西東京市と田無警察署は11月29日、都内最悪と言われる特殊詐欺被害の対策を強化するため「撲滅宣言」を発し、市民の安心と安全を共同で守る取り組みを一層強化することになった。

田無警察署

 見えない脅威は新型コロナウイルスだけではない。電話やメールで偽の話を信じ込ませ、現金やカードをだまし取る「特殊詐欺」の被害が続いている。警視庁によると、今年1月から5月末まで都内の被害は1202件、約24億9500万円に上るという。西東京市と東久留米市を管轄する田無警察署管内はどうだろうか。最近管内の住民が「怪しい電話」を受けたが、なるほど巧妙な手口で誘導してくることがわかった。詐欺にひっかからないためにも、やりとりの一部始終をまとめて報告する。(編集部)

西東京市記者会見。中央のマイク前が丸山浩一市長(田無庁舎)

 多発する振り込め詐欺など西東京市内の特殊詐欺被害は今年7月時点で30件、総額は7400万円に上り、前年1年間とほぼ同じ規模になった。このため市は警告メッセージをあらかじめ流す自動通話録音機200台を10月から高齢者世帯を中心に無料配布する。昨年の配布世帯の被害はゼロ。防止対策の切り札として期待されている。8月28日に開いた西東京市の記者会見で、丸山浩一市長らが明らかにした。