「きらっとシニア」10ヵ月ぶりに発行 「特集 コロナ禍と私たち」で1年を振り返る

投稿者: カテゴリー: 暮らしメディア・報道 オン 2020年12月20日

「きらっとシニア」第45号の1面(クリックで拡大)

 シニアに必要な情報や暮らしの知恵を掲載してきたシニアかわら版・西東京「きらっとシニア」紙の第45号が12月17日、ほぼ10ヵ月ぶりに発行された。これまでと同じくA4版4ページ仕立て。前号が配布された2月末からこれまで、活動自粛を余儀なくされた大本に焦点を合わせ、「コロナ禍と私たち」を特集した。

 

 1面は新型コロナウイルス感染症の流行を月ごとに年表形式でまとめた。悪疫を鎮めるといわれる妖怪アマビエのイラストが中央に鎮座。第1波から3波まで、一目瞭然で分かりやすい。

 

 2面から4面までは、介護現場の出来事や、シニア倶楽部メンバーの体験が綴られる。地域包括支援センターではこの間、高齢者からの相談が急増した。職員は「独りで寂しい・人と話がしたいなどの相談の対応に追われた」という。ささえあい訪問協力員が久しぶりに再開したとき「痩せた方が多かった」という証言に胸が痛む。

 

 ある病院ではテレビモニターを通じた「リモート面会」が好評だったという。また面会禁止の病院で、入院した妻と示し合わせてほぼ1ヵ月間「たまたま出会う」逢瀬を重ねた体験談も載っている。

 

 このほか運動不足解消のため家の中を歩いたり、地図で探して近辺を毎日1~2時間歩いたりした人もいる。マスク着用生活を「覆面社会の出現」と指摘した考察も掲載。3密回避のためネットスーパーを利用した体験から、生鮮食品は実店舗で、と勧めるコラムもある。それぞれシニアならではの機知・機略を発揮して、しんみり、ほっこりの場面が記録されて印象に残る。

 

 「きらっとシニア」は2009年1月創刊。市民団体「きらっとシニア倶楽部」が企画・編集し、これまで年3~4回、約4000部発行してきた。今号はちょっと部数を抑えて約3500部を、市内の公民館、図書館、地区会館などに置いた。毎号無料。バックナンバーはホームページでも閲覧できる。問い合わせはkirato.info2@gmail.comへ。

 

「きらっとシニア」の編集会議(2019年10月9日)

 

 感染の拡大とともに市内の公民館も3月から使用中止となり、緊急事態宣言解除後の5月末まで会合の場所が確保できなくなった。6月に入って公民館が使えるようになり、3ヵ月ぶりに集まったシニア倶楽部のメンバーが今後の活動を話し合った。

 

 メンバーの吉田正彰さんによると、コロナ感染が継続中であり、「取材活動などに制限があるため新聞発行は困難かもしれないとうムードもあった」という。しかしとりあえず、自粛中の生活について語り合うことから始めた。

 

 その結果「コロナ体験は、現在を生きる私たちの貴重な体験であり、正面から特集にして取り組んだらどうだろうかということにみんなの思いが集約されました」と吉田さん。「新型コロナウイルス感染は、地球規模の災厄であるため、紙面はたかだか4ページですが、世界-日本-西東京市-市民の視点をページ展開の流れとしました」と話している。次号の発行は「いちおう来年3月頃が目標」という。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・きらっとシニア(きらっとシニア倶楽部

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