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まちおもい帖 第42回 自分らしく生きるママさん起業家たち

投稿者: カテゴリー: 暮らし連載・特集・企画未分類 オン 2022年1月6日

  富沢このみ(田無スマイル大学実行委員会代表)


 

 「自分らしく生きるため」「自分の想いを実現するため」に社会に働きかける人は、以前から居たが、私の身近では、こういう人たちは、NPO、任意団体…といった形で活動していた。ところが、最近私の周りには、それを「ビジネス」で始める人が何人か居て、新しい息吹を感じる。

 「女性起業家」というとちょっと違う気がする。そうかと言って趣味を仕事にしているのとも少し違う。お金のためでもない。「自分らしく生きるため」「自分の想いを実現するため」に、ビジネスを始めた人たち、というのが遠からずとも当たっているのではないだろうか。

 今回は、私の周りの5人をご紹介したい。

1.「小さな小さな花屋さん」を始めた内藤阿珠佐さん
2.やさしい整体「茊絆」を経営する藤居仁子さん
3.小学生にロボットプログラミングを教える高田しのぶさん
4.ゼロ歳児を育てながらジェラート屋「mucu(ムク)」を始めた大谷里菜さん
5.SDGsに特化した営業支援、商品開発事業「KANKIKU」を立ち上げた木村きく子さん
6.しなやかな働き方

 

1.「小さな小さな花屋さん」を始めた内藤ないとう阿珠佐あずささん

 

 内藤阿珠佐さん(46)は、中学生と高校生の男の子2人のお母さん、ご主人は、会社員。山口県にあるお寺が実家だが、大学入学を機に東京へ。大学は、農学部、卒業後は、種苗会社に勤務していた。結婚、出産、子育て中も花が好きで、自宅でガーデニングを楽しんでおり、子育てが一段落してからは、花屋さんにパートで働いていた。

 そんな折、ご高齢の方が鉢植えを見て、「きれいね、欲しいけど重いので持って帰れないわ」と言うのをしばしば聞いた。その都度、お花が好きなのに、もったいないな、家まで持って行って上げられたらよいのにと思ったという。その思いが高じて、現在の起業となった。田舎の寺で育ち、昔から高齢の方との接触が多かったことがそうした気遣いにつながったような気がするという。

 「小さな小さな花屋さん」は、要望があれば、そのお宅まで、植木鉢の寄せ植えづくりやガーデニングの手伝いに来てくれる。彼女は、公益社団法人日本家庭園芸普及協会の「グリーンアドバイザー」の資格を持っており、日陰にはどのような植物が適しているかなど、その家に合った花の育て方についてのアドバイスが出来る。

 実は、私が運営している多世代交流・地域の居場所「どんぐり」の入口がコンクリート打ちの駐車場になっており、殺風景なので、誰でも入りやすいよう植栽したかった。だが、北側だし、それなりの大きさがあるので、どのようにしたらよいか悩んでいた。そんな折、彼女を知人に紹介され、とても良い雰囲気に植栽してもらえた。月2回ほど見回って、季節による花の入れ替えもして下さる契約なので、花のことが全く分からない私にとって、大変ありがたい。

 

「どんぐり」の植え込み終了後の内藤さん

 

 ビジネスモデルとしては、どのように販促していくかが課題だ。現在は、インスタグラムとフェイスブックでしか発信していない。10月末に実施された西東京市のハンサム・ママフェスタに出店し、お客様と対面、花が好きな人は、沢山いることが分かったという。しかし、口コミで広がっていくには、時間がかかるだろう。

 販売拡大を一気にできないことが想定されるので、店舗を持たず、自分の貯金だけで、小さく始めた。彼女は、生まれつき表皮性水疱瘡という難病で、手を清潔に保ち保湿するなどの手入れが欠かせない。それでも、好きな花を通して少しでも多くの方に植物を楽しむ生活を届けたいとこの仕事をスタートさせた。また、同じ病気で悩む方にも、こんなことが出来るんだと勇気をもってもらいたいとの気持ちもある。

 現在は、蘭を主に扱う「深大寺オーキット」で週3回働いている。職場の先輩に植物の知識や贈り物としての鉢花を魅力的にする方法、仕入れについてなどさまざまな勉強をさせてもらっている。「どんぐり」植栽の折には、プランターの運搬やベンチの組み立てをご主人が手伝ってくれた。

 周囲の多くの人の支援もあり、もっと草花を気軽に楽しんで欲しいという気持ちからスタートした会社は、これからゆっくりと育っていくのだろう。彼女は、一般社団法人日本ハンギングバスケット協会のハンギングマスターの資格も得たいと意欲的だ。
>>次のページ 2.やさしい整体「茊絆」を経営する藤居仁子さん

 

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