子育て

【書評】村田真由美著『25年間で2000人の子どもたちから学んだ 3歳までの子育てで本当に大切なこと30』

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育連載・特集・企画 オン 2022年5月1日

親子の土台を育む by 道下良司

 なかなかご飯を食べてくれない。仕上げの歯磨きをさせてくれない。そんな悩みを感じながら小さな子を育てる親は多い。本書は、子育ての悩みに対し、万人にあてはまる「正解」はないと言い切る。観察力を磨くことで親子関係を育み、自分の子にとってベストな接し方をみつけることが大切だと教える。

 

 著者は西東京市で未就園児と親を対象にした「ひよこ親子教室」を主宰している村田真由美さん。教室は設立25年を迎え、卒会生は1,200人。これまでの経験から3歳までの子どもに対する大人の接し方の重要性に気付き、子育ての秘訣を全国に広める。教室、25年の集大成として、本書を出版した。

 「子どもはパパ、ママの想像以上にしっかりとした意志を持ち、自ら考えて行動できる」(p.20)

 本書の中で繰り返し語られるメッセージは、子どもを心から信じることの大切さだ。できないことや失敗に対し過度に不安にならず、励まし、温かく見守る姿勢が子供の成長を促す、と著者は述べる。個別具体の方法論の前に、子育てへの向き合い方、親としての心の持ちようを整える必要がある。

 後半では、イヤイヤ期、赤ちゃん返りなど子育ての中で直面しがちな悩みに、著者の経験に基づくアドバイスが載る。いずれの対処法も、自分の子育てを責めず、無理のない範囲で行うよう語られ、著者の人柄が滲む。

 私は3歳の女の子を育てる親として本書を読み、自分の子育てについて考えさせられる部分がいくつもあった。なかでも、五感を使った「生きた経験」の節を読んだあと、我が子に著者が勧めるような体験をさせてあげられているか、振り返る機会となった。

 

【書籍情報】
書名:25年間で2000人の子どもたちから学んだ  3歳までの子育てで本当に大切なこと30
著者:村田真由美
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター
ISBN: 978-4800590053
単行本: 240ページ

 

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