
西東京市議選、長井秀和氏トップ当選 自公が過半数割れ、立憲4人全員当選
西東京市議会議員選挙(議員定数28人)は12月25日に投開票が行われ、芸能界で活躍した無所属の長井秀和氏(52)が3482票を獲得してトップ当選した。自民党は8人、公明党は5人当選したが、自公で計13人どまり。共産党は1人減で3人。立憲民主党は4人全員当選を果たして倍増。西東京・生活者ネットワークの2人も3期目へ。日本維新の会、国民民主党はそれぞれ初議席を獲得した。市長支持派の自公が過半数を割ったこともあって、今後の議会論議は目を離せない状況となった。(写真は、ポスターを指さす家族連れ 12月25日午後4時35分、谷戸第二小学校付近)
女性議員は前回より2人増えて9人、新人は6人となって前回と同じだった。
自民は昨年6月まで11人の会派だった。その後都議選出馬や引退表明もあって、今回の公認候補は9人。しかも、議長も務め5期目をめざした田中慶明(のりあき)氏(63)が今回は僅差で落選した。その結果、自公で計13人、議長選出となると採決の場は12人となる。議会の論議も運営も、数に頼りがちな手法から、柔軟・闊達で風通しのよいスタイルが求められるかもしれない。
上位10人のうち、無所属は長井氏を含め3人。長井氏は昨年夏からほぼ1年半、地元で活動を続けて支持を広げた。急に登場するかに見える人たちと一線を画した。
2位は田村広行(ひろゆき)氏(44)。徹底した情報公開とリアルな議会情報の発信による市民との対話をこの間ひたむきに続けてきた。議会の質疑も調査に基づき、噛み合う答弁を引き出す力になった。そんな活動が実を結び、24位だった前回から1303票増。倍近い2800票を獲得した。納田里織(さおり)氏(52)は2569票で5位。告示直前に新型コロナウイルスに感染して街頭に出たのは2日間だけだったが、地域の声をすくい上げ、行政を質す活動を積み重ねて、前回より482票を上積みした。
自民は2人。保谷七緒美(なおみ)氏(60)が今回は2569.868票となり、前回より約202票増で4位。山田忠良氏(41)は旧統一協会絡みのイベント参加が明らかになっても前回比585票増の1986票。25位から10位に躍進した。生活者ネットの加藤(かとう)涼子氏(51)は2757票で3位、後藤優子(ゆう子)氏(55)は2533票を獲得して6位だった。
立憲の新人、菅原美穂(みほ)氏(47)は2323票で7位。日本維新の会の山崎英昭氏(49)は2233票で8位だった。前回苦杯をなめたが、昨年10月の衆院選出馬を経て今回復帰した。政策に通じ、議論をまとめる手腕に周りの期待は高い。国民民主党の鈴木祐馬(ゆうま)氏(36)は2039票。玉木雄一郎代表が2度も応援に駆けつけるほど力を入れた。同党として初議席となる。
参政党の五十嵐将雄(いがらし・まさお)氏(38)は党を挙げての応援だったが、11票差で次点。市長選挙違法ビラ訴訟の原告総代だった新人の山口あずさ氏(60)が5票差で続き、自民の田中氏はさらに10票差など、当確ラインを挟んで僅差のせめぎ合いとなった。
政治家女子48党は、立花孝志党首が率いるNHK党の姉妹政党。立花党首が応援に訪れたものの、出馬した女性2人、男性1人の得票は3人合計で263票に終わった。しまぞうZ、矢野こうすけ、ザ・シャークの届け出名で立候補した芸人、演歌歌手、プロレスラーの3人は公約や政策を正面から訴えたが、得票は700票から400票前後と伸びを欠いた。
当日有権者数は16万9253人、任期満了に伴う市議選の投票率は、前回に次いで過去2番目に低い38.66%だった。それでも、市民の声に耳を傾け、市民と一緒に課題解決のためひたむきに、継続的に取り組む日常活動は、地道であっても結果を裏切らない。そんな流れが伝わる選挙に見えた。
選ばれた28人の任期は2023年1月21日(土)から。週明けの23日(月)に顔合わせの全体会が予定され、4年間の活動の幕が開く。
(北嶋孝)
【関連情報】
・令和4年12月25日執行 西東京市議会議員選挙 投・開票結果(西東京市Web)
- JCOM西東京が北多摩5市と災害時支援協定 - 2023年6月3日
- 清瀬市が子育て世帯生活支援特別給付金を誤支給 30世帯の児童47人の235万円、二重払い - 2023年6月1日
- 若者・子どもにも切れ目ない支援 西東京市が生活者中心の物価高騰対策 補正予算案に盛り込む - 2023年5月31日
【お詫び・訂正】
本文中、保谷七緒美氏の得票数に誤りがありました。「前回とほぼ同じ2367票で4位」とありましたが、「今回は2569.868票で、前回より約202票増で4位」と訂正しました。前回の得票数を今回と誤記し、確認も不十分でした。
保谷氏から訂正と詫び文掲載の要求がありました。保谷氏と関係者、読者のみなさまにご迷惑をお掛けしました。本文を訂正し、あらためてお詫びいたします。(北嶋孝)