まちおもい帖 第43回 コロナ禍がもたらした新しい世界

投稿者: カテゴリー: 暮らし連載・特集・企画 オン 2022年3月3日

 

3.新しい働き方

 

(1)テレワークの一般化

 コロナ禍で、通勤ラッシュや人混みを回避することが求められ、職場等への移動をしなくても働くことができるテレワークが推奨された。東京商工リサーチが企業を対象に実施した調査では、企業のテレワーク実施率は、1回目の緊急事態宣言時には17.6%から56.4%へと上昇し、その後、緊急事態宣言解除後には低下するものの、2回目の緊急事態宣言時には38.4%に再上昇している。なかでも、大企業では、特に第1回目には、8割以上が実施した。

 

テレワーク実施率

(図5)企業のテレワーク実施率
(注1) 東京商工リサーチ「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査(第2~6、8、10、14回)を基に総務省作成。「貴社では、『新型コロナウイルス』の感染拡大を防ぐため、在宅勤務・リモートワークを実施していますか?(択一回答)」という問いへの回答。
(注2) 資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義。
(出所)総務省『情報通信白書』令和3年版

 

 総務省の調査によると、テレワークをしたことがある回答者は38%、その実施形態について、在宅は34.8%、サテライトオフィスは4.1%、外出先(モバイルワーク)は4.8%となっており、在宅でテレワークをしている人がほとんどとなっている。今後もテレワークを継続したいか、尋ねた結果では、今後もテレワークを継続したい(「継続したい」及び「どちらかといえば継続したい」)との回答が66.4%となっている。テレワーク実施者が利点として挙げたのは、通勤時間が削減される(81.5%)、好きな場所で作業をすることができる(53.8%)、自分や家族のための時間をとりやすくなった(45.1%)で、作業に集中できる(37.1%)といった効率が上がる利点よりも、時間に余裕ができることを利点として感じていることが伺われる。

 一口にテレワークといっても、企業によってその形態は、異なるようだ。テレワークでも、会社の勤務時間帯と同じ働き方(たとえば、9時~12時、12時~17時)を求める企業もあれば、フレックスタイムで、1日の実働が7.5時間なら良いという企業もある。パソコンにスイッチを入れて勤務管理をする企業もあれば、申告制の企業もある。フレックスタイムで申告制であれば、自分らしい時間の使い方がより一層出来るようになる。

(2)住まい方の変化―脱都心

 テレワークの進展を受けて、人々の住まい方にも変化が見られる。総務省が2022年1月28日に公表した住民基本台帳に基づく2021年の人口移動報告によると、東京23区は転出者の数が転入者数を1万4828人上回り、比較可能な2014年以降で初めて「転出超過」になった。コロナ禍前は5万~7万人程度の転入超過で推移してきたが、感染拡大が始まった2020年から転出者が増加している。東京都全体では5433人の転入超過だったが、前年と比べた転入超過数が2年連続大幅に縮小した。

 

(図6)東京23区の転出者数、転入者数の前年差(2015~2021年)
(出所)総務省『統計Today No.181

 

 東京23区の人たちがどこに転出したかをみると(転出者数の前年増減率)、コロナ流行前の2019 年には、富⼠⾒市、柏市、⻄東京市、三鷹市、⼋王⼦市、草加市、国⽴市、東久留⽶市、東村⼭市など、東京都内もしくは特別区部に近接している市で⾼い傾向があり、交通の便の良さや住環境などが主な要因と考えられる。2021年には、茅ヶ崎市、藤沢市、上尾市、⽇野市、町⽥市、つくば市など、東京都外や23区からより離れたところで⾼くなっている傾向がみられる。

 この傾向がコロナの影響なのかどうかは、しばらく様子を見る必要があるものの、テレワークが進むなかで、都心に出勤する必要がないなら、「田舎暮らしをしてみたい」「広い家に住みたい」「両親の世話をしやすい」などの理由から、地方への移住を考えたともみられる。

(3)キャンピングカー需要の増加

 キャンピングカー需要の増大も注目される。一般社団法人日本RV協会によると、2021年のキャンピングカー販売額は、新車・中古車合計で635.4憶円となり、直近10年間で約3倍となった。累積保有台数は、13.6万台に達している。このほかに、レンタル利用者もいる。

 同協会がキャンピングカーを所有しているユーザー、またはキャンピングカーに興味を持っている人(約200人)に聞いたアンケート調査によると、レジャー用途として期待するが6割を超え、新たなリビングスペースやいざという時の避難スペースが27%、テレワークや仕事のスペースとの答えは10%であった(複数回答)。仕事をするときの使い方としては、出張時の宿泊場所が30%、テレワークのスペースが26%であった(複数回答)。コロナ禍で公共交通機関を使わずに家族で移動でき、自然豊かな地域で過ごせるというレジャー用途としての利点に加え、テレワークでの活用への関心も強まっているといえる。

 キャンピングカーを提供している企業も、テレワーク需要に対応した車の開発に力をいれている。たとえば、『インターネットウオッチ』の記事によれば、「モバイルオフィスカー」と名付けた車を製造している愛知県のケイワークスでは、リチウムイオンバッテリーを使ったサブバッテリーシステム「MEVIUS(メビウス)」を独自開発した。エンジンをかけなくても、パソコンとエアコンを同時に使って長時間快適な環境で仕事をすることが可能であるという。ソーラーパネルを装着すれば、もっと時間を伸ばせるし、車を走らせれば、車のバッテリーと同様、短時間で充電できる。

 

(図7)キャンピングカー販売額の推移
(出所)一般社団法人日本RV協会『キャンピングカー白書』2022年版速報レポート

 

1.コロナ関連分野の革新
2.インターネット利用の広がり
3.新しい働き方
4.新しい時代へのターニングポイント

 

 

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