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納田さおり議員

西東京市議会が2020年度決算を認定 コロナ対策を総点検

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2021年10月1日

 西東京市議会は9月27日に本会議を開き、2020年度の一般会計決算、国民健康保険などの4特別会計決算を認定。下水道事業会計の決算を認定、未処分利益剰余金の処分を可決するなどして32日間の会期を終えた。補正予算を12回も組んで進めた昨年度のコロナ対策が総点検された。(写真は、決算委員会の審議を報告する納田さおり委員長)

 

歳入決算額は1023億7500万円

 2020年度の決算額は、歳入総額1023億7500万円、歳出総額997億3900万円となり、差引26億3600万円の黒字となった。予算現額は1058億3500万円で、歳入決算額の収入率は96.7%、歳出決算額の執行率は94.2%だった。

 一般会計の当初予算は722億3000万円だった。それが今年3月の第12号補正予算で1058億3500万円に膨れ上がった。増えた336億円のうち、新型コロナウイルス対策事業費が239億4000万円、71.2%を占めた。

 歳入では市税が326億3200万円で、対前年度比9500万円、0.3%の減となった。10年連続で300億円超を確保したものの、11年ぶりに減額に転じた。新型コロナウイルス感染症の拡大で内外経済への影響が続き、「市税収入の確保は厳しい状況が引き続き見込まれます」(「令和2年度決算の概要」)としている。

 市税のうち個人市民税は154億8500万円、前年度比1億8600万円、1.2%増となってほぼ横ばい状態。しかし法人市民税は11億8400万円、前年度比3億2400万円、21.5%の大幅減となり、コロナウイルス感染が企業経営与えた影響が浮き彫りになった。

 

西東京市議会

コロナ感染防止対策で、議員の発言席は議場の両端に設けられた

 

経常収支比率94.0%、26市中20位

 財政の弾力度を判断する指標とされる「経常収支比率」は94.0%となり、都内26市中20位(前年度17位)だった。監査委員の審査意見書は「現状では多くの団体で 80%台後半から90%台となっており、本市においては90%を超えない範囲を維持することを目標にしている。 前年度まで4年連続95%台で推移していたが、本年度は 1.1ポイント減の94.0%と改善した。しかし、社会保障関係経費が依然として増加傾向 にあることに加え、今後、新型コロナウイルス感染症の影響による市税の減収が懸念されることから、厳しい財政状況が続くことが見込まれる」と指摘している。

 

コロナ対策239億4000万円、減額補正事業費は約9億円

 決算委員会に提出された資料によると、このコロナ事業費239億4000万円のうち、西東京市の一般財源(独自財源)は4196万円、0.18%にとどまった。ほとんどが国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や都の特別交付金だった。

 逆にコロナ感染拡大のため中止になった主な事業は市民まつりや市民文化祭、西東京市誕生20周年記念事業をはじめ、保谷庁舎・旧市民会館解体事業、田無小学校校舎大規模改造、聖火リレーなどオリンピック・パラリンピッ関連イベント、放課後子ども教室などだった。財政課によると、減額補正となったこれらの事業費は約9億円。このうち保谷庁舎と旧市民会館の解体工事を取り止めた分が約7億円を占めたという。減額事業のうち、一般財源は約1億630万円だった。

 

市内消費喚起事業で活性化したか

 コロナ対策で複数の議員が取り上げたのは、売り上げが減少した市内の飲食店、小売店を支援する「一店逸品市内消費喚起」事業、総額は2億5500万円だった。

 

ちらし

応援チラシ(クリックで拡大)期間は3月15日まで延長された

 

 この事業は飲食店で使用できるプレミアム付き食事チケットや買い物チケット(クーポン券)をクラウドファンディングの手法も活用して販売した。換金枚数は約7万7500枚、換金額は約3億8700万円となった。食事券は120店舗、買い物クーポン券は168店舗が取り扱った。アンケートで参加店舗は「満足・やや満足」が75%、お客の「好評」は60%などの結果だったという。

 しかし異論もあり、「実施主体の商工会に加盟していない市内の店舗は参加出来ない」「最も困っている事業者、市民に支援が届いていない」「これまでの(行財政改革推進委員会による)事務事業評価で、プレミアム商品券事業は成果を測る指標が課題になっていた」などの指摘や意見が出された。

 

はなバス事業が大幅赤字

 コロナ感染は企業・商店街のほか、市民の「足」にも影響した。コミュニティーバス「はなバス」事業は利用者が落ち込み、収入から経費を引いた赤字(運行補助費)が膨れ上がったのだ。

 交通課によると、2020年度の利用者は81万4883人、前年度より46万7602人減。マイナス36.5%、3分の1を超える減少だった。運行補助費という名の赤字額は1億8520万1845円に上り、前年度より5161万2929円増えた。1人当たりの運行補助費は227円となり、前年の104円に比べて倍増した。

 

はなバス

東伏見駅北口行きのはなバス(ひばりヶ丘駅南口)

 

 はなバス事業は、既存の路線バスがカバーしきれない公共交通空白地域を中心に市内5路線を運行。市民の「足」の便を支えてきた。実際の運行はバス事業者が担当し、不足額を市が補助金交付する仕組み。料金は現在、一般150円、障がい者や子どもなど100円。補助費は市の独自財源で、これまでも効率的な運行を目指して路線や料金体系の見直しなどが検討されてきた。今後の行方はどうなるか-。

 

福祉丸ごと相談窓口が高評価

 コロナ対策で評価が高かったのが「福祉丸ごと相談窓口」だった。昨年4月、それまで高齢福祉・障害福祉・生活福祉などで別々だった窓口を一本化して対応することになった。特にコロナ禍で生活困窮者自立支援や 住居確保給付金のニーズが多かった。

 

福祉丸ごと相談窓口

福祉丸ごと相談窓口(田無庁舎1階)

 

 生活困窮者自立支援の相談は計1417件。年齢は20歳代から70歳以上まで満遍なく広がり、男性805人、女性612人だった。経路別では本人からが929件と最多だった。行政機関213件、関係機関169件が続き、計322件となった。このうち社会福祉協議会が94件でトップ。生活福祉課55件、市民課30件と続き、地域包括支援センターが25件となっていた。

 緊急小口資金の貸付は1887件、総合支援資金を合せると計4536件に上った。家賃の支払いに困った世帯を対象にした住宅確保給付金の相談は5855件、そのうち3156件に支給し、給付額は1億5800万円。1件当たりの平均給付額は月額約5万円だった。

 ひきこもり・ニート対策も、中学3年生から30歳未満までの対象者数が76人に増え、最近5年間の最多となった。自宅訪問や居場所提供、メールや電話での連絡などを含め471回のかかわりがあった。コロナ感染予防のためキャンプや調理はできなかったが、自己紹介、ミーティング、散歩などで活動したという。

 

災害時対応は

 コロナ感染防止の注意喚起や災害時の高齢者や障害者ら配慮が必要な市民に対し、防災行政無線を確実に聞いてもらおうと昨年、防災行政無線戸別受信機1万台が購入された。事業費は全額国の臨時交付金で約1億3000万円。ところが設置されたのはわずか40台だった。危機管理課によると、白子川、石神井川の溢水危険地域の264軒をまず戸別訪問したが、不在、施設入所などで会えない場合もあり、不要も30件あったという。取り上げた田村広行議員は「関係部署や民生委員らと連携して速やかに動いてほしい」と釘を刺した。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・令和2年度決算の概要(西東京市Web
・令和2年度西東京市決算等審査意見書(西東京市Web
・令和2年度健全化判断比率及び資金不足比率審査意見書(PDF:113KB)(西東京市Web
・コミュニティバス「はなバス」(西東京市Web
・防災行政無線戸別受信機配備(西東京市Web
・福祉丸ごと相談窓口(西東京市Web

 

北嶋孝
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