都民ファーストの会と小池知事に期待 東京都議選出口調査

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2017年7月4日

 7月2日に実施された東京都議会議員選挙の西東京市選挙区で、都民ファーストの会の女性新人がトップ当選し、5期連続当選してきた自民党現職が落選した。ひばりタイムスが実施した出口調査から、有権者の期待と判断を探った。

 

 「新しい風を感じる」-桐山ひとみ氏

 

小池百合子東京都知事と宣伝車に立つ桐山ひとみ氏(6月27日、ひばりヶ丘駅南口)

 

 トップの桐山ひとみ氏は30,650票を獲得し、得票率38.36%だった。旧保谷市時代を含め市議6期18年。健康づくりやスポーツ振興、子育て支援などを訴え、「古い議会を新しく!」と呼び掛けた。「変化に期待」(40代男性)「子育て支援で頑張ってほしい」(40代女性)「若くて新しい風を感じる」(30代女性)などの声が年代を問わず多かった。

 桐山氏は地域政党「都民ファーストの会」の「公認」候補。同会代表の小池百合子東京都知事が応援に来るたびに聴衆は増えた。「駅前で小池知事の演説を聞いて共感した」(30代女性)「小池さんの主張に同感」(40代男性)「都民ファーストの会の考え方がよかった」(50代女性)など小池知事と都民ファーストの会への期待が追い風になったことは間違いない。

 選挙翌日、小池知事は都民ファーストの会代表の座を退き、知事職に専念すると明らかにした。「小池代表」は選挙期間中だけに終わった。桐山氏や都民ファーストの会が今後、小池氏への期待を引き継ぐことになる。

 

 「地元で活動している」-石毛しげる氏

 

街頭で演説する石毛しげる氏(6月24日、ひばりヶ丘駅南口)

 石毛しげる氏は20,647票。前回より7,866票増やしての4選だった。民進党を離党後、都民ファーストの会の「推薦」を得て無所属で出馬。予想された苦戦を撥ね返した。

 3日に開いた「当選報告会」で元衆議院議員の民進党、末松義規(よしのり)氏が挨拶。「石毛さんは年末から地域を歩いて歩いて歩き回った。数万軒に上るはずです。街頭演説も朝夕欠かさなかった。こういう頑張りが栄冠を引き寄せた。(離党問題では)生き残って(議員の)バッジを付け、市民のみなさんの声を実現しようと二人で話し合ってきた」と語った。

 こういう動きを「あからさま」(40代男性)とする声もあったが、「地元できちんと活動している」(40代女性)「人間的に信頼できる」(70代以上、女性)など身近な行動と人柄を評価する意見もあった。

 

 「自民を応援してきたが…」-山田忠昭氏

 

総決起集会で「頑張ろう」(6月3日、こもれび小ホール)

 山田忠昭氏は16,511票。前回21,344票に比べ4,833票減だった。これまで応援してきた公明党が今回は桐山候補の支援に回った。昨年7月の参院選で公明党候補は1万票。この半数前後を失ったとみても痛手は大きい。

 選挙前の6月3日に開いた総決起集会は熱気にあふれていた。保谷こもれび小ホールに支持者ら約400人が集まり、会場に入り切れない人がロビーにあふれるほど。大臣、国会議員、市議団、業界代表が次々に演説。駆けつけた丸山浩一市長も檄を飛ばした。それが国会の異例の強行採決、森友・加計学園問題などの直撃を受けて一転、逆風となった。

 「自民を応援してきたが、今回はあんまりだ。反省してもらうために都民ファーストの会にした」(50代男性)「いまの自民党はちょっと…」(70代以上、男性)などの声が目立った。「信頼できる政党は自民党しかない」などの手堅い支持も広がらなかった。

 

 「ぶれない政党だから」-中村すぐる氏

 

安倍政権を正面から批判する中村すぐる氏(6月24日、ひばりヶ丘駅南口)

 中村すぐる氏は前回の共産党候補票に6,261票を上積みし、1万2,102票を獲得した。「ぶれない姿勢だから」(70代以上、女性)「安倍政権を倒したい」(50代男性)「支持政党はないけれど、(自民党批判の候補は)ほかにいないから」(50代男性)など現政権を正面から批判する姿勢が評価された。

 

 国政が直結 消去法で選択も

 

 候補者への投票理由で、気になったことがいくつかある。まず、築地・豊洲市場問題に言及した人がいなかった。昨年から新聞やテレビでしばしば話題になりながら、投票行動を左右する条件ではなかったらしい。それよりも、国政が都議選に直結したと言った方が正確かもしれない。それほど都政の独自課題は指摘されなかった。

 もう一つは、「消去法で投票した」との答えが少なくないことだった。50代の男性は「自民イヤ、公明キライ、共産? 結局消去法で選んだ」と話した。投票理由を聞くとしばらく考え込んで「消去法かな。変化に期待します」(40代男性)などの声もあった。

 出口調査は投票日の2日午前から昼過ぎにかけて、市内4箇所の投票所で計100人から有効回答を得た。調査データは投票結果とほぼ同じだった。桐山候補への得票率が3ポイント高く出たが、他の候補は誤差1ポイント前後。男女比もほぼ投票結果と変わらなかった。
(北嶋孝、柿本珠枝)

 

【関連リンク】
・東京都議会議員選挙(西東京市選挙区)投開票結果(西東京市Web
・都議会議員選挙(平成29年7月2日執行) 投開票結果(東京都選挙管理委員会

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