人が集まる工夫があちこちに 「るるるバザール」の事前学習会

投稿者: カテゴリー: 環境・災害 オン 2018年4月18日

バザールのポスター(クリックで拡大)

 地域の防災イベントは人集めが課題だと言われます。西東京市と東久留米市にまたがるひばりが丘団地の人たちが「るるるバザール」を企画しました。どうやらそこに、課題解決の知恵と工夫が詰まっているようです。事前学習会に参加した梶原美佳さんの報告です。(ポスター [右] は、人が集まる!を一番の目的に、「防災」の字はあえて小さく)(編集部)

 西東京市ひばりが丘3丁目にひばりたんぽぽ広場がある。ひばりが丘団地の夏祭りが毎年行われている公園だ。ひばりが丘総合運動場ひばりアムテニスコートのすぐ隣にある。ここで5月13日(日)に「るるるバザール」が開かれる。その準備として4月15日(日)に開かれたスタッフの勉強会に参加した。

 「るるるバザール」のネーミングから、市場と思うかもしれないが、実は防災イベント。「地域とつながる・仲間が増える・もしもに備える」の3つの「る」をとって「るるるバザール」。「炊き出し訓練&試食会」「身近なもので応急手当」など見慣れたものに加え、「おもちゃの交換会」「毛布で担架タイムトライアル」「サッカーしながら防災を体感する」など、人が集まる仕掛けがいろいろとある。どれも「楽しみながらいつの間にか防災が身につく」を追及したプログラムだ。

 この日の勉強会は「イザ!カエルキャラバン!」の学習。協力団体のNPO法人プラスアーツの小倉丈佳さんが話してくれた。「神戸の震災の時は消防車も救急車もすぐには来られなかった。みんなが自分で動かないといけない。伝えたいことがたくさんあるのに、防災イベントというと人が来ない。ということで、あの手この手を考え、おもちゃの交換会と楽しくアレンジした防災プログラムを組み合わせました」「キャラクターの「カエル」とおもちゃを「トリカエル」から『いざ!カエルキャラバン』という名前です」

 

おもちゃを寄付してもらえるポイントは1~3ポイント。受付係との交渉しだい

 

 全国300ヵ所以上、海外でも14ヵ国で開催されているという。プログラムは、楽しみながらも防災の技術や知識が身につくように考えられている。例えば「水消火器」は、火元を狙ってちゃんと水を噴射しないと的が倒れない。災害時には担架が足りない。プログラムでは身近な毛布で担架を作る。なるほどと思う工夫に、作った人たちの本気を感じる。

 

それぞれの地域でキャラクターも変化している。沖縄ではヤモリになった

 

 体験プログラムに参加したり、買い物したり、おもちゃを寄付したりするとポイントがもらえる。それを、おもちゃや備蓄品・地域物産などと交換できるのだが、ここにも一工夫ある。イベント終了間近に開催される「オークション」で優位に立つためには多くのポイントが必要だ。ポイントをためるために、みなせっせと防災プログラムに参加する。オークションの品物は価値あるおもちゃに加え、野菜セットもあるとのこと。

 

自己紹介では好きなお酒を一言ずつ

 

 「るるるバザール」を主催するのは一般社団法人まちにわひばりが丘。ひばりが丘団地のエリアマネジメントに取り組むため、大手デベロッパー4社とUR都市機構が連携、設立した。このエリアはUR賃貸住宅に加え、分譲マンション4棟が建ち、戸建て住宅の販売も進んでいる。まちにわひばりが丘の事務局長、高村和明さんは「マンションの枠を超えて地域の人を巻き込むことで、地域をつなげ、仲間を増やし、ひばりが丘エリアを盛り上げていきたい」と話す。イベント前に開く勉強会もその仕掛けの一つ。 4月22日に開く2回目の打ち合わせではランチ会も予定している。

 

ふね型紙食器を作ってみた。使う時にはポリ袋をかぶせて

 

 この日の学習会には多才な顔触れがそろった。ひばりが丘団地エリアのマンション住民、当日防災まち歩きを担当するNPO法人西東京レスキューバード、まちにわひばりが丘理事で今回協賛の大和ハウス工業、まちにわひばりが丘のボランティアチームなど77名。若い人が多く参加していた。 近隣マンションに住む大熊拓也さんは「毎回新しい人に出会えるし、楽しいから参加している」と積極的にイベントを手伝う。「行けば楽しいから。みんなに会いに来てる」と違うマンションに住む加藤秀昭さんも話す。「子どもの顔を知ってもらえると安心。仲間作りしやすいのがここの良さ」と子ども連れで参加した小谷恵さん。当日は約100名のスタッフが参加予定だ。

 今回紹介したのは「るるるバザール」のほんの一部だ。他にも楽しそうなプログラムがたくさんある。私は「イベントは参加するより手伝う方がずいぶん楽しい」と常々思っている。まずは「るるるバザール」に遊びに行き、スタッフが楽しそうだと思った方は次から一緒に手伝いませんか。
(梶原美佳)

 

【関連リンク】
・るるるバザール(まちにわ ひばりが丘

 

【筆者略歴】
梶原美佳(かじわら ・ みか)
 東京生まれ。千葉県育ち。 現在西東京市ひばりが丘在住14年。 建設業で建築士として勤務後、専業主婦。 マンションの自治会役員、西部地域協力ネットワーク副会長。

 

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