◎勤続20年でも見えない壁 配慮の裏側に何が
 長瀬千雅(ライター/編集者)

 本書の主人公、三戸学さんは「車いすの先生」だ。生まれつきの脳性まひで四肢に不自由がある。2000年に秋田県の教員採用試験に合格。中学校で数学を教える。受け持ったクラスの成績は悪くない。卓球部の監督として女子団体チームを地区優勝へ導いたこともある。「(障害があるのに)すごいですね」「がんばっていますね」と言われる。なのに22年間、どれほど希望しても担任にはなれない。毎年毎年、期待してはがっかりするの繰り返し。それでも諦めない三戸さんの行動は、わたしたちに問いを差し出す。その問いが、本書のタイトルになっている。

 2001年、保谷市と田無市が合併して誕生した西東京市で、かつての「保谷名物」から「西東京名物」となり、地域を中心に親しまれている「旭のかりんとう」。製造・販売する旭製菓(本社・西東京市泉町)は1924(大正13)年創業で、2年後には創業100年を迎える老舗だ。その一世紀の道のり、そして今後の展望などを守下もりした武彦会長、会長の長女で4代目の守下綾子社長に聞いた。(写真は、さまざまな味、食感で人気の旭製菓のかりんとう=旭製菓提供)

 昔といっても、明治初期のこと。いわゆる三多摩地区は神奈川県に属していたことがあった。その後はずっと「東京」に帰属するが、この歴史は、多摩地区の微妙な位置をあらわしているのかもしれない。 (写真は、ひばりヶ丘駅に入線した東急東横線の車両。「神奈川県」は意外に近い)

1.庶民の楽しみに衝撃が走った!

 

 年金生活者は、収入が増えることはない。このため、小銭を貯金箱に入れてコツコツ貯め、電気製品が壊れたなどのイザという時や、たまにちょっと贅沢をする時などに使う人が結構いる。500円玉貯金をしている人、小銭入れが重くなったら、少しずつ貯金するという人などなど。こうした小銭も、塵も積もれば山となるで、結構溜まるものだ。

 まだ試したことはないのだが、西武線とあまり縁のない人に「石神井」という地名を見せると、どれくらいの人が「しゃくじい」と読むだろうか。案外難読地名かもしれない。今回はその「石神井」と、前回からふれている「石神井川」をめぐるあれこれについて探ってみたい。 (写真は石神井公園周辺。いわれてみると城跡の感じがある?)

生死をかけた壮絶なドラマ by 賀陽智之

 「わたしの一冊」の寄稿を依頼されてから約1カ月。原稿を書くこの瞬間まで、カポーティの『ティファニーで朝食を』をおしゃれに紹介するのか、サルトルの『嘔吐』を渋く語るかで迷っていた。私の記事がインターネットに長期間掲載されることを踏まえ、どちらの本を選ぶ方が無難なのか。それぞれの本のAmazonレビューを見ながら考えている。しかし、どうしても、この2冊の本を押しのけて頭の中に浮かんでくる本がある。それが稲垣栄洋著『生き物の死にざま』だ。正確には『生き物の死にざま』と姉妹編の『生き物の死にざま はかない命の物語』の2冊である。

 さる4月下旬、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」で「武蔵関」が取り上げられた。この街が特集されるのは「おそらくテレビ初」というのが、〝つかみ〟の文言のようになっていた。それくらいマイナーというか、地味な街ということなのだろう。(写真は、桐野夏生『OUT』に登場すると思しき小金井公園)

想像上の世界旅行へ by  山川 恒平

 

 読書嫌いの少年だった。作文も好きなはずがない。その二つを足し算すると、答えは読書感想文といったところだろうか。夏休みに出されるこの宿題が大嫌いだった。1960~70年代の田舎の少年としては、ごく普通ではないだろうか。そんな私が、小学生のころから手元に置いているのが地図帳である。理由やきっかけは思いつかない。学校の教科書とは縁が薄かったが、社会科の教材だった地図帳は私にとって、鉄道少年の時刻表のようなものだったのだろう。

1.知らない間に巻き込まれる戦争

 

 ウクライナの情報に触れ、「戦争」が遠い昔の事ではなく、いつ自分の身に起こることかもしれないと感じ、鳥肌が立つ思いだ。

 子どもの頃、母親に「どうして戦争に反対しなかったの?」と素直に聞いたことがある。戦後生まれの自分にとって、学校のホームルームなどで意見を述べることは特別なことではなく、戦争が嫌なことなら、何故反対しなかったのか不思議だったのだ。

親子の土台を育む by 道下良司

 なかなかご飯を食べてくれない。仕上げの歯磨きをさせてくれない。そんな悩みを感じながら小さな子を育てる親は多い。本書は、子育ての悩みに対し、万人にあてはまる「正解」はないと言い切る。観察力を磨くことで親子関係を育み、自分の子にとってベストな接し方をみつけることが大切だと教える。

100winds_banner01 第30回

師岡武男(評論家)

 

基本的な仕組み

1:経済とはモノ(財・サービスの実物)を生産して利用する活動であり、人類発生以来の営みである。 2:モノの生産にも利用にもカネ(貨幣)が必要であり、金融経済の制度の役割は大きい。 3:カネは国(政府、日銀)が発行して供給(貸付と給付)する法定貨幣が基本となる。 4:カネは必要なだけ供給できるが、モノには供給力の限度がある。 5:豊かで安心・安全な福祉経済実現のために、これらの基本的仕組みを有効に活用して供給・需要の量的・質的な向上(成長)を図ることが必要。当然ながら完全雇用。

 桜の季節は終わったと早合点してはいけない。種類の多いサクラだけに、遅咲きの品種が西東京市内でも咲いている。ひばりが丘団地の東側に、淡い黄緑色の花びらが特徴のサトザクラ「鬱金」(ウコン)がいま満開だ。(写真は団地に咲く鬱金。4月13日午後撮影)

 目の雨に広がる色鮮やかな花々に圧倒された。国営昭和記念公園(立川市・昭島市)のチューリップが見ごろを迎えている。小平市から五日市街道を車で約40分。園内のレンタサイクルで緑の中を走って、公園中央にある渓流広場の「チューリップ・ガーデン」へ。242品種22万球という花々が池を囲むゆるやかな斜面に咲き誇っていた。(写真は、見ごろを迎えるチューリップ。4月13日午後0時45分)

「古いもの」好きに導いてくれた by 中村晋也

 ぼくは西東京市の西武柳沢駅の近くで駄菓子屋を営んでいる。若い時から古いものが好きで、なにか商売を始めるときに駄菓子屋を選んだこともその流れからである。そんな、僕の古いもの好き・昭和への憧れを形成したのが、藤子不二雄によって描かれた「まんが道」である。(写真は、何度も読み返してボロボロになった『愛蔵版 まんが道』)

 トピックス的なことから始めたい。  2月のはじめ、来年春の NHK連続テレビ小説の発表があった。神木隆之介主演で「日本の植物学者の父」と呼ばれる牧野富太郎博士をモデルにした『らんまん』に決まったという。  この牧野博士、大泉学園に縁が深い。氏が1957(昭和32)年、満94歳で没するまで研究生活を送ったのが、大泉学園駅からほど近い場所だったのである。現在その地は「練馬区立牧野記念庭園」となっている。練馬区は張り切って区報の「号外」まで出した。その模様を2月17日の東京新聞が「地元沸く」と報じている(写真)。