1300人規模の大ホールを 西東京市文化芸術振興会が第1次試案

投稿者: カテゴリー: 文化 オン 2016年4月24日
挨拶する海老澤敏会長(西東京市文化芸術振興会総会)

挨拶する海老澤敏会長(右から2人目)。左端は来賓の丸山浩一市長。

 西東京市文化芸術振興会(会長・海老澤敏元国立音楽大学学長)は4月23日、市内で開いた総会で、約1300人規模の市民文化ホール構想(第1次試案)を了承。広く市民に呼び掛けて今後も構想内容を充実し、関係方面に実現を働きかける。

 第1次試案では、ホールの収容人員を約1300人とした。当初は1000人規模も検討したが、ホールの運営と興行面に配慮し、人気公演などを実現しやすい規模にした。

 ホールの種類は、「音響効果が高く評価されている長方形のシューボックス(靴箱)型を基本にするのも一案」と伝統的な音楽ホールに留意しつつも、「音楽専用ホールに限定せず、多目的ホールとしての機能も備える」とした。大ホールだけでなく「別途小ホール(演劇用など)を併設する」としている。

 多くの市民が利用するので「高齢者、子ども、障がい者にも配慮する」と、バリアフリーの視点を明確にしている。特に座席は前後左右の幅に余裕を持たせ、出入りしやすい客席を実現し、車いす席も10席を確保。訪れた人たちが話し合える「ロビーやホワイエ(ギャラリー)を充実する」と市民交流のゆとり空間を目指している。

 建設候補地は明記されていないが、「田無駅に直結する(徒歩5分以内がベスト)」「田無駅南口(から向台町方面に延びる予定)の都市計画道路3・4・24号線に直結する」「周辺の施設環境を重視」などを挙げ、再開発の準備が進む田無駅南口周辺を想定している。

 構想を説明した赤澤立三副会長(元日大芸術学部教授)は「早くても10年先の話かもしれません。しかしまずこの第1次試案を切っ掛けに議論していただいて、多くの市民の意見を集め、内容を充実し、改定していきます。20万都市西東京市にふさわしい芸術文化の拠点となるホール実現に向けて、西東京市、市議会などに働きかけていきたい」と述べた。

 西東京市文化芸術振興会は「文化芸術の薫りあふれるまちづくり」(設立趣旨)を目指して2010年に設立。市内の音楽、ダンス、演劇団体や個人が会員。会長代行に宮田亮平前東京芸術大学学長、現文化庁長官が名前を連ねるなど、市内の文化芸術関連の有力団体として活動している。

 昨年は国際的なモーツァルト研究家として知られる海老澤会長の「海老澤敏レクチャーコンサート」を開き、モーツァルトのオペラや室内楽をテーマに多くの聴衆を集めた。
 今年度は「交流の場づくり」を進めるほか、「考える」「行動する」基本方針の下、保谷こもれびホール創立20周年事業企画を他団体と共に提案。「20万都市西東京市のこれからの文化を長期的に考え、文化施設のあるべき姿を提案する」一環として、「市民ホール構想(第1次試案)」をまとめた。
(北嶋孝)

 

 

 

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1300人規模の大ホールを 西東京市文化芸術振興会が第1次試案」への1件のフィードバック

  1. 1

    西東京市文化芸術振興会の名称表記に誤りがあり、掲載直後に訂正しました。
    同振興会の活動などをその後、追記しました。(北嶋孝)

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