西東京市の学校給食費無償化を 子育て中の保護者らスタート集会呼び掛け

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育 オン 2023年6月24日

 学校給食費の無償化を求めるスタート集会が7月8日、西東京市保谷庁舎向かいのパスレル保谷で開かれる。東京都内では区部を中心に今年度から無償化に踏み切る自治体が目立つこともあり、「子どもたちの健やかな育ちのためにぜひ実現したい」との声が上がっている。

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 スタート集会は7月8日(土)午後2時から4時まで。会場は、多世代交流の場「パスレル保谷」(市内泉町3-12-25)2階のイベントスペース。

 今回の集会は、NPO法人「猫の足あと」代表の岸田久惠さんが学習支援、生活支援、子ども食堂などの活動を進めてきた経験を踏まえて学校給食費無償化について話す予定。そのほか今年度から中学生の学校給食費が無償化された足立区での活動報告や、市内在住の保護者らの発言も予定されている。

 集会を主催するのは「学校給食費無償化を求める西東京市民の会」(松澤晃子代表)。市内で子育て中の保護者らが話し合うなかで、メンバー数人が準備活動を進めてきた。その1人の平野希さん(住吉町在住)は広報担当。「無償化を望む市民の声を知ってもらいたい、可視化したいと組織を立ち上げました」と言う。代表の松澤さん(中町在住)も「子ども食堂に見られるように、子どもの食の確保はとても重要です。私も平日は仕事ですが、忙しいと言って何もしないと変わりませんから。これからアンケートや署名を募って運動を広げたい」と話している。

 市民の会の調べによると、小中学校とも4月から給食費無償化に踏み切ったのは、都内では葛飾区、北区、品川区など6区。さらに7区が今年度中に実施したり実施の意向を表明したりしている。足立区は4月から中学生(10月から小学生も)、練馬区は第2子から無償化に踏み切った。多摩26市では、狛江市が4月から第3子以降を無償化しているだけという。

 西東京市の学務課によると、今年5月1日現在の市立小学校児童は1万6人、中学校生徒は4307人。学校ごとに徴収、管理してきた給食の食材費は小学校低学年(1~2年)が月額4364円、中学年(3~4年)同4639円、高学年(5~6年)同4897円になり、中学生は同5515円に上る。

 このところの物価高騰対策として、市は昨年7月から学校給食食材購入費の8%相当を補助し、今年度も継続実施している。当初予算の補助額は小学校分が4129万円、中学校分は2179万円が計上された。仮にこの物価水準を変えずに食材費を全額無償化するとしたら、年間約7億9000万円の費用が必要になる計算だ。

 市議会は昨年9月、学校給食費無償化の「意見書」を可決し、関係省庁に支援を求めた。今年3月には同趣旨の「決議」を可決。市に実施を迫った。

 しかし無償化実施には財源が必要になる。厳しい財政事情を説明しながら市側はこれまで議会で「一過性のもので終わらせることのないよう継続的に取り組むことが大切であり、そのための経常的な財源の確保が重要であると認識している」とした上で、「引き続き、国及び東京都の動向を注視しつつ調査研究したい」(池澤隆史市長)と述べてきた。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・学校給食費無償化を求める西東京市民の会(twitter
・議員提出議案第3号「学校給食費の無償化を求める決議」(令和5年3月23日)(西東京市議会会議録、PDF 105KB
・議員提出議案第7号「学校給食費の無償化を求める意見書」(令和4年9月9日)(同会議録、PDF 131KB

 

北嶋孝
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