2003(平成15)年、武蔵野の台地を流れる玉川上水が国の史跡に指定された。江戸初期から人々に飲み水を届けるとともに武蔵野の開発を促した玉川上水は戦後、空堀や道路、暗渠になるなど時代の変化に合わせてその姿を変えてきた。近年は人々に憩いを与える自然環境の保全、江戸と東京の発展を支えた歴史文化資産としての整備が進むとともに、豊かな水流復活に向けた活動が熱を帯びている。
西東京市東伏見にある国史跡の下野谷(したのや)遺跡整備地で10月8日、「縄文の森の秋まつり」が開催された。市民に公募していた同整備地の愛称が「したのや縄文の里」に決まり、発表もされた。秋晴れの下、過去最高となる約1300人の市民らが駆け付け、復元された竪穴式住居を体感するなど、さまざまな縄文体験を楽しんだ。
西東京市が誇る国史跡「下野谷遺跡」をアピールし、後世に継いでいくため、同市で「したのや縄文里山プロジェクト」が進められている。発掘開始から半世紀、史跡指定から6年を経て、施設の整備やPRを本格化。行政だけでなく遺跡に関心を持つ人にも「ムラびと」として参加してもらい、「東京に縄文のムラを作ろう!」と盛り上がっている。(写真は、整備が進んでいるエントランス部分)