交通空白地域解消に乗合ジャンボタクシー 東久留米市が来年3月から運行

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙暮らし オン 2019年2月20日

 公共交通空白地域の解消が課題だった東久留米市は来年3月から、子育て世帯や高齢者を対象としたワゴンタイプの10人乗りジャンボタクシーの実験運行を始める、と発表した。運行計画期間は5年程度を見込み、地域公共交通会議に諮って運行エリアや料金などを確定する。並木克巳市長が2月20日に開いた記者会見で明らかにした。

 当日配布された「実験運行に向けた運営方針の考え方」によると、運行は乗合方式とし、市内の70歳以上の高齢者、妊婦、0歳から3歳までの幼児が対象。介助者や家族らも同乗できる。事前に利用登録し、電話で予約申し込みする、などが決まっている。

 運行エリアは市内全域と隣接の公立病院2カ所(公立昭和病院、多摩北部医療センター)を想定。共通乗降場は西武池袋線東久留米駅や市役所、健康プラザ、生涯学習センター、地域センターなど33カ所。料金は1人1回500円、2人以上で300円程度。運行するのはジャンボタクシー3台。平日の午前9時から午後5時まで運行。土日祝日や年末年始は運休する。2020年3月開始を予定し、計画期間は5年程度、としている。

 担当の道路計画課は「多摩地域では、市内の一部地域でデマンド型交通を運行している例はあるが、市内全域を対象にしたのは東久留米市が初めてではないでしょうか。5月から8月にかけて地域公共交通会議に諮り、共通乗降場や台数、料金などを最終決定したい」と話している。

 同市は2015年に公共交通空白地域の解消に向けてコミュニティーバス、タクシーの運行を検討したが、道路が狭いなどから定時定路線方式は難しいと結論。2016年に庁内プロジェクトチームがオンデマンド型交通方式を取り上げ、対象者、料金、運行方式など複数例による収支計算なども踏まえて検討した。その結果「デマンド型交通は短期的な施策として適している」としたうえで、「市財政を圧迫しないサービス水準( 運行台数や利用者の制限等) の設定に向けて、市民満足度に留意し、費用対効果を十分に確認することが重要」とまとめている。

 この日は、2019年度一般会計予算案の説明会見だった。並木市長は主な事業の説明で最初に「デマンド型交通の実験運用」を挙げ、「点在する公共交通の空白地域の解消を図ります」と述べた。

 当初予算案は総額422億円。前年度比9億9400万円、2.3%減となった。減となったのは、上の山地区のまちづくり事業が終わり、待機児童解消対策が一段落して私立保育施設補助が減少した、などと説明した。デマンド型交通運行事業費は予算案で528万円を計上している。2020年3月開始時の「主に1ヵ月分の運行委託費」(道路計画課)という。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・東久留米市デマンド型交通の実験運行について(記者会見資料 PDF:375KB
・東久留米市地域公共交通の充実に向けた検討プロジェクト チーム報告書(平成28年11月)(東久留米市

北嶋孝
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交通空白地域解消に乗合ジャンボタクシー 東久留米市が来年3月から運行」への1件のフィードバック

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    公共交通空白地域の解消に向けた市の検討を追加しました。(編集部)

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