45歳から楽しむ学生生活 自由学園「プレアカデミー」修了式
創立以来「生活即教育」の理念を掲げてきた学校法人自由学園(市岡揚一郎理事長、東久留米市学園町)が、45歳以上を対象にした「自由学園リビングアカデミー(LA)」を始める。4月からの本格スタートを前に、先行企画として準備、開校した「プレアカデミー」の修了式が[2016年]3月26日(土)午前、東久留米市の学園キャンパスで開かれた。(写真は、修了式で挨拶する開設準備室長の小谷野温子さん)
プレアカデミーは昨年10月から半年間実施した。募集した学生は本番と同じく45歳以上。キャンパス周辺や都心、神奈川、山梨などから50人が申し込み、最高年齢は横浜から通う82歳の男性だった。この日の修了式には43人が出席した。
最初に挨拶に立ったリビングアカデミー開設準備室長の小谷野温子さんは「リビングアカデミーは自由学園にとって初めての試みです。どんな課題があるか、プログラムをどう作っていけばいいか、みなさんにモニターになっていただいて、事前に貴重なご意見を聞かせていただきました」と感謝した。
プレ企画の学生は、4月のLAプログラムにも含まれる「食する」(イタリア料理)、「住まう」(木工)のクラスをそれぞれ受講した。このほか、毎月1回開く「LAの日」に全員が集まり、10万㎡の東久留米キャンパスにある約4000本の樹木、野草、校内の遺跡の状況を知った。国の重要文化財になっている自由学園明日館(豊島区西池袋)を設計したフランク・ロイド・ライト、東久留米キャンパスの校舎を設計した遠藤新の思想なども学んだ。
この半年を振り返って2人が体験を交えて感想を述べた。
会社役員を退いた後、妻に教えられてプレアカデミーに参加したという男性は「自由学園の教育は、広いキャンバスを与えて、何を描けばいいか自分で考えさせる。成果主義が浸透したほかの大学と違って、そこがとてもよいところだと思った」。クラスはイタリア料理だった。「生まれて初め習ったリゾットを娘夫婦に披露した。うまくいかなかったけど」と話して会場の笑いを誘った。
自由学園を卒業した女性は当時の学園生活の思い出を語りながら「40年後にまた学園で学んでワクワクしたし、少し若返った気がする。年配者へのご褒美かもしれませんね」と述べた後、「楽しく過ごせたことを感謝します。リビングアカデミーが大きく育つことを願っています」と期待していた。
2人の話を受けてプレアカデミー・リーダーの小田泰夫さんは「アンケートはすべて目を通しました。自分のために何かしたいというお気持ち以上に、仲間と共に何かを作り上げたいという強い思いが伝わってきました。私たちの願いにも通じて、とても手応えがありました」と述べた。
最後に4月からの本番に向けて「すでに申し込んでいるみなさんもいますが、もしお忘れの方がいたら、まだ余裕があるのでぜひご参加ください」とユーモアたっぷりに参加を呼び掛けた。
式を終えてから出席者が輪になって着席。フルート演奏に耳を傾け、学園のパン工房で作ったケーキを食べながら懇談した。
自由学園は1921年、羽仁もと子、吉一夫妻が創立。幼稚園に相当する幼児生活団から初等部(小学校)中等科(中学校)高等科(高校)最高学部(大学)まで一貫して「生活の中にこそ真の教育がある」との教えを実践。キャンパスの清掃・管理など日常生活の運営を自分たちでする「自労自治」、友達とは「競争ではなく協力」などをモットーにしてきた。
リビングアカデミーもその方針に沿い、自然豊かなキャンパスの四季を体感する「野草」「樹木」「野鳥」や、「料理イタリアン」「木工」「染色」など8クラスを用意。月1回のサロン講座は、ドキュメンタリー映画監督の羽田澄子さんが5月に登場。その後、江戸文化研究で知られる最高学部長の渡辺憲司さんらが講師を務め、学生とのディスカッションの場を設けるという。
アカデミー企画を進めてきた小田泰夫さんは「私たちが45歳以上を応募年齢にしたのは、子どもが高校や大学に進んで手がかからなくなってきた母親世代の方々にも来ていただきたいと考えたから。リビングアカデミーのモットーは、学び、交わり、楽しみ、そして社会に役立つことです。多くの方に受講していただきたい」と話していた。
在学期間は1年。45歳以上の50人を募集。会場は東久留米キャンパス。締切は3月31日。問い合せと申し込みは、自由学園リビングアカデミー設立準備室、電話042-428-3876。メールは la@jiyu.ac.jp。Webサイトは、https://www.jiyu.ac.jp/la/。
(北嶋孝)
【関連情報】
・自由学園リビングアカデミー(LA)(自由学園)
・自由学園(HP)
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