
桐山ひとみ都議に都民ファーストの会から除名通知 英語スピーキングテストを高校入試から外す条例案に賛成投票
西東京市選挙区選出の桐山ひとみ都議会議員が10月7日、所属する都民ファーストの会から除名処分となった。11月に予定されている中学校英語スピーキングテストの結果を、来春の都立高校入試の採点に活用しないよう求めて、立憲民主党と東京維新の会が共同提案した条例案に対し、この日に開かれた都議会本会議の採決で、同会派の決定に反して賛成票を投じたことが除名理由という。桐山議員がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「ツイッター」に投稿して明らかにした。(写真は、条例案賛成の「白票」を投じる桐山都議=東京MXテレビ中継画面から)
英語スピーキングテスト(ESAT-J)は、東京都教育委員会が「進研ゼミ」などで知られるベネッセコーポレーションと協定を結んで準備。都内の公立中学3年生を対象に11月27日に実施が予定されている。しかし採点がフィリピンで行われて詳細が明らかでない、テストを受けない私立中学校生や障害などの事情がある「不受験者」の採点の扱いなどをめぐって、疑問や批判が少なくなかった。
立憲民主と維新の共同提案「東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例」は記名投票の結果、賛成21票、反対98票で否決された。都民ファーストの会は高校入試へのテスト活用に賛成の立場を崩さず、会派として共同提案に反対した。
ご報告です
本日、本会議において立憲民主党、維新の会で共同提案された議員提案条例に対し賛成票を投じてきました
よって、造反したとのことで除名処分が決定したと増子都民ファーストの会幹事長(党会紀委員長)から連絡を頂きました。
政治家としておかしいものはおかしい!と言えなくなったら終わり— 桐山ひとみ【東京都議会議員】 (@kiriyamahitomi) October 7, 2022
桐山議員ら同会派内の5人は、テストと入試活用に批判を続けてきた。この日は桐山議員ら3人が共同提案に賛成して除名処分となり、2人は欠席した。桐山議員はSNSで「政治家としておかしいものはおかしい!と言えなくなったら終わり」「五人はこれからも目的は1つ!スピーキングテストを入試に入れない!これは変わらない‼」と発信している。
都民ファーストの会の「通知書」によると、桐山都議は「党議拘束を決定した採決について、会派や党の決定に反した抗議行動をとった」とした上で、「会の名誉を傷付け」「団結をみだし」「決定に背く行為をした」と、10月7日付けで除名処分にした理由を挙げている。同会の規約によると、処分に不服の場合は14日までに審査請求できるという。
今回の条例案は、スピーキングテストと高校入試を切り離し、テスト結果を入試に活用しないよう求める内容。提案した立憲民主党の竹井ようこ議員は本会議の討論で、「教育(委員会の決定)に政治が介入していいのか」などの危惧の声を念頭に、「教育委員会の独立性は、歴史的には首長と教育委員会の関係で言われてきた。住民の意思決定の観点から、議会には一定の役割が求められる」と指摘。「(今度の)条例案は最高裁の判例に照らしても法的に問題はない」などと述べた。具体的には不受験者の得点の扱いをめぐって差の出る多くの事例を挙げ、「平等と公正が保証できない」「子どもの将来を決める高校入試に(テストを)活用することが本当に子どものためになるでしょうか」と訴えた。
(北嶋孝)
【関連情報】
・令和4年第3回定例会最終日(10月7日) 録画映像(東京都議会)
・【特設ページ】中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)(東京都教育委員会)
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