◎「戦争は絶対悪」を前提とした恒久平和のための政策

 師岡武男(評論家)

 日本経済は今、貧困と格差の生活危機が続いているが、岸田政権の下でさらに平和への危機も付け加わっている。非武装、不戦の憲法に反する軍事大国化と他国との軍事同盟の強化が急速に進められているのだ。この動きは安倍政権以来のものだが、その後のロシア・ウクライナ戦争をきっかけに、欧米諸国のロシア・中国・朝鮮への封じ込め政策が強められ、日本もそれに積極的に参加している。自民公明政権は、これを機に軍事大国化と憲法改定を一気に進めようとしているのだ。

100winds_banner01 第32回

師岡武男 (評論家)
 

 岸田首相が、就任1年後の22年10月、国会での所信表明で「構造的な賃上げ」を重点政策として訴えた。立派な政策公約だが、その実現には今どうすればよいか、を考えてみよう。

100winds_banner01 第31回

師岡武男 (評論家)
 

 日本経済の問題点を長年報告したり論じたりしてきて、今96歳の私が一番大事だと思う経済課題は、社会保障の充実である。私自身の生活は、寝たきりの体にならない限り、社会保障のお陰で、独居老人でも幸い何とか暮らしていける。しかし日本全体で見ると、不景気続きのじり貧経済のため生活に困っている人々が沢山いるし、社会保障は抑制のための「改革」がどんどんと進んでいる。恐らく多くの人々が老後不安におびえ、結果として消費節約による不景気経済の悪循環を招いていると思う。この状況を一刻も早く改善したい。

100winds_banner01 第30回

師岡武男(評論家)

 

基本的な仕組み

1:経済とはモノ(財・サービスの実物)を生産して利用する活動であり、人類発生以来の営みである。 2:モノの生産にも利用にもカネ(貨幣)が必要であり、金融経済の制度の役割は大きい。 3:カネは国(政府、日銀)が発行して供給(貸付と給付)する法定貨幣が基本となる。 4:カネは必要なだけ供給できるが、モノには供給力の限度がある。 5:豊かで安心・安全な福祉経済実現のために、これらの基本的仕組みを有効に活用して供給・需要の量的・質的な向上(成長)を図ることが必要。当然ながら完全雇用。

100winds_banner01 第29回

師岡武男 (評論家)

 

30年前と同じ課題

 日本経済にはかつて「生活大国5か年計画」というものがあった。それを振り返ってみると、今や日本は大国どころか「生活小国」になってしまった、と思わざるを得ない。

100winds_banner01 第28回

師岡武男 (評論家)

 

新鮮な標語だが

 コロナ禍とデフレ下の総選挙が終わり、新内閣の政策も与野党の公約も出揃って、政治も経済も新しい段階に入った。