第3回 子供の命とお年寄りの生活を守る。次世代につなぐ
山田忠良さん(自由民主党)-共同企画「6人の新人議員たち」
原志保(パーソナリティー) 今日スタジオにお迎えするのは、西東京市議会、自由民主党の山田忠良議員です。
山田さんのプロフィールを紹介いたします。1981年西東京市生まれの37歳。東京国際大学人間社会学部社会文化学科卒業。飲食店、スポーツ施設勤務などを経て、行政書士事務所開業。西東京市防衛協会事務局次長、西東京空手道真生会父母会長、東京田無ライオンズクラブ、西東京市防犯協会、西東京市ティーボール協会常任理事でいらっしゃいます。
父の都議選を手伝って-なぜ市議会に?
原 いろいろな肩書きをお持ちの山田さんです。そんな山田さんがなぜ市議会議員になろうと思われたのか。まずはそちらから教えていただけますか。
山田忠良 私の父は政治家でした。子どもの頃から政治のことはずっと頭にあったんですが、父が政治家だとその道に進むと、素直に考えることが出来ないんです。それでまず、行政書士の資格を取って法律の世界でやって行こうとしました。弁護士の勉強も始めました。ところが、たまたま2年前に、父の都議会議員選挙がありました。その時、市内のポスティングを1万件やったんです。ポスティングしているうちに、一軒一軒、それぞれのお宅にも生活があるのかなとか、なんとも言えない感情が湧いてきました。そういう中で自然とこのまちのために仕事がしたい、自分の仕事はこのまちのために働くことなんだと気持ちが固まってきました。
原 最初はそんなに政治に興味がなかったんですか。
山田 興味がないということではなく、政治についてはずっと考えていました。どうしたら世の中がよくなるか、日本がよくなるか、を考えていましたが、自分が政治家になるとは具体的に思っていませんでした。でも、父の都議選を手伝う中で、この道しかない、このまちのために人生をかけようと思うようになりました。
原 やはり DNAなんですかね(笑)。
山田 議員になってから至るところで「親父さんに似ているね」とよく言われます。
本当にもったいない-低い投票率
原 そんな山田さんに、市政や市議会について伺いたいと思います。まず今回市議選の投票率が36.84%と、 西東京市になって過去最低を記録しました。その結果についてどうお考えですか。
山田 36%というと、3分2の有権者が投票に行かないということです。今回18歳以上の若い人たちが投票できるようになったのにこの投票率ですから、私はすごくもったいないと思います。特に20代の投票率が圧倒的に低い。これからの未来を担う世代が投票に行かないというのは非常にもったいないと思います。その住民の声が聞こえてこない、その力や知恵を借りられないというのは、本当にもったいないと思います。危機感を持って対応して行かなければならない課題だと思います。
原 やっぱりこの結果を聞いた時には驚きましたか。
山田 驚くとともに、選挙中もちょっと反応が良くないと感じましたし、周りの人たちも「盛り上がってない」と口にしてましたので、こういった結果になるとは薄々感じていました。
原 市民の行政の関心度を上げるためには、どんなことが必要だと思いますか。
山田 日頃から情報公開していても、市議会は何をしているのか、行政って何を言ってるのか、なかなか伝わってない部分があると思います。ですからもっと積極的に情報公開する必要がありますね。あと投票に行きやすい環境を作ることが必要です。例えば西武線の駅の近くに投票所を設けるとか、多角的な方策が必要だと思います。
統合庁舎の位置を早く-ここは変えたい
原 市政について評価できる点、改善しなければいけない点などいろいろあると思います。山田さんが一つ改善点を挙げるとしたらどんなところでしょう。
山田 統合庁舎の問題が非常に大きいと思いますね。やはり庁舎をどこに持っていくのか、どういう風にするのかが定まらないと、それ以外のことは決められませんし、市民会館や保谷庁舎問題が進んできません。やっぱりこの統合庁舎をどうするかというグランドデザインをしっかり描いて、皆さんに提示する、早く結論を出していくことが大事だと思います。
原 いま田無庁舎と保谷庁舎があって、それをどうするかってことですか。
山田 保谷庁舎を壊して、田無庁舎の脇にいま仮庁舎を造っていますが、では保谷庁舎の跡地をどうするか。統合庁舎をいまの田無庁舎のところに建てるのか。あるいは別のところに持っていくのか。 喫緊の課題だと思います。
出張議会、出張委員会の機会も-情報公開は十分か
原 市民のみなさんに行政にもっと関心を持っていただくためにも、行政の情報を広く公開してたくさんの方に伝えることが必要だと思うんですけれども、現在情報公開は十分だと思いますか。
山田 以前から本会議はWeb公開されています。最近は常任委員会も YouTube に公開していくことになっているので、そういった意味ではかなり ICT 化が進んでるとは思います。しかしそういうネット環境にも疎い方、アクセスしづらい方への対応も必要です。もっと身近に感じていただくには、まだ取り組みが必要だと思います。
原 さらに情報公開を進めるためにはどんなことが考えられますか。
山田 物理的に情報公開することに加えて、例えば公民館などに行けば何でも分かるというコンシェルジェのような人を置くとかも考えられますね。あと我々が議場や庁舎で審議するだけでなく、例えば地域の公共施設で出張議会、出張委員会のような機会を設けるのも面白いのかなと、これは私の個人の意見ですけども、そう思います。議会を身近に感じていただける機会を設けるとはいいと思っています。
原 「6人の新人議員たち」という企画のもとにこの番組を進めてるんですけど、こういったお話を同期の 6人でお話しされたりはするんですか。
山田 実はこの間、6人でちょっと飲み会を持ちました。そのとき投票率の問題が出たら、皆さん危機感を持っていて、自分たち新人同士で何か協力してできることがあれば力を合わせてやっていこうよ、と言う話は実際出ました。それはきっと、酒の勢いではなかったと、私は思っています。
オール西東京で取り組む課題-空き家対策
原 前半最後の質問になります。西東京市には空き家がおよそ670件あると言われています。山田さんは何か、対策を考えですか。
山田 私は建設環境委員会に所属することになりました。今定例会ではその委員会で、空き家条例を可決したいということで、空き家問題は大きなテーマになると思います。その場合、建物だけの問題ではなく、相続など民法や権利関係が絡んできて複雑です。そのため行政書士、司法書士、不動産鑑定士という専門家や、空き家ラボさんのよう民間団体とも連携して、行政と民間、そして専門家がタッグを組んで、本当にみんなで協力して、町の健康診断じゃないですけど、将来的な空き家も減らしていく、リスクに備えるという問題も含めて、オール西東京で取り組む課題だと思います。
限界を突破して超えて行く-リクエスト曲
原 ここで山田さんのリクエスト曲をお届けします。山田さん、何の曲を選んでくださったんですか。
山田 スキマスイッチの『ユリーカ』です。
原 これはどうして選んだんですか。
山田 この曲の歌詞がすごく好きです。『宇宙兄弟』というアニメのテーマ曲だったんです。自分の限界を突破して超えて行く、どんな時でも諦めない、という内容です。選挙で辛い時にもこの曲を聴いて結構、自分の心を鼓舞したりしていました。
原 皆さんに聞いていただきましょう。リクエスト曲、スキマスイッチ『ユリーカ』。
(曲が流れる)
空手、料理-趣味や休日の過ごし方1
原 後半はプライベートなお話を伺いたいと思います。 何から聞きましょうかね。
山田 いやまあ、答えられる範囲で(笑)。
原 山田さんは生まれも育ちも西東京市なんですね。
山田 そうです。
原 趣味のところに空手と書いてありますね。
山田 そうですね。 趣味と言うか、しっかりやってます。
原 始めて何年ぐらいですか。
山田 空手自体はまだ1年半ぐらいですけど、私は高校時代、旧保谷市で少林寺拳法をやっていました。 大学時代も4年間ずっと少林寺拳法をしていました。 社会人になってからもいろんなスポーツをしました 。空手もムエタイもしました。格闘技や武道がずっと好きだったんです。それで今は真生会に、おととしの夏からお世話になっています。
原 武道にもいろいろありますね。それぞれ違いますか。
山田 違います、全く違います。
原 空手はどうですか。
山田 空手はとっても奥の深い、素晴らしい武道だと思います。精神修養にもなります。私がやっている真生会は、フルコンといってルール上、体を打たせます。顔はありませんけど、胸とか足を思いっきり打たせます。 打たれることに対する我慢というか、そういう気持ちが鍛えられますね。実際やってみて、こんなにきつい、しんどい武道だったのか、すごい、と思いました。鍛えられました。
原 そんな男らしい面がありながら、 空手の隣に「料理」と書いてありますね。
山田 いやあ、それはまずったかな(笑)。 聞かれるんだったら書かなきゃよかった(笑)。 今一人暮らしなので、自炊しているうちに、料理を作るのが好きになったんです。 今は食材と言うか、野菜にこだわるようになったりしてますよ。 もともと食べることが好きなんです。 自然に、料理が好きになったんですね。 全然うまくないですよ。上手ではないですよ(笑)。
原 ちなみに、どんな料理を作るんですか。
山田 いやそれはもう煮るか焼くか、そんな男の料理、無骨な料理です(笑)。人様に出せるようなものではありません。
原 好きなメニューは何ですか。
山田 それは、あんかけチャーハンです。
原 へぇー。即答でしたね(笑)。
山田 もう、あんかけチャーハンが一番好きです。そればかりばかり作ってます。
バイク、ドラム-趣味や休日の過ごし方2
原 次に「バイクツーリング」と書いてますね。
山田 大学生の時にバイクの免許を取って、それからずっと乗り続けています。 休みの日には奥多摩に出掛けたり、長い距離を走るのが大好きです。議員になって バイクで庁舎行くのはどうなんだという周りの意見があって、軽自動車を買いました。今でも暇があったら、休みの日などはバイクに乗るようにしています。
原 一番遠いと、どの辺りまで行ったんですか。
山田 茨城県の霞ヶ浦まで行きました。
原 どれぐらい時間がかかったんですか。
山田 高速道を使うと片道2時間ぐらいでしょうか。 車で行くのとバイクで行くのとでは違います。バイクだとやはり、走ってるなあという感覚がありますから。
原 大型ですか。
山田 ええ、私は大型免許を持っています。 元々ハーレーダビッドソンが大好きで、いつかハーレーに乗りたいなと思っていました。でも今はこういう立場、公人なって、もうハーレーは無理かな(笑)。 でもいつか、おじいちゃんになってからでもいいですから、乗りたいなと思います。
原 あともう一つ、ドラムと書いてありますね。
山田 はいはい。高校の時に 友人とバンドを組んで、 じゃんけんで最後まで負けてドラムになりました(笑)。 所沢のドラム教室に通って3カ月間、 秋の文化祭に向けてみっちり練習しました。 それが結果的にとても良かったと思います。ドラムは手も足も使うじゃないですか。 それが今、武道にも生きています。今思えばですけど。 今でも音楽を聴くと、自然に手足が動きます。 時間ができたらいつかまたドラムをやりたいですね。
原 もう夢がたくさんありますね。
山田 新人議員で佐藤(大介)君は ボーカルとギターでしょう。 中村(駿)君はベースができると 言ってたかな。 この間の懇親会で「あれ、 新人議員でバンドが組めるじゃないか」と言う声もありました。 面白いんじゃないかと思っています。 これは私の個人的な意見ですけど。
親子の絆
原 議員になって、お父様と会話の機会が増えたと、打ち合わせの時におっしゃってましたけど、見方も変わってきたんですか。
山田 私は何も知らないところから議員の世界に飛び込みました。日々新たな発見もありますし、辛いこともあります。しかし父はもう何十年も前にそういう所を通過しているわけです。先日ある障害者の勉強会に呼ばれて行きました。そこで「山田先生もよく来てましたよ。親子ですね」と言われます。 父とは何の打ち合わせもしていませんでした。でもそういう体験をすると、やっぱり親子なのかなと感じます。
原 名前も よく似ている漢字ですね。 間違えられたりしませんか。
山田 それはよくありますね。私と父が一緒に呼ばれているときなんかは、しょっちゅうです(笑)。
豊かな歴史のあるまち-西東京市自慢
原 山田さんは生まれも育ちも西東京市です。西東京市で自慢できるところ、好きなところはどんなところがあるでしょうか。
山田 それは歴史があるということだと思います。 正直言って、政治の世界に入るまで、まちの歴史に関心を持っていませんでした。しかし下野谷遺跡や中島飛行機にしても、この町は歴史が豊かですね。 あと、意外にグルメな街でもあると思います。 私は食べることが好きで、地元で食べ歩きもしますが、美味しいお店が多いですね。
原 アンケートで「あなたの元気の素はなんですか」と質問していますが、そこには「お米」と書いてありますね。
山田 私は米食いなんです。米食です。
原 あまり太っていないのは、空手をやっているせいでしょうか。
山田 自分の部屋に トレーニングジムがあるんです。 バーベルとかいろいろ。いつでもトレーニングできるように持ってますし、毎日トレーニングやってますよ。 でも、太りやすい体質です。
原 ずっと話ししていて 感じたんですが、声がよく通ります。通る声でとても聞きやすい。 特にボイストレーニングをされたんですか。
山田 全くしていません。純粋に両親からの頂き物です。
原 オペラ歌手とか。
山田 そんなことないです(笑)。
まちに出て一緒に考えたい-実現したいこと
原 それではこの1年間で何か、実現したいことはありますか。
山田 先ほども言いましたが、私は議会で建設環境委員会に入っています。今定例会に空き家条例が上程されるので、しっかり議論をして実現させたいと思います。 ただ私はまだ新人ですから、1年で何かできるかというと、正直そう多くないと思います。先輩、同僚議員に学びながら、円滑な市政運営に努めたいと思います。毎日が勉強ですね。最終的に市民のために何ができるのか。 議員になったからこそどんどんまちに出て行って、皆さんの中に入って、皆さんの意見を聞いて、一緒に考えていきたい。そう考えています。
原 そろそろ時間が近づいてきました。 最後に、ラジオを聴いている方々に、市議会議員としての決意を話していただけますか。
山田 決意と言うとちょっと構えてしまいますが、私は大きな夢を持って議員になりました。 ふわっとした言い方になりますが、平和を実現したいという思いがあります。今こそ時代のから変わり目ですので、みんなが協力して、子供たちの命やお年寄りの生活を守っていく。そして次の世代にどんな西東京市をつないでいくのか。そういう転換点にあると思っています。ですから新人だからといって小さくならずに どんどん前に出ていって、失敗して、恥をかいて、それで成長して皆さんのお役に立てるように、一歩一歩進んで行きたい、成長していきたいと思っています。
◇ ひばりタイムスからもう一問
-西東京市議会はずっと男性議員が多数を占めてきました。今回も女性議員は28人中7人、ちょうど4分の1。あとの4分の3は男性議員です。自民党議員は9人のうち女性1人です。どうお考えですか。
山田 人口の半分は女性、しかも女性のほうが長生きするのに、政策決定の現場が男性ばかりというのは不自然だと思います。近年、生き方が多様化し、社会問題はより複雑化しています。課題解決には女性の細やかな視点が必要です。クオーター制を導入し、積極的に女性候補者を後押しするとともに、議会に託児所を設けたり、なるべく子供と一緒に議員活動ができる環境を作るべきだと思います。
◇インタビューを終えて
初めてのラジオ出演でとても緊張しましたが、スタッフの方々が話しやすい雰囲気を作ってくださり良い経験になりました。今回の企画がきっかけで、新人議員同士で声を掛け合い、空き家問題について勉強する機会を得ました。収録が終わってからは、車でFM西東京を聴いたり、過去の新人議員インタビューのポッドキャストを聴いて、先輩方に勝手に親近感を覚えたりしました(笑)。
ラジオはぬくもりを感じるメディアだと思います。今回の放送で私の政治姿勢や人となりが少しでも伝わればうれしいです。またお呼びいただけたら幸いです。(山田忠良)
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