ひとしずくの文化が広げる波紋 by 渡邉篤子

 書店の棚に表紙を見せるようにして置かれていた。  荒れた建物の中でカメラの前に立つ2人の子ども。  ひょうきんな顔をする弟の首に腕を回し、「ちゃんと止まっていなさい」と制しているかのようなお姉さん。その表情はかすかに微笑んでいるが、無防備ではない。大人の表情だ。

イサム・ノグチのAKARIが漏れる前川國男邸と紅葉

 11月下旬としては暖かな夕べの22日と23日、江戸東京たてもの園で「夜間特別開園 紅葉とたてもののライトアップ」が開催された。

100winds_banner01 第23回

師岡武男 (評論家)
 
 

 おカネは漢字では貨幣とか通貨と言い、法律でも使い分けているが、英語ではどちらもマネーだ。おカネについて世間では、「経済活動の血液」「命の次に大事なもの」「カネは天下の回りもの」などさまざまに言いはやされている。貨幣経済の社会では、それだけ重要なものである。ここではおカネの造り方、回り方の仕組みを調べておこう。

『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東(2)京王・西武・東武』

杉山尚次(編集者)

 前回、井の頭線には昭和20年代、吉祥寺から北へ、田無を経由して東久留米に至るという幻の延長計画があった、という話を書いた。それはどういう経路だったのか ?  仮説を述べてみたい。推理の材料となった本を挙げておこう。

【撮影データ】Nikon D4、ISO 400、SP 1/30、f 4

下り階段と上り坂(18 下保谷ふれあい歩道橋)

 素人カメラマンには絶好の撮影ポイントでもある下保谷ふれあい歩道橋の南を見ると、下り階段と上り坂が偶然線上にあるので、上下二分割の世界が撮れる。しかしここが、かつて「三角山」があった場所だと知る者は少ない…。

ひばりが丘団地の7階のベランダより(9月4日 午前6時37分撮影)

 今年は初冠雪が例年より遅れたようです。毎日、朝夕の富士山の撮影を楽しみにしています。綺麗に撮れた時はご満悦で、日誌代わりに記録しています。

冷たい4畳半でふれた青春の一冊 by 川地 素睿

 

 上京して初めての冬、冷たい4畳半のアパートで過ごした。大学受験で気持ちをすり減らしていた2月、アパートのある中野区の宮園書房で定価60円、80ページに満たない詩集『北国』を購入した。井伏鱒二が訳詩した「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」の文句に魅かれていたわたしには鮮烈で寂寥感に満ちた詩集だった。(写真は、徘徊していた中野駅前の裏通り)

小平市鈴木町のマンション5階から(11月6日午後4時47分)

 11月6日午後4時41分の日没直後。自宅マンションのベランダから西空を眺めていると、ひしめく雲が一気に赤く染まっていった。晩秋の静かな青空に攻め入るように燃える巻積雲。「きれい」というより「すごい」。せめぎ合う青と赤。混乱する米国大統領選を思い出してしまった。ウソのような幻想的光景は、みるみる闇に包まれた。 (片岡義博)

便利なコンビニ総菜類(筆者撮影)

 暮らしにごみは付きもの。減らしたり再利用したりするのが私たちの大事な務めになるはずです。「まち思い帖」が今回取り上げるのは「プラスチックごみ」。環境にかかる負荷は言うまでもなく、いつものように疑問を手放さず、しっかり調べて私たちが出来ることを学びます。>>第35回「プラスチックごみ―地球規模の環境問題を自分ごととして考える」

100winds_banner01 第22回

師岡武男 (評論家)
 
 

 日本の生活・生産を再建するために「大きな政府」が必要だと提唱する小論を書いたが、「大きな政府」という言葉はあまり聞き慣れないものかも知れないと思うので、付言しておきたい。

小金井公園・こどもの広場(10月25日)

 一気に視界が華やいだ。日曜朝の小金井公園。赤、ピンク、白と満開のコスモスが緑の園内を彩っている。ジョギングにいそしむ人々や散歩途中の老夫婦もスマホを取り出してパシャリとカメラに収めている。

竹内正浩著『地図と愉しむ東京歴史散歩』(中公新書)

杉山尚次(編集者)

 いきなり私事で恐縮だが、筆者はひばりが丘に60年ほど住んでいる。100年前だったら間違いなく古老である。だからこのような原稿は、いってみれば〝古老の語り〟だということに気づき、愕然とした。しかし21世紀版のそれとしてやってみたいと思う。書物を〝散歩〟しながら、「ひばり」やその周辺の武蔵野散歩を楽しんでみたい。

【撮影データ】 Nikon D4, ISO800, SP1/60, f4

鰻屋のある街(16 ひばりが丘北口商店街)

 ひばりヶ丘駅北口にある「西東京市三大商店街」の一つでもある北口商店街は、駅から新座方面に続く長い商店街。鰻屋さんのある商店街は良い商店街なのです。

100winds_banner01 第21回 師岡武男(評論家)

 日本経済は「失われた20年」とか「平成不況30年」とも言われる停滞続きと、今年からのコロナ不況が重なって、深刻な不安にさらされている。それは年末から来年にかけてさらに悪化するとみてよいだろう。「令和恐慌」到来という見方も出ている。政府は、来年度予算の編成と併せて、第3次補正予算による財政出動も必要になると思われる。

 

 自分の人生を変えた一冊、心に深く残った一冊、ぜひ勧めたい一冊。自分にとって取っておきの本を紹介する新企画です。毎月第2木曜日に掲載します。(編集部)

 

『生と覚醒めざめのコメンタリー』(全4巻)

 

比類なき人生相談の記録 by 片岡義博

 

 「黄昏時の長い影が、静かな水面の上にあった、そして川は、午後から静かになりつつあった」。この随想録の多くはそんな自然描写から始まる。次に来訪者の様子が描かれる。「彼は快活な人物だった。そしてしきりに知恵を求めていた」というように。