
「やれる、できる」東久留米市政に 富田竜馬市長が初会見で抱負
12月26日の東久留米市長選挙で初当選した前市議の富田竜馬氏が28日に初登庁し、午後から市長就任後初の記者会見に臨んだ。富田新市長は「みんなで一緒になって考え、課題解決に取り組み、『やれる、できる』市役所にしたい」などと今後の抱負を語った。(写真は、初会見で抱負を語る東久留米市の富田竜馬新市長)
会見で富田市長は「(東久留米市は)今年市制50年を経過した。今後次の50年に向けた基礎をしっかり創ることが必要」と述べ、選挙公約だったコロナ対策、市民の利便性を高めるデジタル化、老朽化を迎えた公共施設の再編成、子どもたちへの支援を強調した。そのうえで公約を8項目にまとめて「今後の市営運営の展望」として明らかにした。
「最優先事項」のコロナ対策は、医師会と連携した3回目のワクチン接種の円滑な実施などを挙げた。公共施設の総点検では、市北部地域の子育て支援施設の空白解消、下里小学校跡地の利活用を取り上げ、デジタル化の推進ではスマホで各種申請の出来る「手間をとらない市役所」の実現を図るなどとしている。
このほか「道の駅」や東久留米駅西口の下りエレベーター設置の検討、ボール遊びの出来る公園の整備、女性の視点を生かした避難所体制の充実などを掲げ、市政全般にわたる施策を説明した。幕末の志士坂本竜馬が進言したと言われる新政治体制の基本方針にならって、これら8項目を「船中八策」と名付けて発表した。
記者からは、投票率や政治姿勢などについての質問が相次いだ。初当選が民主党、その後民進党になり、今回の市長選で自公推薦になった点を問われたのに対して、富田市長は「民進党が国民民主党になる過程で、市民として理解できない部分があって、その後『改革派市民無所属』として活動してきた。地域の課題解決に取り組むなかで、思い描く考え、政策を共有できる政党、会派のみなさんの支援をいただくことになった。自公のみなさんだけでなく、未来政策フォーラム、久留米ハートネットのみなさんの支援もいただいた」と述べた。
投票率は39.08%。前回(2017年)の37.05%を2.03ポイント上回ったものの、40%を切った。この点について富田市長は「率直に言って高いとは言えない。残念な気持ちはある」としながらも、「厳しい寒さの中、しかも今年(東京都知事選挙、衆議院議員選挙に次いで)3回目の選挙で民意を託された」と責任の重さを語った。若者の政治参加を問われて「私自身25歳で市議に初当選して以来、さまざまに取り組んできたが、目に見える形で成果が出てきたとは言えない」と言葉を重ね、若い世代が政治との距離を縮めるためにも、「これからは私が汗をかく姿を見てもらいたい」と述べた。
(北嶋孝)
【関連情報】
・東久留米市長選挙開票結果(東久留米市選挙管理委員会)
・とみた竜馬通信(Excite Blog)