がんサバイバーの体力づくりと仲間づくり 5月の高尾山ハイク目指して

投稿者: カテゴリー: 健康・福祉 オン 2023年3月21日

 がんサバイバー(がん経験者)向けの運動ブログラムを動画で配信している「ゆる2(ゆるゆる)トレプロジェクト」が3月11日、現地参加型のイベント「ゆる2トレウォーク in 代々木公園」を開催した。1月から始まったプロジェクトも中盤に入り、この日は初めて仲間と一緒に歩いてみた。5月の高尾山ハイクに向けて参加者の期待も高まった。

 

記念撮影

終了後、笑顔で記念撮影

 

 プロの指導で歩き方の練習

 集合時間の午前9時45分、代々木公園原宿門近くの「とけい塔」に23人が集まった。初対面で緊張しつつも雰囲気は和やかだ。簡単な自己紹介のあと公園内に移動した。

 ストレッチなどの準備体操を終えると、主催者で「ゆる2トレプロジェクト」実行委員会の石野田 神さんやがん専門運動指導士の村上 理香さんから「歩くときの身体の使い方」のアドバイスを受け、グループに分かれて歩き方を練習してみる。練習が終わるころにはあちらこちらで笑い声があがり、体も気持ちもほぐれたところで公園内のウォーキングに出発した。

 

講習会

がん専門運動指導士からのアドバイスを聞く参加者

 

 仲間との出会いを楽しみに

 参加者にイベント参加の動機を聞くと、運動ももちろんだが、がんサバイバー向けのイベントだったので参加したかったという人たちもいた。

 長く伸ばした黒髪がとても印象的な教員のさやさん(29)。「埼玉県」や「AYA世代」といったキーワードで週末参加できるがんの当事者向けのイベントを探していたが、見つからなかった。今回は偶然このイベントを見つけ「いろんな人と出会えるのを楽しみにしていた」という。

 さやさんは悪性リンパ腫の経験者だ。5月には自分が移植を受けた日「セカンドバースデー」がある。その時に長く伸ばした髪を医療用ウィッグに役立ててもらうために寄付(ヘアドネーション)するつもりだと語ってくれた。

 

 誰でも参加しやすい

 まゆみさん(50)とひとみさん(35)は職場の上司と部下。ひとみさんはがんではない。まゆみさんが職場でがんのことを隠さずに話してくれていたので、自分もきちんとがんや「がんサバイバー」のことを知りたいと思い一緒に参加した。「今後、乳がんのことを学べるピンクリボンアドバイザー試験にも挑戦してみたい」と考えている。

 まゆみさんは治療中だが、職場にいる方が気分転換になるので仕事を続けている。「まだ病気を受け止めきれていない自分もいるので、乳がんの患者会よりこちらの方が参加しやすかった」と話してくれた。ふたりは高尾山にも一緒に挑戦する予定だ。

 

ヘアドネーション

ヘアドネーション間近の髪を見せてくれたさやさん

 

 次は、みんなで高尾山に挑戦

 芽吹き始めた公園の木々や花を撮影したり、お互いのことを聴き合ったり。ほどよい距離感の中でそれぞれが公園内のウォーキングを楽しみ、正午近くに解散となった。

 イベントを共催したReViv(リバイブ)の相澤美穂子さんは「集合した時は少し硬い表情だったみなさんが、準備運動や歩き方の練習で体がほぐれるとともに、笑顔が見られるようになったのが印象的でした。開催して本当に良かった」と語る。

 ゆる2トレプロジェクトの最終目標「高尾山ハイク」は5月19日(金)に開催が決定した。参加申込の方法など詳細は、ゆる2トレプロジェクトのホームページで確認できる。
(髙倉理恵)

 

【関連情報】
「ゆる2トレ」(HP

 

髙倉理恵
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