スカーフ、ショールもダメ? 傍聴規則で西東京市議会が議論

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2016年6月15日

 西東京市議会の議会運営委員会(浜中のりかた委員長)が6月15日に開かれた。スカーフやショールなどを着用する傍聴者の対応をめぐり、禁止服装を定めた傍聴規則の条項について意見が交わされ、各会派に持ち帰ってあらためて話し合うことになった。

 西東京市議会傍聴規則の第8条は1項から8項まで傍聴人の守るべき義務を定め、服装に関する第4項は「帽子、コート、マフラーの類いを着用しないこと。ただし、病気その他の理由により議長の許可を得た場合はその限りではない」としている。

 この服装条項に関する各会派の意向が報告された。「話し合ったが、さまざまな意見が出てまとまらない。従前通りでいいのではないか」(自民、公明)「議論したが、これまで通りで」(共産)「その都度議長の判断で決められるから(現行で)いい」(民主改革フォーラム)など現状維持が多数を占めた。

 特に取り上げられたのがスカーフやショール。「男性のネクタイと同じく、女性のスカーフなどはファッションだから着用してもいいのでは」(統一会派みらい)「スカーフなどが議事の妨げになるとは思えない。この第8条4項は変えるべきだ」(生活者ネット)と服装規定を見直す意見も。「冷房利用が多くなる季節を迎え、体調管理などからスカーフやショールを必要とする人がいる」との指摘もあった。

 アパレル業界で働いていたことがあるという納田さおり議員(無所属)は、「この服装規定はいまの時代にそぐわない」ときっぱり。「帽子やコート、マフラーなどはファッションです。しかも服装を制限するようなことは、憲法第21条の表現の自由にも抵触します」と述べたうえ、病気治療で頭髪が抜けた時期を過ごした体験を踏まえて「病状をいちいち他人に告げて帽子着用の許可を求めるのに抵抗があった。この8条4項は見直すべきだ」と主張した。

 森てるお議員(無所属)は「議会は、市民がもっと気軽に傍聴できるようにする必要がある。この規定は高飛車ではないか。今後も議論していくべきだ」と述べた。

 地方自治体の議会傍聴規則は、全国市議会議長会の「標準市議会傍聴規則」にならう例が多い。西東京市の議会傍聴規則の服装規定も「標準規則」と同じ表現になっている。

 浜中委員長は「マフラーやスカーフ、ショールなどについて、各会派は本日の議論を持ち帰って話し合ってほしい。その結果をもとに、あらためてこの委員会で協議したい。議運は全会一致が原則なので、まとまらなければ現在の規則が続くことになる」などと述べた。

 傍聴規則の協議に先だって、合併による西東京市誕生15周年記念事業として、議場コンサートをこれまでより「バージョンアップして」実施すると決めた。熊本地震があるので記念行事を自粛するかどうかの意見が各会派から表明され、「普段通りで」「騒ぎすぎなければ自粛は必要ない」などが大勢となり、実施することになった。

 時期は第4回定例会(12月議会)を想定。時期や内容も含めて各会派で話し合い、要望を持ち寄ってあらためて決めることになった。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・西東京市議会傍聴規則(PDF、86KB
・標準市議会傍聴規則(全国市議会議長会

 

(Visited 1,847 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA