「古いもの」好きに導いてくれた by 中村晋也
ぼくは西東京市の西武柳沢駅の近くで駄菓子屋を営んでいる。若い時から古いものが好きで、なにか商売を始めるときに駄菓子屋を選んだこともその流れからである。そんな、僕の古いもの好き・昭和への憧れを形成したのが、藤子不二雄によって描かれた「まんが道」である。(写真は、何度も読み返してボロボロになった『愛蔵版 まんが道』)
ほんのこの前まで子どもたちであふれていた「だがしや(駄菓子屋)かなん」は、緊急事態宣言を受けて4月7日から休業している。「子どもたちを守ることがなにより大切。感染源になってはいけない」と店長の山永和子さんは休業を決意した。「木曜日は高校生が先生になってネットで勉強会をやる」というので5月13日、西武池袋線東久留米駅から歩いて15分、住宅街の中にある「かなん」を訪ねた。(写真は、案内板も真っ白に。「だがしやかなん」の前で話す山永店長)
新型コロナウイルスの災いを払い除けようと、伝説の妖怪「アマビエ」がSNSなどネット空間に頻繁に登場するようになった。しかしこの妖怪が、西東京市の一角に「降臨」したことを知っているだろうか。依り代はキットパスと呼ばれる新しい画材と駄菓子屋さんのウインドウ。巫女役を務めたのはウインドウアートで知られる地元在住の鈴木信子さんだった。10日ほど前、記者は目撃した!