第27回 師岡武男 (評論家)    総選挙の時に盛んに使われた「成長」と「分配」というキーワードを軸にして、今後の経済政策の在り方を考えてみたい。

杉山尚次(編集者)  8月に取り上げる本は『盆踊りの戦後史——「ふるさと」の喪失と創造』(大石始、2020年、筑摩選書)にしようと前から決めていた。「盆踊り」は、これといって特徴のない町でも、かろうじて「地元」を感じさせ

第26回 師岡武男 (評論家) 秋の総選挙が近づいてきた。この選挙で、各政党の政策公約に大きく掲げてもらいたいのは、コロナ対策とデフレ対策としての大幅な積極財政だ。それが今後の日本経済の将来を切り開くための、重要な対案で

第25回 師岡武男(評論家)      経済活動の内容は、大別するとモノ(財・サービス)を作って使う実体経済と、そのために必要な貨幣を運用するマネー経済で組み立てられている。両者は密接に絡み合っているが、国民の生活にとっ

第24回 師岡武男(評論家)      日本の国民生活は、いま非常事態にある。コロナ禍による健康・経済不安と、デフレ絡みの経済崩壊の危機が深刻化しているためだ。政府がそれを認識しているなら、非常時対策を緊急にとらなければ

第23回 師岡武男 (評論家)      おカネは漢字では貨幣とか通貨と言い、法律でも使い分けているが、英語ではどちらもマネーだ。おカネについて世間では、「経済活動の血液」「命の次に大事なもの」「カネは天下の回りもの」な

第22回 師岡武男 (評論家)      日本の生活・生産を再建するために「大きな政府」が必要だと提唱する小論を書いたが、「大きな政府」という言葉はあまり聞き慣れないものかも知れないと思うので、付言しておきたい。

第21回 師岡武男(評論家)  日本経済は「失われた20年」とか「平成不況30年」とも言われる停滞続きと、今年からのコロナ不況が重なって、深刻な不安にさらされている。それは年末から来年にかけてさらに悪化するとみてよいだろ

第20回 師岡武男 (評論家)  このままでは、日本は安全と安心を持てない国になってゆきます。  国のカネをどんどん使って、災害と貧乏から脱け出しましょう。  政府・日銀は問題解決への打ち出の小槌を持っています。生かすの

第19回 師岡武男 (評論家)      地球上どこに住んでいても、人々の何より先の願いは安全と安心の生活の確保だろう。日本という国の私たちにとっても、新年の計の基礎は先ずそれではないか。今年はその点でどうか。

第18回 師岡武男(評論家)       今度の総選挙は、入り口の段階で、「政権選択」を目指す野党再編成のドラマが大騒ぎになったが、それが一段落すれば、政策公約の争点に有権者の関心が高まっていくだろう。その一つが消費税増

【書評】 宮本剛宏著『介護危機』 鏡諭編著者『介護保険制度の強さと脆さ』 師岡武男(評論家)  私はいま西東京市に住んで老々介護の生活をしている。今年になって出版された介護関係の二冊の本『介護危機』(宮本剛宏著)『介護保

さらば緊縮財政・消費税!の号砲 師岡武男(評論家)  アベノミクスの行き詰まり打開の決め手が「財政出動」であることが、よやくクローズアップされつつある。  経済大国・軍事大国アメリカの復活を目指すトランプ大統領が、大型の

第17回 師岡武男 (評論家)      日本のように生産能力が高くて勤勉な人の多い国で、国民が豊かな経済生活を実現することは、常識で考えれば、少しも難しいことではない。経済生活とは、生活に必要なモノ(財物)とサービス(

第16回 師岡武男 (評論家)     ◆日本の財政政策の決まり文句の一つに「子孫にツケを回すな」というのがある。財政赤字対策の国債発行は、親の不始末を子孫に負担させるものだという「警告」である。子孫に迷惑をかけたくない