まちおもい帖 第43回 コロナ禍がもたらした新しい世界

投稿者: カテゴリー: 暮らし連載・特集・企画 オン 2022年3月3日

 

2.インターネット利用の広がり

 

 コロナ禍を追い風に、インターネットの利用が広がった。密や接触を避けるために、テレワークが推奨され、ネット決済が普及した。まちなかに出かけずに、ネット予約して弁当などを届けてもらうデリバリー・サービスやネットショッピングする人が増えた。在宅時間の増加により、テレビ視聴時間が増え、ネット配信動画が注目されるようになった。また、企業に限らず、多くの人が遠隔でビデオ会議サービスを利用するようになった。

 また、文部科学省では、2019年末にGIGAスクール構想を発表し、全国の小中学校でパソコンやタブレットの一人一台の実現、インターネットの活用が進められていたのだが、コロナ禍により、学校が休校になったことを受け、皮肉にもその利活用が一気に進むことになった。

(1)ネットショッピングの一般化

 総務省『家計消費状況調査』によれば、ネットショッピングをする世帯の割合(2人以上の世帯)は、2015年の27.6%から毎年上昇し、2021年には、52.7%となった。

 また、総務省『情報通信白書』令和3年版 によれば、既存のECサイトを利用するだけでなく、自らがECサイトを作り、消費者に直接販売する傾向も増えているという。たとえば、ネットショップ作成サービスを提供している「BASE」のプレスリリースによれば、累計ショップ開設数は、2019年8月時点では80万店であったが、2022年1月末時点では170万店を超えた。

(2)新業態-食事のデリバリー(宅食サービス)

 コロナ禍で外食が憚られるなか、ネットで注文すると、飲食店から食事を配達してくれる宅食サービスの利用が大都市を中心に増えている。昔から、蕎麦や寿司など、電話をかけて出前を頼む習慣はあったが、その店に出前を担当する店員が雇われていた。しかし、近年誕生したのは、デリバリーを提供する企業で、配達員は、その企業に雇われており、注文が入ると、該当する店の近くにいる配達員が出前に応じる仕組みである。

 新業態であるデリバリー会社のうち、たとえば、Uber eats は、アメリカの企業で、2016 年 9 月に東京でサービスを開始し、その後サービス提供地域を拡大した。2021年9 月には、全国 47 都道府県でサービスを展開、加盟店舗数が2022年1月には15万店を突破した。出前館も、全国でサービス展開し、2021年10月には加盟店舗数が9万5000店を突破した。

(3)テレビ会議の一般化

 これまでもネットを活用したテレビ会議は、利用されていたが、コロナ禍で会合が難しくなるなか、利用が一般化した。オンライン会議サービスは、複数提供されているが、特に日本では、無料で簡単に使えて、機能が揃っている「ZOOM」が良く使われた(有料版もある)。多くの人が使うようになると、さらにその知人が使うというように一気に普及した。いわゆる会議とは限らず、ZOOMによる飲み会なども行われた。

 

(図4)オンライン会議の様子
(出所)ZOOM社のHPより

 

 ZOOM社のアニュアルレポートによれば、2019年12⽉には、1⽇あたりの会議参加者数が1,000万⼈に達したが、2020年4⽉までに、1⽇あたりの会議参加者数は平均3億⼈に達し、約3か⽉で30倍に増加した。その後も、利用者が増大したため、さまざまな対策をする必要があったと書かれている。実際、全世界の売上高推移を見ると、2019年には3.3憶ドルだったのが次の年に2倍となり、さらに次の年には前年の4倍となった。

 

Zoom社業績

(表2)ZOOM社の業績推移
(出所)『Annual Report 2021

 

 セミナーなどでは、集会方式だと、その会場との往復時間を気にしなければならないが、オンラインだと気にする必要がないし、遠方の人も参加しやすい。このため、対面の集会以上に、多様な人と同じテーマを共有して議論できるという良さがある。

(4)有料動画視聴の増加

 お家時間が増えたことに加え、大画面で高精細なテレビや通信と放送が融合したスマートテレビ、高性能なスマホの普及が進んだことなどから、動画を見る人、自ら発信する人が増えた。インプレスの調査によると、普段よく視聴する映像・動画の種類では、「リアルタイムのTV番組」が69.9%で最も高く、「録画したTV番組」が54.9%で続き、YouTubeなどの「動画共有サービス」の45.9%、TVerなどの「無料の動画配信サービス」が30.7%となっている。

 この傾向は、以前から変わらないものの、「有料動画配信サービス」の利用率が拡大していることが注目される。2015年の7.7%から、2021年には25.6%と大幅に増加した。良く利用されているサービスでは、「Amazonプライム・ビデオ」が69.2%とダントツで、これに、「Netflix」「Hulu」「DAZN」が続く。

 コロナ禍で特筆されるのは、有料のオンラインライブ配信(PPV:pay per view)が急増したことだ。リアルなイベント、コンサート、舞台等の開催や動員が制限される中、アーティストのライブ、イベント、スポーツ興行、ファッションショー、舞台などの多彩なオンラインライブを1コンテンツごとに購入し視聴するシステム。チケット代金を支払い、オンラインでライブ配信を視聴するという新しいスタイルで、チケットエージェンシーなど動画配信サービス事業者以外も参入している。

 先のインプレスの調査では、11%が利用したことがあるとしている。リアルイベントの代替やファンとのつながり維持に一定の役割を果たしている。有料ライブ配信サービスが多数提供されており、「投げ銭」といわれるファンからの応援が得られるシステムやグッズの販売、ライブをその後も一定期間視聴することができるサービス(サブスクリプション)なども一括で提供されていることが多い。多人数が一度に視聴しても高品質な画像が送れるよう工夫する、違法コピーが拡散しないよう監視する、リアルとは異なるデジタルならではの動画を作成するなどサービスごとに特徴がある。

 

1.コロナ関連分野の革新
2.インターネット利用の広がり
3.新しい働き方
4.新しい時代へのターニングポイント

 

 

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