックで拡大)

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装幀書籍
【筆者略歴】
大貫伸樹(おおぬき・しんじゅ)
 1949年、茨城県生まれ。東京造形大学卒業。ブックデザイナー。主な装丁/『徳田秋声全集43巻』(菊池寛賞受賞)、三省堂三大辞典『俳句大辞典』『短歌大辞典』『現代詩大辞典』など。著書/『装丁探索』(ゲスナー賞受賞、造本装幀コンクール受賞)。日本出版学会会員、明治美術学会会員。1984年、子育て環境と新宿の事務所へのアクセスを考え旧保谷市に移住。

 

 

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