東久留米市の自治会がオレンジカフェ「氷川台のえんがわ」オープン
東久留米市にある氷川台自治会は8月3日、認知症が気になる人や介護従事者、地域住民らが交流できる、オレンジカフェ「氷川台のえんがわ」を活動拠点の氷川台会館にオープンした。
同自治会は約60年前、西武鉄道が市の北東部に開発分譲した戸建て住宅地で、会員数は355世帯約1000人、加入率は97%。昨年度は総務省が行う「平成28年度ふるさとづくり大賞」の団体賞を受賞している。活動のひとつ「空き家対策」では、空き家の庭を開墾して農園を作り農作物を販売。売り上げを活動費に当て地域のイベントなどを開催している。
3日当日、会場には約30人の自治会会員などが集まった。同じ会員の障害者支援施設「ライフパートナーこぶし」のスタッフや利用者が作ったケーキやクッキー、コーヒーでくつろぎながらスタート。
まず、氷川台自治会の殿田俊三会長が同カフェ発足の経緯などを説明した。「高齢化が進み認知症とその予備軍が増える中、自分たちの力で予防措置したいと思ったのが発端です」。殿田さんは、この4月から東久留米市が始めた「認知症カフェ開設支援補助金対策事業」に応募しようと、地元で開業する石橋クリニックの石橋幸滋医師に相談した。「東久留米市は都内でも3番目に高齢化率が進んでいます。地域が一丸となって支えることが必要です」と同市医師会会長も務める石橋医師は快諾した。他にも同会員の口腔外科医や東部地域包括支援センター看護師や民生委員、老人会会長らスタッフ10人が揃い、同事業に応募して運営費を確保した。
氷川台のカフェの特徴について「認知症予防の効果につながる機器も各種揃える予定です。決められたことをやるのではなく、自分でやりたいことを選んで楽しんでもらうことです」と殿田さんは話す。今後は脳トレーニング専用のゲームや脳トレ体操ができるDVDを購入する予定。更に専門職によるミニ講座の開催や相談も受けられるようにするという。
氷川台自治会は、2年半前にこの氷川台会館で、地域の人らが自由に交流できる場「ふれあいサロン」を立ち上げ月2回開いていた。同カフェオープンに合わせ、この内1回、第1木曜日午後1時30分から午後3時までは認知症予防に特化した「氷川台のえんがわ」を実施する。
(柿本珠枝)
【関連リンク】
・氷川台自治会が「平成28年度ふるさとづくり大賞」(東久留米市)
【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。