プロの仕事人を目指す子育てママ 第4回西東京市ハンサムママ・フェスタ

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2018年11月1日

Herbnet代表の浅川絢子さん

 子育てしながら本気で働く女性たちを支援しようと、4回目の「ハンサムママ・フェスタ」が10月30日、田無アスタ2階センターコートで開かれた。毎回多くの親子連れなどでにぎわう魅力ある企画。フェスタを含む女性の働き方サポート推進事業(ハンサムママプロジェクト)をコーディネートする、HerbNet(ハーブネット)代表の浅川絢子さん(40)に、人材育成を目的とした指導法などを伺い人気イベントの秘策を探ってみた。

 フェスタには、手作りアクセサリーや今回初のパンとお菓子など20店舗が出店し、約780人の来場者が丹念にブースを回り商品を手にとっていた。浅川さん目当てに訪れる人も多く、浅川さんは常に来場した女性たちに囲まれていた。

 浅川さんは、大学院を卒業後エンジニアとして働きながら、2人の男児を出産し7年間フルタイムで仕事をしていた。

 「泣いている子どもを急いで保育園に送り、仕事を終わらせ、帰宅して夕飯を作って、急いで子どもを寝かせる。会社も仕事も好きでしたが、子どもの傍にいたい。自分の『理想の子育て環境』の実現を目指しました」と浅川さん。

 2008年、女性の理想の働き方を支援するHerbNetの活動を始めた。「0歳から入場できる本格クラシックコンサート」の開催、親子の笑顔時間を提供する「こけ玉」や「消しゴムはんこ作り」「フラワーアレンジメント」など、多くのワークショップや教室の企画・運営を行い、2012年個人事業主としてHerbnetを設立した。

 2016年、西東京市から、同プロジェクトを業務委託された。講座やセミナーでは、「子育て中でも理想の働き方はあります。社会に受け入れてもらうには、プロフェッショナルであることが大前提。仕事の量は減らし質は落とさない。手作り品の販売では、全精力を傾けて作った作品には、後からお金がついてきます。初めから安い価格設定をする必要はありません」と受講者に説明している、という。

 出展会場でよく見かけるのが、ぐずる赤ちゃんを抱っこした母親たち。浅川さんは、短時間で商品を選べるように男女別に色別けした子供服をかごに入れて並べ、希望のかごを手渡すなどの事例を紹介して、受講者独自のアイデアを引き出す、という。

 「大切なことは自分は何ができて、どのように人に役立てるか、相手を思いやる心を持てるか」が重要だと浅川さんは力を込める。

 かぎ針編み作品を販売した、おひさまニット工房の村田麻衣さんは3回目の出店。「浅川さんからは、商品を端正こめて作っても、見せ方が悪いと購買意欲は激減だと教わりました。作品は動物をメーンにしているので、ファンタジーな世界観を出すため、森や自然をイメージしてディスプレイ用の高さのある木を使い、緑色の観葉植物を飾りました。今回は自分の作品に合う見せ方ができたと思います」と笑顔を見せた。

 

おひさまニット工房の村田麻衣さん

Monster’s Yardの太田口悠子さん

 

 ユニークでおしゃれな男の子とママの洋服、雑貨を販売した、Monster’s Yardの太田口悠子さんは、「浅川さんからは、自分が売りたいものとお客さんがほしいものは違う。ピンポイントで売るか、商品の種類の幅を広げるか、と問われ、母息子で共用できるものに絞りました。作品は手刺しゅう、ハンドメイド、リメイクです。値段のつけ方も材料費以外に作業時間給も入れました。色々勉強しています」と話した。

 フェスタを主催する同市産業振興課の五十嵐豊課長は、「産業振興課がこのフェスタを開く意味は、新たなマーケットを作り、市の産業を活性化するためです。今回はどのブースもまんべんなく安定してお客さまが来られていました。賑やかしのイベントではなく、人を引き付けるビジネスの形が見えてきました。出店者のスキルが上がってきたと感じました」と話した。
(柿本珠枝)(写真:筆者提供)

 

【関連リンク】
・Handsome Mama 西東京市(HP
・HerbNet(HP

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

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