傍聴席

座談会「傍聴席から見た議会」 みんなの議会をもっと身近に

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2021年10月18日

 

 

初めての傍聴体験は

 

北嶋 それではこれからは「傍聴してみて、何を感じたか」 「これだけは言っておきたい」と言うことがあったら、お話してください。

竹之内 初めて傍聴しようと思ったのは、市長選の後でした。満席だったので、待合室のようなところで過ごし、本会議を見ることは出来ませんでした。どんな感情をエネルギーにしていたとしても、こんなに多くの方が議会に政治に関心をもっているのだ、と思いました。
 しかし、この前の都議選では西東京市の投票率も他と同様に落ちました。関心があったのではなかったのだ、と残念な気持ちでした。西東京市だけは上がるのではないかという変な期待がありました。

北嶋 その時控室に一緒にいた方はいますか。はい、小林さん。

法定ビラ2号表

池沢陣営が選挙戦終盤に配布したビラ(表)(クリックで拡大)

小林 市長選で平井候補が負けると思ってなかったです。投票率は低いとは言え、前回より上がった分は、全て平井候補に期待した市民の投票分と思っていたのに、結果は落選。この原因は、「明日の西東京を創る会」のあの法定ビラのせいだなと思いました。こんな法定ビラで選挙戦を勝ち抜いた市長さんが、市議会で何を言うのか聞きたいと思って傍聴に行きました。
 それなのに議会は全然進まない。「仕事休んで来たのにこれは何」という状態で、延々待っていました。控室であまりにも待ちすぎて、スマホのバッテリーはなくなる、みんな座り疲れてラジオ体操やる。そんな感じでした。

北嶋 竹之内さんの話だと、行ったらみんな集まっていて、議会に関心持っているのだ、と感じたそうですけど、小林さんは当時、どう感じましたか。

小林 みんな怒っているのだなあという感じでしたね。あのビラで(池澤市長が)勝ったことで、合併20周年の西東京市にものごい汚点を残した選挙だと思っていたので、池澤さんが、応援した市議さんが、何を話すのだろうと、とにかくそこが知りたかったですね。
 あんなにも排除の精神が前面に出た法定ビラを配布することにGOサインを出したと思われる人が市長になったことへの驚愕と落胆と怒りが入り混じった思いで傍聴に行ったので、「こんなに同じ思いの人がいっぱいいるのだな」と分かって、うれしかったですね。

 

市長と議員の関係は

 

北嶋 実際に傍聴されてどうだったのでしょう。根本さんはどうでしたか。

根本 市長選後の議会でも、そんなにとてつもない話は出てこなかった、というのが率直な印象です。「野党」議員の怒りがかなりマックスになっていて、人それぞれの個性があるので、鋭く切り込んでいく人と、やんわりと切り込んでいく人とありましたけれども。市長選挙は体を壊すくらい頑張っているのを近くで見ていたので、怒りが大きかったのかなと思います。
 それに対して、市長の答弁は、すごいなというか、あれだけすらっと同じことを繰り返して、質問に対して都合の悪いことは答えない。あれはちょっとひどいな。やはり優秀な行政マンというのはああいう答弁をして、ポイントのところは絶対言わないということが初めから多分決まっていて、それ言っちゃうと責任、言質取られるから。これは言ってもいいかと事前にだれかと打ち合わせしているのかなという気がしました。単純にすごいなという驚きです。
 後もう一点、「与党」議員というか、池澤さんを応援した自民党と池澤さんの関係が今の今になってもよくわからない。議会で、例のビラが問題となったとき、自民党の市議たちはそのときは何も言わない、俺たちは知らないよと、とぼけているような感じでした。だけれど、自民党からの圧力を池澤さんは気にしているような話も聞いたことがあります。そこの関係性が見えてこない。具体的に誰が今回の選挙戦のシナリオを書いて、誰が実行して、誰が市政を何処に持っていこうとしているのか? 分かるような分からないようなところがあるので、そこがもやもやしている感じです。

 

池澤隆史市長

ビラ問題に答える池澤隆史市長(3月1日の第2回臨時議会)

 

北嶋 われわれも興味津々です。おおまかな図を描けても、個々具体的な場面は明確に掴めません。知りたいですね。
 市長選挙直後の話が出ましたけど、現在も傍聴を続けている仲村さんに伺いたのですが、例えば議場のやり取りなど、その後の雰囲気は変わってきましたか。

 

傍聴者がいると緊張感

 

仲村 私にとって議会って遠い存在だというか、今までの感覚としては特別の領域でした。けれども行き始めてみると、もっともっとたくさんの市民が足を運ばなければいけないところじゃないのかな、という感じがしました 。それから傍聴していると議員さんは、今日はどれくらい来ているのか、誰が来ているのか見ています。だから市民の傍聴の有無で緊張度が違うのかなと私は感じるのですけど、他の方はどうでしょうか。

北嶋 議員だった土井さんどうですか。

土井 やはりいると緊張するのではないかしら。特定の会派や議員を応援している人たちが傍聴に行くと、その議員さんたちはすごく頑張り、見せ場になりますよね。「土井さんたちは、特定の人だけでなく僕たちのも聞いてくれてるから」と言った議員がいました。やはり皆さん、聞いてほしいのだなと思いましたね。応援している人以外も傍聴すると、その議員さんはやはりうれしいみたいですよ。

仲村 そうですね。私も、頑張ってもらいたい議員さんはどういう質問されるのかなと聴きたい気持ちがあるけど、逆に「与党」の議員の皆さんが何に関心を持ち、どのように理事者側とやり取りしているのか、それを市民はしっかり聞いていると示す意味でも、いろんな方の様子を見て、私たちは知らせていくことも大事なことかなと思います。

土井 職員にとっても、議員と職員だけのやり取りではなくて、市民がいるということはいいし、緊張感があると思います。

北嶋 私が傍聴を始めたのは、「ひばりタイムス」を始める3カ月ぐらい前でした。最初は一体何者だという怪訝な視線を感じました。やがて、市民の目が直接注がれることは、議員にとっても必要だと感じるようになりました。公の場できちんとした議論をして、政策を公正に決めてもらいたい、議論してもらいたいと誰もが思うと思います。自分たちの地域のことがどのように決まっているか、みんなで見て、共有していくことが必要だし、私たちの大切な活動ではないかと思いました。

>>「与党」「野党」で答弁が違う? 自治体の二元代表制 子連れ傍聴を気兼ねなく…

 

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座談会「傍聴席から見た議会」 みんなの議会をもっと身近に」への2件のフィードバック

  1. 1

    皮肉ですが、あの中傷ポスターが皆さんに市政への関心を高めたのですね。
    ハハマナブの候補者一人一人のインタビューは、とても衝撃でした。新しい方たちによる新しい動きがとても新鮮で好感持てました。あのインタビューを聞いて、あぁ、政治家は、ビジョンを語り、実務家は、そつないけど自分からは何もしないということなのだなぁと良く分かりました。もちろん、ビジョンを描いても、実現してくれるかどうかは、別ですが。
    座談会の中にありましたように、中継でも、子連れでも、何か一つ実績を上げて、新しい風を呼び起こして下さい(^^♪ 私は、国が決めるのをこなすのに精いっぱいの地方行政には、少しうんざりしています。でも、市民や議員や行政人がこのまちをどうしたいのか、ビジョンを持ち、議論しあい、何か一歩でも進められれば、違った姿が見えてくるように思います。若い息吹に期待します。

  2. 2

    「決算論議で足りなかったこと」の節で、北嶋発言に誤りがありました。決算特別委員会の委員長は大竹敦子議員(共産)でした。納田里織議員は9月27日開催の予算特別委員会の委員長でした。お二人を始め関係者のみなさまにご迷惑をおかけいたしました。関係箇所を削除し、お詫びします。(北嶋)

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