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外国人だって、子育て仲間! 小学生の学用品展示会で交流

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2017年9月4日

ルビ付きの小学校入学案内(クリックで拡大)

 西東京市で国際交流を続けている母親たちのサークル「世界toツナガル」が8月24日、海外から日本にやって来たお母さんたちを対象に、小学校入学前に準備する学校用品や小学校の生活の絵本などを展示した。集まった内外の母親たちの交流と感想を、徳丸由利子さんに報告してもらった。(編集部)

 西東京市の人口が20万人を超えたが、外国人登録者数も4000人を超えている。しかしここには、日本国籍を取得した人々は含まれていない。そのため「外国で生まれ育ち、今は西東京市で暮らしている」人数を正確に把握することはできないが、人口の2%以上が外国にルーツをもつ時代になっている。この割合は世帯数でカウントするともう少し増え、少なくとも2.6%(注1)の世帯が、日本以外の文化を持つ家庭を築いているそうだ。8月24日に「外国から来たお母さん向け・小学校の学用品展示」が谷戸公民館で行われるというので、のぞいてみた。

 机の上に並んだのは、ランドセル・教科書・体操着・上履き・鍵盤ハーモニカ・折り紙ケースに下敷きなど、今、小学校で使われているものばかり。外国から来て日本で子育てしている母親たちには、初めて見たものもあったという。

参加者たちは「(入学準備品の)プリントに名前だけ書いてあっても、何のことかわからない。実物を見たらすぐにわかるから、とても嬉しい」と、ひとつひとつをじっくり眺めていた。

連絡帳を使ってのやりとりの説明。「うちの子小学生だけど、連絡帳を使ったことがない。子どもが何も書いてこない、大丈夫かな」という話も飛び出した。

 

 

 特に、保護者と担任が連絡帳で実際にどうやりとりしたかという説明には、うなずきながらメモをとる姿が見られた。「今日は風邪で休みます」と連絡帳に書いて子どもの友人に学校に持って行ってもらうと、その日配布されたプリント類と連絡帳を持って帰ってきてくれるというシステムは、初耳だったそうだ。また、防災頭巾の使い方を聞かれ、持ち主の小学生が実際に頭にかぶって見せる一幕も。

 この日の主催は、西東京市公民館の保育つき講座(注2)から生まれた「世界toツナガル」という、育児中の母親たちのサークルである。日本人親子と外国人親子が子連れで参加出来る交流会を、月に1~3回、開いて来た。小学校からのおたよりの内容を説明したり、子育ての悩みを互いに話したり、気軽におしゃべりできる場となった。また、中国から来た母親たちによる餃子教室では、餃子の皮を作ってゆく手際の良さはもちろんのこと、具材の取り合わせの豊かさなどに日本人参加者は目を見張ったという。日本人はいつでも教える側、というわけではないのだ。

 

図書館から借りだした”学校や幼稚園の1日を描いた絵本類”。わかりやすいと好評だった。

「学校の説明会に通訳を頼めるんだって」と「西東京市外国語通訳ボランティア派遣事業」のパンフレットを渡されたのは、日本人の夫が単身赴任になりそうだという母親。これまで学校のことは夫に任せていたため、今後が不安だという。「きっとお願いすると思います」と言いながら、受け取った資料に真剣に目を通していた。

 

 今回の内容を主催の高橋敬子さんが考えた理由のひとつは、三鷹で開かれた同様な会について(注3)知ったこと。
「ちょうど来年小学校に入る子のお母さんがいるし、これなら私にもできると思って。夏休みだと時期的にはちょっと早いかもしれないけど、うちの子が学校から全部持って帰って来るから、実際に使っている物を見せやすいし」

 市の外国人相談窓口などに足を運んで、市内NPOから出されている多言語版小学校入学案内(注4)や、子ども日本語教室(注5)の案内、学童保育の説明書などを集め、高橋さん自身がお子さんの就学時に受け取った市立小学校の入学案内と共に見せることにした。

 生まれ育った国で子育てしている日本人の母親が「ワンオペ育児(夫の単身赴任などにより、1人で仕事・家事・育児の全てを行う状態)」「孤(こ)育て(夫や親族の協力がなく、近所や同世代の知人との付き合いもなく、孤立した状態での子育て)」に苦しんでいたりする現代。外国からやって来て子育てするには苦労も多いだろうが「ここに来ると、子育ての悩みとか(国が違っても)みんな同じだなーって安心できる。それで、日本のわからないこととか、何でも話せるから、それもすごくいい」というインドからきて2児を育てている母親の言葉に、子育てしている母親同士がフランクに話し合えて、プロの手が必要とあれば公的なサービスなどへ繋ぐこともできる、仲だち人のいるここが、いかに必要な場であるか、を感じた。

 子育ての正解はひとつではないとも言われる。このサークル参加者たちのように文化の違いを乗り越えて育つ子どもたちは、これからどんな未来を創ってゆくのだろうか。楽しみである。
(徳丸由利子)(写真は筆者提供)

 

(注1) 2017年8月1日現在。全体で20万845人、外国人登録者数は4166人。市内95714世帯のうち、2505世帯に外国人登録者を含む。(西東京市Web
(注2) 「親子で世界とツナガル♪ はじめの一歩!」西東京市ひばりが丘公民館主催 2014年6月6日から7月18日まで(全7回)
(注3)「外国籍保護者のための小学校説明会」2009年・三鷹市 開催経緯・この時に作られた冊子「外国籍保護者のための小学校案内」についてはこちら>>に詳しい。
(注4)「西東京市立小学校に入学する外国籍児童の保護者の方々へ<<小学校のご案内>>」NPO法人西東京市多文化共生センター発行。日本語ルビ版・英語版・中国語版・タガログ語版がある。平成23年2月発行・平成28年1月の改定版で、ホームページからダウンロード可能。(西東京市多文化共生センター
(注5)NIMIC子ども日本語教室。2007年9月設立。現在、小学部教室が3箇所、中学部教室が1箇所ある。(東京都国際交流委員会

 

【筆者略歴】
徳丸由利子(とくまる・ゆりこ)
 西東京市に住んで10年あまり。息子の誕生をきっかけに、子どもがいるからこそ気づくことを活かそうと、母親によるライターチーム「ままペンシル」に参加しています。この夏、一人息子がランドセルを買いました。高齢出産だったので、そろそろ抱っこが大変です。

 

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