まちおもい帖 第52回 デジタルノマドと地域社会
1.定住社会から移動社会へ
自治会、コミュニティセンター、地域の居場所…と、ここ数年地べたに這いつくばるような仕事をしてきた私にとって、「デジタルノマド」が国の施策として取り上げられていることを知って、驚いた。
ノマド(Nomad)とは、家畜の食糧を求めて定住せず移動する遊牧民のことだが、「デジタルノマド」とは、インターネットとコンピューターを使って、特定の場所に縛られずに働く人々のことを指す。Work From Anywhere at Anytime(場所や時間に縛られない働き方、WFA)、ワーケーション(work労働とvacation休暇を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地で働きながら休暇をとる過ごし方)と呼ばれることもある。
2022年3月に、この連載の第43回「コロナ禍がもたらした新しい世界」でコロナによって働き方が変わり、テレワークが増えたことを述べた。その時は、せいぜい在宅勤務をイメージしていたのだが、デジタルノマドは、在宅ではなく、行きたい場所に出かけて行って、リモートで働く。数か月のこともあれば、数年のこともあり、気に入った場所に長く滞在することもあれば、点々と移動する場合もある。そして、それは、国境を跨ぐこともあるのだ。
アメリカの旅行情報サイトA Brother Abroad社の調査によると、2022年現在、デジタルノマドは、3,500万人といわれる。2015年にベルリンで開かれたDNX Conference(デジタルノマド カンファレンス)でNomadlist(注1)の創設者ピーター・レベル氏は、2035年にはデジタルノマドの数が10億人まで増えるだろう予測した。
彼のプレゼンは、とても興味深い。当時2015年であるから、2035年とは20年後を予測したことになる。彼によれば、「現在(2015年)アメリカのフリーランサーは、30%だが、20年後には、50%になるだろう(注2)。世界のインターネットの速度は、現在100メガビットだが、20年後には、モバイルでも100ギガビットとなり(注3)、超音速飛行機などが開発されて世界の距離が短くなり(注4)、航空運賃もどんどん低下する。アメリカでは、結婚しない人が増えており、家庭を持ち、長期の住宅ローンに縛られる住宅を所有したいとは思わなくなるだろう。こうしてデジタルノマドが増えるものの、同棲やセックスはするので、世界は、混血児だらけになり、人種差別は、無くなる。子どもは、家でネットを通して勉強することもできるし、大学は、既に世界最高レベルの授業をネットで、誰でも受講することができるようになっている。」…と未来の姿を描き、結果、世界のデジタルノマドは、10憶人にまでなるだろうと予測している。
彼の予測は、その後、世界中をコロナ禍が襲い、航空運賃などは、値上げりしているものの、技術開発の方向性は、間違っていない。彼の未来図は、あながち夢物語とは、言えないだろう。この原稿を作成するなかで、世界のノマド事情を垣間見ると、私も、国内の温泉旅館を平日使って、あるいは、海外の憧れのリゾート地で仕事をしたくなった。
2.世界のデジタルノマドの実態
A Brother Abroad社が世界中の英語圏のデジタルノマド・コミュニティからの 4,000 件以上の世論調査とアンケートの回答を分析した調査結果によると、デジタルノマドは、世界で3,500万人おり、その総経済価値は約7億 8,700 万ドル(1ドル140円換算で約110兆円)という(2022年)。東京都人口の2.5倍、カナダの人口3800万人を下回る程度の規模である。
調査によると、男女は、ほぼ半々の比率。白人が76%、ラテン系/ヒスパニック系が10%、アジア系が8%、アフリカ系が6%。国籍別では、アメリカが31%、ポルトガルが8%、ドイツ7%、ブラジル5%が上位を占める。平均年齢は、40歳だが、47%は、30代。今回の調査で最高齢は、72歳であった。
大学卒が約7割を占め、大学院学位を取得している人が最も多く37%を占めるものの、3割は、高等教育を受けていないことも注目される。職業をみると、83% が自営業であり、17% がリモート勤務が認められている企業に雇用されている。自営業の66% が自分のビジネスを所有していると報告し、34% がフリーランサーとして働いている。最も一般的な職業はマーケティング、IT/ソフトウエア開発、デザイン、執筆、電子商取引で、職業全体の 51% を占めている。
66% は、 3 ~ 6 か月間同じ場所に滞在することを好み、ほとんどのデジタルノマドにとって 6 か月間が最適な期間であるようだ。働く場所としては、主にコワーキング スペースで働くことを好む人が21%、カフェが14%、6% が公共図書館を好む。
年収は、$50,000~$100,000(700万円~1,400万円)未満及び$100,000~$250,000(1,400万円~3,500万円)未満が共に34%と比率が高く、$25,000~$50,000(350万円~700万円)未満が18%、$250,000(3,500万円)以上が8%、$25,000(350万円)未満が6%とかなり高額だ。多くは、滞在地の平均年収よりも、デジタルノマドの年収の方が高い。
現在、デジタルノマドを最も多く受け入れているのは、メキシコ(14%)である。続いてタイ(11%)、ポルトガル(8%)となっている。
デジタルノマドビザ(注5)(または長期滞在ビザのオプション)は、53種類あり、導入を検討している国も増えている。デジタルノマドにとって、安価 (または無料) で、取得が容易で、優れた生活の質と低コストを実現できる場所、6か月以上の滞在が可能というのが望ましいビザであるという。次の表は、この調査で取り上げられているデジタルノマドにとって滞在しやすいビザを発行している上位国をまとめたものだ。
国によってデジタルノマドビザの要件は、異なるが、基本的に本国等で仕事を得ている人であり、移民のように地元の雇用を脅かさない。医療保険に加入している証明書が必要な場合や最低収入制限が求められる場合もある。所得税が課税される国とそうでない国があり、前者は、デジタルノマドに敬遠されがちだ。受入国にとっては、デジタルノマドは、仮に所得税を支払わなくても、宿泊や飲食などの消費をしてくれるので地元経済が潤う。
3.日本でも、テレワークやフリーランスで働く人が増えている
総務省の調査によると、日本企業におけるテレワークは、コロナ禍で一気に上昇し5割に達したものの、2022年は、前年に比べると全体で0.2%減少し、テレワークを利用する従業員の割合も減少傾向にあり、揺り戻しの様相をみせている。
テレワークの導入形態では、在宅勤務が9割を占める。モバイルワークやサテライト勤務形態も、いずれも前年より減少している。注目されるのは、2022年からワーケーションについての調査項目が加わったことだ。
コロナ禍で緊急避難的に一気にテレワークが増えたものの、日本の場合には、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)、具体的には、ビジネスプロセスのデジタル化、クラウドの活用、セキュリティ強化などが進まないと、テレワークといっても、せいぜい在宅勤務に留まり、働く場所や時間を問われない本格的なデジタルノマドの進展には、なりにくいだろう。
もっとも、アメリカでも、大手IT企業のグーグルやメタが週3日の出勤を命じるなど、テレワークに風当りが強くなっているようだ。テレワークの生産性が低い、対面での職場でこそ創造性が高まるというのがその理由だ。アマゾンやスターバックスのように店舗や物流などその場に居なければ仕事ができない従業員との待遇格差の問題もあるようだ。(注6)
一方、Lancers『新・フリーランス実態調査』2021-2022年版によると、日本のフリーランサーは、2021年に1,577万人で、コロナ前の1,000万人水準から500万人程度増加しているという(注7)。
この調査では、フリーランスで働く人を4つに分類している。
①副業系すき間ワーカー(常時雇用されているが、副業としてフリーランスの仕事をこなすワーカー)
②複業系パラレルワーカー(2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなすワーカー)
③自由業系フリーワーカー(特定の勤務先はないが、独立したプロフェッショナル)
④自営業系独立ワーカー(個人事業主・法人経営者で、一人で経営をしているオーナー)
注意する必要があるのは、おそらくこの中には、コロナ禍で職を失い、やむを得ずフリーランスで仕事をせざるをえない人も含まれていることだ。しかし、フリーランスになったきっかけとしては、図7のように、「収入拡大のため」だけでなく、「時間にとらわれない働き方をするため」「自己実現のため」と、前向きにこの働き方を選んでいる比率も多い。おそらく、日本では、デジタルノマドは、フリーランスで仕事をする人から増えていくのだろう。しかし、図3で見た世界のデジタルノマドの年収に比べると、図6の日本のフリーランサーの平均年収は、最も高い自営業系独立ワーカーでも300万円以下であり、両者の格差が気になるところだ。
4.日本におけるデジタルノマドと活動
デジタルノマドを実行している日本人は、世界全体から見れば少ないものの、それなりにおられる。今回は、直接彼ら彼女らにインタビューできなかったが、ネット情報から様子を垣間見てみよう。以下で取り上げた方々は、自らもデジタルノマドであると同時に、デジタルノマドしやすい環境を作り出そうとしている。
(1)千葉 恵子さん
一般社団法人日本ワーケーション協会(2020年7月設立、所在地:京都市中京区、代表理事:入江真太郎)の会員である千葉憲子さんは、株式会社ガイアックス社長室長をしながら、社内の新規事業として、ワーケーション関連の事業「Otell」を立ち上げ、その事業責任者も兼ねている。Otellは、仕事環境の整ったホテルや旅館を平日お得な料金で予約できるサービス。たとえば、大容量通信が整い、温泉付きのホテルや旅館を平日5泊6日(素泊)26,180円(税込)で利用できる。ホテル側にとっては、平日の来客が少ない時期に連泊客が来るメリットがあり、デジタルノマドとしては、泊まる場所を探しやすい。株式会社ガイアックスは、リモートワークも複業も認められているため、彼女は、地元である長野とのゆるい二拠点生活をしながら、働き方の多様性を広げるさまざまな活動を行っている。
(2)大瀬良 亮さん
日本ワーケーション協会の顧問を務める大瀬良亮さんは、2019年に旅のサブスク(注8)「HafH(ハフ)」を創業した。HafHは、会員制(ベーシック月額2,980円、スタンダード月額9,800円)で、1,017以上の厳選された宿を定額で利用できるサービス。2021年4月のインタビュー記事(注9)では、月の予約数は、3,000泊ぐらいという。大瀬良さんは、「ワーケーションを推進したいのではなく、自分で自分の生きる場所を選べる環境づくりがしたい」と言われている。彼は、前職で、70カ国、地球15周分を移動するという強制的なリモートワークを経験するなかで、世界のどこででも働けるスキルを身に付けるとともに、いろいろな国や地域を知ったり、地元の人とコミュニケーションしたりする楽しさを覚えた。将来、多くの人がこういう暮らしをする時代になるであろうから、その環境づくりをしたいとHafHというサービスを思いついた。当初は、フリーランスの方の利用が多かったが、コロナでリモートワークが一般的になるにつれ、会員の半分が会社員になったという。
大瀬良さんは、2022年9月に株式会社遊行を立ち上げた。遊行は、デジタルノマド関連のマーケティング会社である。同社のHPには、「海外のデジタルノマドの国内誘致をはじめ、あらゆるステークホルダーとパートナーシップを結びながら国内外のデジタルノマドが日本の地域社会に新たな経済的・社会的インパクトをもたらす事業・取組を推進していきます。」と書かれている。
(3)MOE 中野 智恵さん
2023年8月に設立された一般社団法人日本デジタルノマド協会の代表理事がMOE 中野智恵さん。HPのプロフィールによると、フリーランスデザイナーで、2011年からタイのタオ島に住み着つき、その後バリ島へ。通信環境の良い場所を探していて、バリのコワーキングスペースHUBUDに通うようになった。2015年2月に東南アジア地区のコワーキングスペース運営者が始めたCUAsia(コワーキング・アンカンファレンス・アジア)に参加し、コワーキングを自分でも始めたくなり、早速2016年1月、タオ島でCoworking space TAOHUBを創業、世界中から来るデジタルノマドの生活サポートを行ってきた。2019年、秋田県の空き家を使った「コワーキングスペース+シェアハウス=コリビング」であるColiving Space TANEHUBもスタートさせた。中野さんは、CUAsiaの素晴らしい熱気にも感動しており、毎年開催されるCUAsiaに日本からもっと参加して欲しい、さらに、日本にも、こうした業界同士が助け合えるコミュニティを作りたいと考えている。
5.デジタルノマドの環境整備を進める政府や自治体
政府は、インバウンド政策の一環として、デジタルノマドの受け入れを掲げている。『経済財政運営と改革の基本方針2023』(いわゆる骨太の方針)が2023年6月16日に出された。その第二章「新しい資本主義の加速」、第二節「投資の拡大と経済社会改革の実行」、(5)「インバウンド戦略の展開」のなかで、2023年4月に創設された特別高度人材制度(J-Skip)や未来創造人材制度(J-Find)(注10)の活用を進めるとともに、「海外からの人材・資金を呼び込むためのアクションプラン」を踏まえ、税制や規制などの制度面も含めた課題の把握・検討を行い、必要な対応を行うことを含め、高度外国人材等の呼び込みに向けた制度整備<注83>を推進する…とされている。
この<注83>には、国際的なリモートワーカー(いわゆる「デジタルノマド」)の呼び込みに向け、ビザ・在留資格など制度面も含めた課題についての把握・検討を行い、本年度中の制度化を行うこと、外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)について自治体に代わって国認定のベンチャーキャピタル等が起業準備活動計画についての確認手続を行う仕組みの本年内の創設や最長在留期間延長の検討など利便性向上を図ること等。…と書かれている。
(1)福岡市のCOLIVE FUKUOKA
こうした動きに対応し、自治体でも、デジタルノマド受け入れのための動きが始まっている。たとえば、福岡市は、海外デジタルノマドの新たな聖地となることを目指し、福岡市並びに福岡観光コンベンションビューローと「海外デジタルノマド誘客プロモーション事業」を推進している。先の㈱遊行がこれを受託し、COLIVE FUKUOKA(読み「コリブフクオカ」)として実施する。これは、2023年10月1日より31日までの1カ月間、場所にとらわれず働くライフスタイルを送る国内外のデジタルノマド同士が生活を共にするコリビングプログラム。22ヵ国・地域より30名以上の参加が決定している他、期間中には地域事業者らと連携した各種交流イベントを開催する予定という。
この事業を遂行するために、㈱ 遊行は、9月1日、複数の仕事場を利用できるパスポート「TeamPlaceパス」を運営する ㈱ AnyWhereと業務提携協定を締結した(注11、12)。福岡市で海外デジタルノマドやインバウンド観光客がワーケーションを楽しめるよう、複数のコワーキングスペースを利用できる「福岡市ノマドコネクトパス ベータ版」(英名:Fukuoka City Area Pass for digital nomads)を提供する。福岡市内にある6か所の仕事場を月10時間まで利用できる。利用価格(税込)は5,390円、別途システム利用料として270円かかる。
この時期には、デジタルノマド関係のさまざまなイベントが福岡各地で開催されるようだ。たとえば、日本デジタルノマド協会は、2023年10月8日(日)・9日(月)に「第1回デジタルノマドサミット」を福岡市で開催する予定だ。テーマは、「デジタルノマドビザ制定、その可能性」。このイベントには、同時期に開催されている「COLIVE FUKUOKA」に参加しているデジタルノマドの人々との交流やアルゼンチンでデジタルノマドビザの発給に携わった方の報告やデジタルノマドの聖地として知られるタイのチェンマイでコリビング・コワーキングスペースを運営している方の話も聞ける。
(2)北海道上士幌町の“Smørrebrød” Work-style
上士幌町は、2015年から第Ⅰ期「地方創生とSDGs」を進め、現在第Ⅱ期に入っている。第Ⅱ期では、①だれもが生涯活躍できるまちづくり、②環境と調和した持続可能な農業とエネルギーの地産地消、③地域が稼ぐ力の発揮・地域経営、④人の都市・地方循環による地域活性、⑤次世代高度技術の実装によるスマートタウンの実現を柱にしている。そして、ひとつ「上」の働き方を、上士幌の「上」で、という意味を込めて、北欧の伝統的な食べ物であるオープンサンド(Smørrebrød、スモーブロー)のように、上士幌の大地の上にさまざまな働き方を載せたいと、“Smørrebrød” Work-styleを推進している。
具体的には、同町では、自動運転バスやドローン配送の実証実験をしており、また町の事業者が新たなブランドを作ることを目指しており、そのため他地域からの多様な人材が長く滞在する傾向がある。こうした働き方をスムーズに実現するために、「かみしろシェアオフィス」を作り、宿泊施設「にっぽうの家上士幌」を作り、「ワーケーション助成制度」を設けている。シェアオフィスは、個人でも使えるが、ワーケーション助成制度は、道外を拠点とする企業のみ利用でき、交通費、宿泊費、テレワーク施設利用料を助成してくれる。にっぽうの家も、主に中長期滞在を想定した企業向けの宿泊施設である。
6.日本でデジタルノマドが普遍化するには
記事の中で書かれたイベントを年表にプロットしてみると、デジタルノマドのうねりは、世界的には2015年に盛り上がり、パンデミックを経て、ようやく日本で盛り上がりの機運が見られる。2023年は、日本のデジタルノマド元年ともいえそうだ。
政府は、日本にお金を落としてくれる海外からのデジタルノマドを誘致したいと考えており、さらに、さまざまな能力を持つ高度な人材が滞在することにより、日本経済にプラスの効果を与えてくれることを期待している。
しかし、デジタルノマドが日本に来てくれ、日本に刺激を与えてくれるようになるには、ビザなどの制度面に加え、彼らを「おかえりなさい」と迎える、いわば第二の故郷と思ってもらえるような環境が必要である。また、デジタルノマド同士、さらには、地元の人々と触れ合える機会を提供することも不可欠だ。
海外で人気のデジタルノマドの聖地の話を読むにつれ、コワーキングスペースや宿泊先のオーナーが昔の下宿屋のおばちゃんのようになれるか。地域がよそ者を温かく受け入れられるか。いつも、どこかで楽しい、刺激的なミーティングが開催されているか。こうしたソフトの部分が実は、極めて大事なことと思える。
また、政府は、海外のデジタルノマドが来日することによるプラスの効果のみを期待しているように見受けられる。しかし、日本でもデジタルノマドのような働き方を求める人が増えた暁には、これまで「定住」をベースに作られてきた学校、福祉、医療などの制度や仕組みを「移動」をベースに再構築する必要に迫られるかもしれない。たとえば、デジタルノマドの子どもは、オンライン学習だけでよいのか、学校に行かせるとしたらどういう仕組みにするのか、海外でも通用する医療保険に入っている人たちは、日本の国民皆保険制度を支えてくれるのか等々。自治体、国をベースにしたこれまでの考え方自体が揺らぐ可能性もある。
(注1)デジタルノマド向けポータルサイト「Nomadlist」では、世界各都市の通信環境や安全性などが紹介されている。このほか、何時どこの都市でミーティングがあるなどの情報、求人情報、医療保険の情報が提供されている。
(注2)2022年度のアメリカ労働省の統計では、フリーランサーは、36%で、高学歴になるほど高まり、大学院卒業以上の51%がフリーランスであるという(「アメリカでもっとも稼げるフリーランスとは」2022年度最新版『SmartHabit Enterprise』。
(注3)NTTドコモの「ホワイトペーパー 5Gの高度化と6G」2022年1月によれば、2020年春に5Gサービスをスタートし、2030年代には、6Gサービスに進み、通信速度は、100ギガビットとなり、社会や産業の在り方を大きく変革することになるだろうとしている。
(注4)JAXAによれば、静粛超音速機統合設計技術の研究開発が世界的に進められており、JAXAも、それに向けて様々な研究開発を続けているという。
(注5)パスポートは、自分の国籍がある政府が発行し、海外滞在中の「身分証明書」の役割を果たすのに対し、ビザは、渡航先の国が自国の安全などを守るために、事前に渡航者の身元を確認、審査し、渡航先の国が発行する「入国許可証」。国によってさまざまな種類がある。
(注6)石角友愛「“出社ガチ勢”化する巨大IT企業、本当の理由。『テレワークは道徳的に間違っている』とまで言う経営者も」『BUSINESS INSIDER』2023年7月19日
(注7)オンライン調査の結果を元に、労働人口から推計した数値。
(注8)サブスク(subscriptionの略)とは、月単位または年単位で定期的に料金を支払い利用するコンテンツやサービスのこと。 商品を「所有」ではなく、一定期間「利用」するビジネスモデル。
(注9)佐藤智子「自分で自分の生きる場所を選べる 『ワーケーション』が提示する人生の多様な選択肢とは」『Yahooニュース』2021年4月8日
(注10) 「特別高度人材制度(J-Skip)」は、学歴又は職歴と年収が一定以上の者に「高度専門職」の在留資格を付与し、優遇措置を拡充した制度。「未来創造人材制度(J-Find)」は優秀な海外大学の卒業生が最長2年間の就職活動等ができる制度。両制度は本年4月に創設。
(注11)『Cnet Japan』2023年9月5日
(注12)㈱ AnyWhereのHPには、「『世界中の誰もが、どこでも豊かに働き生きられる社会へ』をビジョンに、法人の働き方やワークプレイスコンサルティング・プラットフォーム運営の事業を展開しています。」と書かれている。今回福岡市で提供を始めた「TeamPlaceパス」は、もともと長崎県のふるさと納税の返礼品に開発されたもののようだ。同社は、このほか、秋田県の受託を受けて移住促進イベントや長野県立科町で関係人口を増やす取り組みをしている。
【著者略歴】
富沢このみ(とみさわ・このみ)
1947年東京都北多摩郡田無町に生まれる。本名は「木實」。退職、母の介護を経て、まちづくりに関わる。2012年より田無スマイル大学実行委員会代表。2016年より下宿自治会広報担当。2019年より、多世代交流・地域の居場所「どんぐり」オーナー。2020年にフェイスブック仲間と「西東京市カルタ」完成。2020年より下宿地区コミュニティセンター管理運営協議会代表。2022年度から下宿自治会会長。