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「開かずの踏切」はどうなる?

By in 交通・道路 on 2015年3月21日
ひばりヶ丘駅付近の踏切

【ひばりヶ丘駅西側の踏切】

 全国的な社会問題になっている「開かずの踏切」。東京都でも解消に向けた取り組みが進んでいる。西東京市では3月19日、東京都が事業を進める西東京都市計画道路3・2・6号調布保谷線のうち、西武池袋線をくぐる地下トンネルとその周辺1キロメートルが開通し、これに合わせて保谷第5号踏切が閉鎖された。

 ところで、市内には調布保谷線以外にも線路をまたぐ主要な幹線道路がある。練馬区では1月下旬に西武池袋線石神井公園から大泉学園駅まで高架に切り替わり、これで西武池袋線は桜台から大泉学園までの高架化工事が完了した。その先の西東京市区間の保谷駅やひばりケ丘駅周辺の立体交差の工事はどうなるのだろうか。

 西東京市には、東西に走る西武池袋線と西武新宿線の2本の鉄道があり、交差する幹線道路の交通の流れを踏切に遮られている。今回開通したのは、西東京都市計画道路3・2・6号調布保谷線のうち、保谷庁舎付近から保谷第一小学校付近までの約1キロ。この間、池袋線をくぐる「西東京下保谷トンネル」を新設。2年前には新宿線の下を通る「西東京東伏見トンネル」も開通しており、南北にスムーズに行き来できるようになった。しかし、市内には田無駅を経由してひばりケ丘駅に至る幹線道路もある。

 西東京市内には22箇所の踏切があるが、特に西武池袋線ひばりケ丘駅に隣接する西側の踏切は、一度遮断機が下りるとなかなか開かない「開かずの踏切」で、大きな傾斜のある踏切は歩行者や自転車、車が錯そうするなど危険性も指摘されている。

 東京都は開かずの踏切対策として、2004年(平成16年)「踏切対策基本方針」を策定している。方針では、主に10年以内に重点的に対策すべきとする「重点踏切」の他、「鉄道立体化の検討対象区間」、この区間からもれた「鉄道立体化以外の対策の検討対象区間」を抽出している。

 「重点踏切」は、都内1060箇所ある踏切の内、394箇所抽出され、このうち西東京市内は14箇所が選ばれている。これまで踏切歩道部分のカラー舗装等行っているが、抜本的な改善にはつながっていない。

 鉄道立体化区間の検討対象区間は、都内で20箇所抽出されており、このうち西東京市内では、大泉学園駅~保谷駅とひばりケ丘駅~東久留米駅の区間も選ばれている。

 重点踏切や立体化検討区間の選定基準は、(1)遮断時間が長い (2)歩行者や自転車、自動車の交通量が多い (3)乗降客数が多い駅の近くにある踏切などと示されている。

 事業着手の優先順位の決め方について、東京都都市整備局は、「踏切の遮断時間や渋滞時間などの他に、それぞれの自治体が捻出できる財源や線路の高架化に合わせたまちづくりができるかなど、バランスをみながら決める。どこをいつ実施するかは、調査や調整に時間がかかるので分からない」と説明している。

 これに対し西東京市都市計画課は、「西武線の連続立体交差事業について東京都へ早期実現を要望している。まちづくりの面では、保谷駅の再開発や駅前広場の整備なども行っているが、さらに都市計画道路の整備なども進めていく」と話している。

 鉄道立体化以外の対策検討対象区間は、都内83箇所抽出されており、西東京市内では東伏見駅~田無駅区間が選ばれている。市によると、以前東伏見駅東側アイスアリーナ前の踏切は拡幅工事をしたが、その後の対策は行われておらず、2015年(平成27年)度予算案にも踏切対策に関する予算は組まれていない。

 東京都によると、鉄道の立体交差化の事業費は多摩地域の場合、鉄道会社が全体の10%、国と東京都が残り90%。このうち国が55%、東京都が45%。都の負担額のうち市は30%負担することになる。

 市の負担額を概算すると、石神井公園から大泉学園駅までの立体交差化の事業費は、東京都の発表によると約383億円。事業期間平均10年として、年間4億円程度の市負担額が見込まれる。

 西東京市エリアの鉄道の立体交差事業は本当に実現できるのか。
 まちづくりを推進する「NPO法人まちぽっと」理事の伊藤久雄さんは「市街地には幹線道路だけでなく鉄道と交差する、道路の地下化が不可能な支線道路も多いので、鉄道の立体交差事業の必要性は高い。西東京市エリアでみれば、例えば、鉄道の高架化が進む京王線沿線地域などに比べ地元財政力は弱いが、市や都、鉄道会社が事業の優先順位をあげ、地域住民の同意協力が図れれば10年先には実現するだろう」と話している。
(柿本珠枝)

【関連リンク】
・「開かずの踏切」とは何ですか?(国土交通省)
>> http://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_01b_10.html
・東京都の踏切対策基本方針(東京都、平成16年6月)
>> http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/fumikiri/index2.html

【略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。
1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。
地域に根差した記者としても活動している。

 

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One thought on “「開かずの踏切」はどうなる?

  1. 1

    京王沿線地域(京王線・井の頭線とも)は東上線と西武線以外の路線では遅い部類に入るようです。
    現に調布駅は地下化しているが、それ以外の笹塚~府中間の高架化は東急や小田急、京急などに比べて遅いのが現状です。
    それで西東京市の西武池袋線の高架化する際には大泉学園~東久留米駅の高架化を行い、その内、保谷駅は高架後、島式2面3線の構造にすれば折り返しが楽に運行できる状態になります。(2面4線で車庫で折り返すやり方もありです。)
    新宿線は、東伏見駅~小平駅の高架の際に、田無駅を2面4線にして待避しやすい構造を取る必要があります。
    特に東村山駅が2面4線の縮小されるため、鷺ノ宮駅、上石神井駅、田無駅を高架のついでに島式2面4線にする必要があると思います。
    西武線はここ最近、立体交差化が進んでいるので利害意識が強い京王線に比べればやりやすいと思います。

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