「担任教諭と同級生のいじめで不登校に」 いじめ重大事態の児童側、小平市を提訴 市議会で市長が報告

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育 オン 2023年11月28日

 小平市議会(松岡あつし議長)の2023年12月定例会が11月28日に開会し、小林洋子市長は冒頭の「行政報告」で、小平市が「いじめ重大事態」に認定した市立小学校の男子児童側から今年9月に損害賠償請求訴訟を起こされたことを明らかにした。男児側は「担任教諭からいじめの標的にされ、それが同級生からのいじめを誘発して不登校になった」などと訴えている。

 

小平市議会

小平市議会(議会中継の動画映像より)

 

 行政報告や訴状などによると、男児が小学6年時の担任だった女性教諭は、2022年度の新学期から男児を同級生の前で笑いものにしたり怒鳴りつけたり差別的対応をしたりするいじめ行為を続け、6月からは授業中に「ノートを書きなさい」などと言いながら男児の脇腹を人差し指で何度も深く突く行為を繰り返した。

 教諭の対応を見た一部の同級生たちも男児を冷やかしたり中傷したりし始め、中には日常的に蹴ったり首を絞めるなどの暴力を振るう生徒もいた。教諭はその現場を見ながらも黙認して、男児の負傷を保護者に伝えることもなく、暴力を伴ういじめが続いた。

 嘔吐やめまいを起こすようになった男児は10月から学校を休みがちとなり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、12月半ばからは一切登校できなくなった。男児の父親は校長や副校長に事態の改善を繰り返し求めたが、いじめ行為は止まらなかった。報告を受けた市は12月までに一連のいじめ行為をいじめ防止対策推進法に基づく「いじめ重大事態」と認定。調査開始は今年3月まで持ち越され、結局、男児は小学校に復学できなかった。

 両親は学校や市側に調査の状況や結果の説明を何度も求めたが、「調査中なので答えられない。調査は年内には終わらない」との回答にとどまった。このため男児側は「教諭の行為は学校教育法が禁じる体罰のほか暴言、不適切な指導に当たる。校長はいじめを放置し、教諭にも科すべき処分を行わなかった」などとして小平市に約331万円の損害賠償を求める訴訟を9月22日、東京地裁立川支部に起こした。12月21日に第1回口頭弁論が開かれる。

 

東京地裁立川支部

東京地裁立川支部

 

 この小学校では2021年以降、3件のいじめ重大事態が連続して発生しており、男児の父親は「前の事案を教訓に早期対応していれば、重大事態に発展することは避けられたはず。再発防止の掛け声が全く生かされていない」と話している。

 行政報告を受けた議員との質疑で、安竹洋平氏(一人会派の会)は「教員の不適切な行為に対する調査結果の説明や謝罪を被害者家族にしてきたか」と質問した。岡﨑奈緒子教育指導担当部長は「学校も含めて謝罪が必要な場合は、そのように対応をしてきている。今後、裁判の中でいろいろな事実が明らかになった折には、教育委員会として謝罪が必要になる可能性もある」と答えた。

 また伊藤央氏(一人会派の会)は「訴訟に至るまでに原告側から『市長への手紙』を通した訴えがあったかどうか」などを問うた。岡崎部長は「市長への手紙は頂いているが、内容については今後の裁判に影響を与える可能性があるので答弁は控えさせていただく。返信は記憶している限りではメールで、指導課として回答した」と答えた。

 小平市では、担任の男性教諭からの体罰でストレス性障害などと診断され、小学校を不登校になった男児と両親が市に損害賠償を求める訴訟を起こしている。東京地裁立川支部は今年1月の判決で原告の訴えを棄却。原告はこれを不服として控訴した。

 この両親と今回提訴した両親を含め、子ども同士のいじめや教師の体罰・暴言が原因で不登校になった児童の保護者たちは昨年12月、「小平市子どもを守る会」を結成。今年9月、市による体罰の実態調査が不十分だったとして、公正・中立的な第三者機関による再調査を求める嘆願書を小平市長と教育長宛てに提出した。
(片岡義博)

 

【関連情報】
・小平市議会(令和5年12月定例会11月28日 初日)(議会中継

 

片岡義博
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