まちづくりフォーラムが市長に提言 新庁舎は保谷へ、田無は教育・文化・芸術ゾーンに

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2016年8月6日
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 西東京市の中央図書館・田無公民館・市民会館の3館合築複合化計画の再考を求める活動などから生まれた市民や団体の集まり「まちづくりフォーラム」が8月2日、今年1月から5回の集会を重ねてまとめた提言「『住み続けたい!』と思うまち 西東京に」(末尾に全文掲載)を丸山浩一市長に手渡した。

 提言は(1)中央図書館・田無公民館・市民会館を田無庁舎の地に建設し、教育・文化・芸術ゾーンにする(2)耐用期限の迫った保谷庁舎の地に、統合庁舎を建設する(3)そうなれば現在検討されている仮庁舎は不要(4)市民参加のまちづくりを進め、外部コンサルタント依存や行政内部で決めるやり方をあらためる-などが柱になっている。

(「提言」から)

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 保谷庁舎の法定耐用期限は2年後の2018年。このため提言は統合庁舎を保谷の地にしたうえで2案を提起している。まず同地の市民広場に新庁舎(第1期分)を建設して保谷庁舎機能を移転。第2期の庁舎に田無庁舎機能を移す案。もう一つは、保谷庁舎機能を旧泉小学校にとりあえず移転。新庁舎を一気に建設する案を選択肢に挙げている。

 保谷の敷地には防災センターがあり、広域避難場所の文理台公園にも近い。調布保谷線などが整備されて交通の便がよく、震災が起きたとき機動的に対処できるなど防災面のメリットが大きい。エコプラザやこもれびホールなどの公共施設も集積しているうえ、敷地が広く、長期的な建て替えや再配置にも有利、などとしている。

 中央図書館・田無公民館・市民会館を田無庁舎の地にまとめる利点は、田無駅に近く交通の便がよく、市民が利用しやすいことを挙げている。市の計画のように市民会館の地に合築するより敷地面積ははるかに広く、中央図書館や市民会館(公会堂)も拡充可能で、市役所の出張所などを設けることもできる。動き始めた田無駅南口広場整備計画と連携して、あらたな教育・文化・芸術ゾーンの創出を、と呼び掛けている。

整備イメージ(「提言」から)(クリックで拡大)

整備イメージ(「提言」から)(クリックで拡大)

 提言の副題は「庁舎と3館(中央図書館・田無公民館・市民会館)に関する市民の提言」。3館の「合築複合化」の再考を求める求める市民の会(鈴木治夫代表)などが中心になって統合庁舎と3館問題を、まちづくりの視点からフォーラムで話し合ってきた。6月に発表した「概要版」をたたき台にして「提言」をまとめた。

 7月31日に開かれた第5回会合には約50人が参加。「画期的な内容なので日の目を見させたい」「もっと市民参加を前面に出してほしい」など提言案に賛意を示す意見が多かった。しかし「新庁舎の場所を特定すると見解が分かれるのでもっと慎重に」「市民が議論して方針を出す運動には賛成だが、具体的に踏み込むほど判断が固まらない」などの意見も出た。

 「市民の会」の鈴木代表は「9月には市が3館合築計画の新しい方針を出し、仮庁舎の建設予定地も明らかにする予定です。いまから市民の意見を明らかにしておかないと対応が難しくなる」と行政との関係に留意。新庁舎の位置については「西東京市が誕生してから15年経つのに、旧田無と旧保谷の対立意識が残っているとか言っていまだに、だれもどこも新庁舎の位置を決めようとしない。市の『暫定対応策』は新庁舎を市の中心に検討すると言っていても、具体的な場所がないでしょう。いたずらに引き延ばし、先送りするだけです。合併後の『西東京市民』が増えている。いまのわれわれだけでなく、子どもや孫世代の市民が暮らすことを考えると、費用でも機能でもまちづくりの面でも、合理的で市民本位の内容を考え提案する時期だと思います」と提言の背景を説明した。

提言をまとめたまちづくりフォーラム第5回会合

提言をまとめたまちづくりフォーラム第5回会合(コール田無)

 昨年3月に市が発表した庁舎統合方針(案)は(1)保谷庁舎を解体し、田無庁舎に市民サービス機能を集約する「暫定的な対応方策」を当面の方策とする(2)2033年(平成45年)度を目途に真の庁舎統合を目指す(3)「新たな用地(市中心エリア)での統合を視野に検討する-の3点を基本方針にしている。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・まちづくりフォーラム提言「『住み続けたい!』と思うまち 西東京に-庁舎と3館(中央図書館・田無公民館・市民会館)に関する市民の提言」(全文 PDF、1.6MB
・庁舎統合方針(案)(西東京市Web

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