2021年に自殺した小平市立小学校の男性教諭の両親が「自殺した原因は先輩教諭によるパワハラ」として今年6月、小平市と東京都相手に起こした損害賠償請求訴訟をめぐり、市教育委員会が児童や教職員に取材する記者を不審者として警察に通報するよう求める文書を市立小中学校長に配布していたことが9月5日に開会した小平市議会9月定例会で明らかになった。

 小平市議会(松岡あつし議長)の2023年9月定例会が9月5日に開会し、小林洋子市長は冒頭の「行政報告」で、2021年に自殺した小平市立小学校の男性教諭の遺族から「自殺した原因は先輩教諭によるパワハラ」として今年6月、損害賠償を求める訴訟を小平市などが起こされたことを明らかにした。

会見する日本体操協会の山本宜史専務理事(左)と遠藤幸一常務理事(右)

 日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長と塚原光男副会長からパワーハラスメントを受けたと、宮川紗江選手(西東京市出身)が告発した問題で、協会から委任された第三者委員会(岩井重一委員長)の調査報告書の内容が12月10日、体操協会の記者会見で明らかにされた。報告書は「悪性度の高い否定的な評価に値する行為であるとまでは客観的に評価できない」としてパワハラ行為を認めなかった。当日の会場で配布されたのは「説明用概要版」という1枚の資料だけ。協会がその日ホームページに掲載した調査報告書の「要約版」(全43ページ)をあらためて紹介し、報告書の立場や前提、構成、分析、提言などを読み解きたい。

 日本体操協会(二木栄徳会長)は30日、宮川紗江選手が塚原光男副会長と塚原千恵子強化本部長のパワハラ問題を提起したことを受けて緊急の対策会議を開き、「第三者委員会を設置し、迅速な調査結果を求める」と決定した。「10月に世界選手権大会を控えて参加選手に配慮し、早期の結果を報告できるようにする」としている。

「 速見コーチの処分は重すぎる」 と訴える宮川選手。 左隣は山口政貴弁護士

 西東京市出身で体操女子の宮川紗江選手(18)が8月29日、東京・霞ヶ関の弁護士会館で記者会見を開いた。指導していた速見佑斗コーチ(34)が宮川選手に暴力を振るったとして、日本体操協会が無期限の登録抹消処分にしたのは「余りにも重すぎる」と処分の軽減を求めた。そのうえで協会役員の言動を挙げ、処分絡みだけでなく選手強化をめぐる具体例も列挙して「パワーハラスメントを受けた」と訴えた。日本体操協会は同夜開いた記者会見で「正式の申し出があれば調査する」と対応を約束した。

 西東京市議会の全員協議会が8月23日に開かれ、前教育長のパワーハラスメント疑惑を契機にあらためて実施された市職員対象の全庁アンケート結果が報告された。最近3年間でパワハラを受けたと回答した職員は137人、約20%に上った。セクハラは3.5%、妊娠・出産・育児休業に関する嫌がらせ、いわゆるマタハラは約1.0%だった。教育委員会の個別ヒアリング結果も併せて報告された。疑惑の有無や実態は具体的に記載されなかったが、池澤隆史副市長は「指導の範囲内」と述べた。

第4回定例会初日(12月2日、本会議場)

 西東京市議会第4回定例会の一般質問で12月8日、保谷七緒美なおみ氏(自民党)が前田とおる教育長を相手に「パワハラ疑惑がある」などと20分余り集中的に質し、「今後どうされるかはご自身で判断していただきたい」と述べた。しかし具体的な事実は提示されかったため、他の議員から「事実関係の調査を求める」議事進行の発言が出たが、その場では取り上げられなかった。