「保谷のアイ」で藍染め体験や展示 下保谷四丁目特別緑地保全地区で
11月3日(文化の日)に下保谷四丁目特別緑地保全地区(旧高橋家屋敷林)にて、西東京市教育委員会社会教育課、下保谷の自然と文化を記録する会と高橋家屋敷林保存会が主催した「東京文化財ウイーク2023 第14回 屋敷林企画 保谷のアイ」が開催されました。11月にしては季節外れの暑さの下で、10時の開門時には列をなし、最終的にカウントされた入場者数は435人。多彩な催し物を家族、友人らと共に楽しんでいました。
保谷の昔の生産品としての「藍」についての説明パネルは、藍栽培から藍玉作りまでの過程がイラストで分かりやすく示されていました。藍で染めた小布を集めて作った半纏(はんてん)なども触って見られるように展示されていました。藍染め体験には215人が参加し、思い思いの模様を考えて、ハンカチに輪ゴムをかけていました。しかし残念なことに今回の藍染め液の出来が悪く、藍の色がうまく出ませんでした。藍のごきげんが悪くうまく発酵しなかった原因を確かめ、来年はぜひともいい藍色を出す液にしてほしいものです。
藍関連の展示品の中には、今でも使用可能な藍の葉を落とす棒打ち作業に用いる「くるり棒」や、すくもから藍玉づくりに使う「立臼」などの展示もあり、昔の民具の大八車や背負子(しょいこ)を使った実技の時間があってもよかったように思いました。
屋敷林の植物を使った竹細工・竹馬、竹ぽっくり、竹製の投げ輪などの遊び道具やコマ回し、「どんぐりゲーム」を使う遊びのコーナーもあり、大人たちが楽しそうに子どもたちに遊び方を教える光景も見られました。
屋敷林保存会が丁寧に管理されている野草園の公開では、多くの花は見られなかったけれど、名札と植物を見比べて写真を撮っている人たちもいました。野草園前では、保存会の人たちの手作り紙芝居が実演され、小学生の低学年用、中学年用、高学年用と時間を分けて、屋敷林の動植物が紹介されていました。野草園は毎週金曜日の午前中に公開しています。季節ごとの植物、動物の様子を見ることが出来ます。
このような企画がこの整備された屋敷林で行うことが出来るのは、保存会の人の日々の活動によっていることを忘れてはいけないと思います。
(松田宗男)
【筆者略歴】
松田宗男(まつだ・むねお)
1948年生まれ。保育園時から高校まで練馬区東大泉に在。現在南大泉に在住。 「下保谷の自然と文化を記録する会」会員、NPO法人科学教育研究所理事、杏林大学名誉教授。専門は、遺伝学。2022年7月、「記録する会」の萩原恵子との共著で『武蔵野鉄道が通る! -保谷周辺を中心に-』を刊行。
催しのようすを詳しく紹介するなど、本文と写真を追加、整理しました。このため一時掲載を保留しました。リンク先はかわりません。(編集部)