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「怒り」と付き合い健やかに暮らす 「イライラの消しゴム」活用して

By in 子育て・教育 on 2016年4月23日
「子供の寝顔に謝らないように」と話す高田しのぶさん(写真©ひばりタイムス)

「子供の寝顔に謝らない」と話す高田しのぶさん(写真©ひばりタイムス)

 ストレスの多い世の中。イライラの種は尽きない。怒りの感情とうまく付き合い、職場や家庭の風通しをよくして、ゆったりした気持ちで暮らしたい-。そんな願いに応える講座やセミナーが最近、各地で開かれている。キーワードは「アンガーマネジメント」(怒りの管理)。西東京市でもほぼ毎月開かれ、直近の「アンガーマネジメント体験クラス」は5月19日に予定されている。

 「すれ違うとき、ぶつかってきた相手がそのまま行ってしまう。約束を破っても知らん顔。こんなときムッとしませんか。謝るべきなのに謝らないと怒りが湧いてきますよね。そのとき、相手は謝る『べき』だ、と思う感情に気付くのが、アンガーマネジメントの第一歩です」。日本アンガーマネジメント協会シニアファシリテーターの資格を持ち、西東京市を中心に講座やセミナーの講師として活躍する高田しのぶさんはまず、怒りとちょっとだけ距離を置いてみることを勧める。

 「ぶつかった相手は急用で気持ちが急いでいたのかもしれない。約束をうっかり忘れたのかもしれない。そんなふうに少し見方を変えてみると、『それじゃあ仕方ないか』という考えも生まれてきます。怒りの感情を、そんなふうに書き換えてみるのです」

 自分で「当然」と思っても、他人がそう思っているかどうか分からない。カッとする感情を一時停止して、相手のことをちょっとだけ想像してみる。「自分と違う行動でも、許容できることがあるはず。この許容範囲を広げると、気持ちが楽になりますよ」と高田さんは言葉を継ぐ。なるほど。怒りの要因を分析できれば、冷静な対処も可能になる。こういう感情を鎮める急所を、高田さんは「イライラの消しゴム」と呼ぶ。

 「もちろん正当な怒り、必要な怒りはあります。差別などでは社会制度を変える変革のエネルギーになりますが、カッとなって他人を傷つけたり職場で人間関係を損なったりしたら、取り返しのつかないことになります。自分で気付く。それが大切です」

 高田さんは2年ほど前から西東京市ではほぼ毎月、体験クラスや講座を開いてきた。平日はお母さんたちの参加が多い。「子どもは手間がかかるし、言うことを聞きません。『早くして』『サッサと片付けなさい』などとつい、怒ってしまうのです」。確かに。子育て体験をした人なら思い当たることがあるはずだ。

 高田さんは「怒りは『上から下へ』『強い人から弱い人へ』と向かいがちです」とも指摘する。これも思い当たる節があるだろう。「子どもの寝顔に謝らない。そのために怒りをぶつけるのではなく、適切な方法で伝えましょう」。高田さんがお母さんたちに贈る言葉だ。

 やがて武蔵野市、小金井市、町田市などでも講座の講師を頼まれるようになった。公民館、男女平等推進センターなどのほか、一人親の支援団体からも要請が来たこともある。
 平日は主婦らの参加が多い。しかし土曜日に開いた講座には男性も少なくなかった。年代も20歳代から80歳代まで幅が広い。「80歳を超えた男性も、まだ怒っていましたよ(笑)」。怒りは、性差も年齢も超えている。

 高田さんは筑波大学大学院で農業経済を修め、大学で経済学を教えた。その後研究所に勤めて女性問題や失業問題など労働経済を研究したが、大学での体験が印象深かった。

 「ゼミの面接で、『別のゼミに入りたかったが、ダメになったからここに来た』と平然と言う学生にも会いました。怒るというか驚くというか(笑)」。夫は転勤族。子供もいる。次の仕事を選ぶとき、大学での体験を生かし、「アンガーマネジメント」を学ぶことにした。1970年代に米国で生まれた新しい心理学、認知行動療法を基にしていた。

 市内の講座はこれまで30回近く。10人前後の少人数。しかも平日は保育付き。幼い子どもを抱えたお母さんたちの立場にも配慮する。「アンガーマネジメント講座は職場研修などがわりに多い。地域で保育付きの講座を開くケースは少ないと思います」と話している。

 5月19日(木)は、保育付きの「アンガーマネジメント体験クラス」。午前10時15分から、西東京市民会館で開く予定。講座内容や申し込みの詳細は、高田さんのブログから(http://office-yuyu.blog.jp/archives/1011878319.html)。問合せは、officeyuyu3☆gmail.com(☆を@に変える)へ。

 

【関連リンク】
・「イライラの消しゴム」(オフィス悠々 高田しのぶのブログ)
日本アンガーマネジメント協会(公式Webサイト)

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