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予算・決算委ネット中継の陳情は「趣旨採択」 西東京市議会「早期実現に取り組む」と付帯意見

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2022年9月18日

 西東京市議会の予算・決算特別委員会のネット中継を実現してほしい-。市民団体が提出した陳情が、9月14日に開かれた西東京市議会本会議で、全員の賛成で「趣旨採択」された。趣旨採択は、課題があっても陳情の趣旨を汲み取る方法として時に用いられる。付帯意見で「早期の実施に取り組む」と謳っており、今後は、議会の具体策が問われることになる。

 

近隣市議会の中継状況

 西東京市議会は本会議のネット中継を2010年3月から本格実施。企画総務委員会など三つの常任委員会は2019年12月から試行実施している。しかし予算と決算の特別委員会、議会運営委員会の中継は話し合いがまとまらず実現していなかった。

 

企画総務委員会

企画総務委員会のネット中継画像(YouTubeから)

 

 陳情を提出したのは市民団体「西東京・みんなの会」の3人。陳情によると、近隣自治体の議会で予算・決算委員会のネット中継が実現しているのは武蔵野市、三鷹市、小金井市、国分寺市、国立市、東村山市、東大和市、多摩市、八王子市など。隣接の東久留米市は本会議中継に加え、予算特別委員会は2020年12月から、決算特別委員会は21年9月からネット中継を実施している。

 

議員の公平な発言保障を

 陳情が付託された議会運営委員会(酒井豪一郎委員長)は9月9日に開かれ、各会派、議員の意見を聞くことから始まった。

 初めに発言した稲垣裕二氏(自民)は「(ネット中継には)原則的に賛成だが、質疑時間を調整しないと現在の議事日程では発言できない人が出て来る」と述べて、議員の公平な発言権の保障に課題があると指摘した。小林達哉氏(自民)も「これまで質疑時間などはみなさんの同意で少しずつ変えてきた。今回もそうすればネット中継が実現するのではないか」と前向きな意向を表明した。

 佐藤公男氏(公明)は常任委員会のネット中継を実現した当時議会運営委員会委員長を務めていた。その経緯を振り返りながら佐藤氏は「私どもの会派(公明)としては、ネット中継に賛成」と前置きして「常任委員会のネット中継は現在『試行実施』なので、これをきちんと検証した上で、実施を前提に話し合いを進めていけば実現できるのではないか」と述べた。田代伸之氏(公明)も佐藤氏の意見に賛同した。

 藤岡智明氏(共産)は「ネット中継は大歓迎。当然やっていくべき課題」と話し、「調整すべき課題を解決し、速やかに実行するべきだ」と話した。
 佐藤大介氏(立憲)は「会派としては大賛成」としながらも「質疑時間の不平等の可能性がある」と指摘。「西東京市議会は正副議長を除いて全員が予算と決算の特別委員会に参加するけれども、他市はそうでもないところもある」と委員構成にも言及した。

 

全会一致の原則が重要

 加藤涼子氏(生活者ネット)も中継賛成の立場を明らかにした上で「常任委員会も含めて、いまは委員会のネット中継を議論している最中にあると考えている。引き続き精力的に進めていきたい。その際に議会運営では全会一致の原則がとても重要なので、会派や議員のみなさんが話し合い、これなら中継ができるという前提条件を丁寧に議論することが大事」と指摘した。

 無所属の小峰和美氏と森輝雄氏は中継実現に賛成の意思を表明したうえで、「よく議論しなければいけない」(小峰)「全体で合意できる内容にするよう議論を詰める」(森)と述べた。納田里織氏は「本会議中継のプロジェクトチームにも参加し、開かれた議会、委員会を主張し続けてきた」とまず発言。「コロナ禍で、この間の議会で質問時間もさまざまな形で調整されてきた。そういう経緯を踏まえて早急に実現の道筋を付けていきたい」と話した。

 最後に発言した田村広行氏(無所属)も「中継実現は当然」との立場を明らかにした。しかし「質問時間の課題が現在あることは認めるけれども、そこが解決しないと中継できないというのは違うのではないか」と述べた。質疑時間の課題を抱えながらも、現状はそれでも特別委員会が開催されてきた。質疑時間の解決と、予算・決算特別委の現状を中継することは、とりあえずは切り離し可能ではないかとの問題提起だった。

 陳情を提出した市民団体「西東京・みんなの会」代表世話人の一人、土井節子さんは他のメンバーと議運委や本会議の審議を傍聴してきた。今回の陳情が趣旨採択となったことについて「結果は趣旨採択ですが、付帯意見にもある通り、できる限り早く、特別委員会のネット中継実現に取り組んでほしいと願っています」と話していた。

 

ボールは議会に

 趣旨採択された陳情の付帯意見は「質疑時間を始めとした課題を解決し、予算・決算特別委員会のインターネット中継の早期実施に取り組む」となっている。特別委員会のネット中継には、会派や議員の質疑時間の不公平などを解決する必要があり、早期に実現できるよう取り組む-。これが議会の意思だった。それは逆に、課題が解決しなければ中継は実現しないことになるのだろうか。

 しかし、課題解決が未達成の今でも、予算・決算委員会は現実に開かれ、それぞれの持ち時間内で質疑が行われ、正式な議事録も作成されてきた。その委員会でのやり取りを、つまり傍聴席で市民が見聞してきた通りのリアルを、もっと多くの市民が見たい、聞きたい、知りたいと願った。いま中継したら、議会運営に致命的な瑕疵や齟齬が生じるのだろうか。

 「質疑時間を始めとした課題」の「解決」は多くの議員の関心事であり、調整先行の考え方が生まれた。市民の要望とは、中継実現を求める熱意に温度差があるのかもしれない。それでも、市民の願いは議会に託された。「予算・決算特別委員会のインターネット中継の早期実施に取り組む」ことへの期待は高まっている。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・議会インターネット中継(西東京市Web
・西東京・みんなの会(facebook

 

北嶋孝
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