晴天の下、子どもの神輿、夜店市 「谷戸ふるさと祭り」盛り上がる
第64回谷戸ふるさと祭り・夜店市が9月16日、西東京市の谷戸イチョウ公園を舞台に開かれた。この日は熱い日射しの下、午前中は子どもたちの神輿渡御、日の暮れ始めるころ夜店市が始まった。地元の商店街が戦後間もなく始めた伝統のお祭りとあって、地域の子どもたちや家族連れでごった返した。
神輿・太鼓の渡御は午前10時過ぎに始まった。主催した谷戸商店街協同組合によると、担ぎ手は地元小学校の4年生から6年生の19人、ほかに田無二中とひばりが丘中の生徒が15人。組合役員らが先導役となり、約3キロのコースを2時間余りかけて回った。
小学生が担ぐと、中学生が大うちわで風を送る。中学生が担ぐときは、小ぶりの神輿が大きく揺れる。鉦と太鼓をお供にして神輿が通ると、近所の住民が次々に姿を見せる。自転車で通りかかり、笑顔で声を掛ける人もいた。一行は3ヵ所の休憩所で麦茶やジュースを飲み、元気を取り戻した。
夜店市が始まったのは午後4時半ごろ。大テントの下で、ビールやかき氷、焼き鳥や玉こんにゃくなどの出店に列ができる。田無二中とひばりが丘中の生徒約30人がボランティアで参加。無料の麦茶コーナーで呼び込み役を務める。ごみの分別収集所も中学生の受け持ちだった。顔見知りの友達が声を掛け、言葉を交わしている。年輩の人たちも家族連れも、公園のなかで輪になって話し込む姿が見られた。
スーパーボールすくいの店には子どもも大人も集まった。運営していたのは谷戸新生会。自治会唯一の出店だった。小松哲郎会長は「昨年はほかの町内会も店を出していましたが、今年は私たちだけです。ちょっと寂しいですが、みんなと力を合わせて頑張りたい」と話していた。
昼過ぎからグルメワゴンコーナーが設けられ、タイ料理、アイスクリーム、ラーメンの車販売が人気だった。夕方からキズナクロスのヒーローショーや地元のアニメ制作会社が生んだゆるキャラ「キャラ丸くん」も登場。市内フラダンスグループ「フラレイプーノノ」のあでやかな踊りが詰めかけた人たちの目を奪っていた。
組合の山崎明理事長は「晴れてくれてよかった。このところ雨続きで、昨年は台風で神輿渡御も中止になった。今年はお天気に感謝しています」と安心の一言。そのうえで「神輿があちこち回るのも、お祭りが開かれる、ずっと続いていることを地域の方々に知っていただきたいという思いもあります。昭和29年(1954年)から続けてきた先人たちの思いを忘れず、これからも『ふるさと祭り』を盛り上げたい」と話していた。
(北嶋孝)
【関連リンク】
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