トピックス的なことから始めたい。  2月のはじめ、来年春の NHK連続テレビ小説の発表があった。神木隆之介主演で「日本の植物学者の父」と呼ばれる牧野富太郎博士をモデルにした『らんまん』に決まったという。  この牧野博士、大泉学園に縁が深い。氏が1957(昭和32)年、満94歳で没するまで研究生活を送ったのが、大泉学園駅からほど近い場所だったのである。現在その地は「練馬区立牧野記念庭園」となっている。練馬区は張り切って区報の「号外」まで出した。その模様を2月17日の東京新聞が「地元沸く」と報じている(写真)。

杉山尚次(編集者)

 前回、大泉学園を舞台にした竹宮惠子と萩尾望都の若き日の確執の話から、永島慎二の阿佐ヶ谷に飛んだりしたため、この地について書き足りない感が残った。そこでもう一回、大泉学園を訪ねてみたい。まずは「練馬区立牧野記念庭園」から。(写真は、練馬区立牧野記念庭園 展示室の入口)

杉山尚次(編集者)

 ちょっと前のことになるが、意外なところで「大泉」の名前を目にした。  少女マンガ家・萩尾望都の『一度きりの大泉の話』(河出書房新社)である。この本が4月に刊行されると、5月の「東京新聞」の匿名コラム「大波小波」が、続けざまに取り上げた。「もう一つの聖地の真実」(5.12)、「「大泉サロン」の亀裂」(5.19)。なにやら意味深である。(写真は、大泉学園駅北口にある看板)