庁舎統合の意見交換会始まる 市民が参加、多様な議論と提案も

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2018年8月14日

市民から活発な意見が出た(保谷駅前公民館)

 西東京市の庁舎統合方針に関する意見交換会が始まった。8月9日から19日まで4ヵ所で計8回予定され、住吉会館と保谷駅前公民館を会場にした4回は12日までに終わった。特に12日の両会場では、統合方針への質疑も相次ぎ、統合庁舎の位置などで活発な意見が交わされた。今後、緑町地区会館と向台地区会館で残る4回が開かれる。

 住吉会館会場は12日午後1時30分から、保谷駅前公民館会場は午後4時から始まり、いずれも1時間30分ほどの会合だった。出席者はともに8人ずつ。市企画政策課が庁舎統合方針や経緯、仮庁舎整備費用や財政負担などを説明した。

 基本方針は(1)保谷庁舎は2020年度までに取り壊し、田無庁舎中庭に仮庁舎を建設して保谷庁舎の機能を再配置する(2)田無庁舎が耐用年数を迎える2033年度を目途に庁舎統合を実現する(3)統合庁舎の位置は、市の中心エリアを視野に検討する-などの内容。「市民への情報提供と意見交換の場を設け、全市的な議論を踏まえた検討の参考にしたい」との趣旨説明があった。

 

庁舎統合の位置はどこに?(住吉会館)

 

 質疑や意見交換に入ると、両会場とも賑やかになった。
 まず統合庁舎の位置を問われると、住吉会館会場では「そもそも市の中心に、庁舎を建てるだけの公有地があるのか、確保の目途があるのか。なければ中心エリアを議論しても始まらない」との意見が出た。これから10年、20年先は人口が減り、高齢化が進む時代を迎える。「この先何十年間も大規模庁舎が必要か、維持できるのか。再検討する必要がある」などの声もあった。

 保谷庁舎跡地に12階建ての統合庁舎を建て「市のシンボルにしたい」とのプランも披露された。これに対し「クラウド時代に、シンボルになる箱物を建てる考え方はどうだろか。それよりも、市民の相談事業などに力を入れる方がいい」との発言もあった。

 保谷駅前公民館会場も位置問題で活発な意見が交わされた。
 旧保谷市に約10年、旧田無市地区に40年余り住むという男性は「交通の便を考えると、田無駅とひばりヶ丘駅を結ぶバスライン沿いしかない。(旧)東大農場もあるでしょう」。栄町に住む女性は「田無-ひばりヶ丘駅間はバス便がよい。他市からやって来る人は駅の近くがいいけれど、市民は中心部がいいのでは」と要望した。「西武新宿線は発展が止まっている。池袋線は池袋だけでなく新宿、渋谷から横浜、中華街にまで直通し、これからもっと発展する」と保谷、ひばりヶ丘駅の将来を見越した配置を望む主張も出た。

 銀行出身だという男性は「どういうまちにしたいのかという考えが基本」と指摘。田無駅とひばりヶ丘駅を結ぶ道路沿いに統合庁舎を配置し、裕福なシニア層が住める住宅やマンションを誘致する案を読み上げた。「担税力のある人たちが住めば土地価格が上がり、固定資産税収入も見込める」とも説いた。

 保谷庁舎跡地活用の意見を求められると、住吉会館会場では「子育て世代や高齢世代が一緒にいられる施設がほしい」「暫定使用なら、将来のための箱物(施設)は作れない。活用方法なんか考えない方がいい」「芝生の公園がいい。食事のできるお店も必要」など多様な声が上がった。保谷駅前公民館会場では「防災センターがあるのだから、いざというときの避難場所に活用したら」「統合庁舎の候補地なので、きちんとした施設は無理。ボールが使えるグランドや公園になりそう」などの意見だった。

 統合に向けての方針は着実に具体化している。企画政策課の説明によると、田無庁舎中庭に建設予定の仮庁舎は5階建てのリース方式。6月18日に9億610万円で大和リースと契約した。2019年度末に完成し、2020年度から2033年度まで13年間使う予定。
 そのほか仮庁舎整備事業費は約18億8400万円となり、統合方針を発表した際の試算より約3億1400万円増加した。東京五輪工事などによる物価上昇が影響した、という。

 意見交換会の今後の予定は次の通り。
▽緑町地区会館第1集会室 8月17日(金)午後6時30分~8時、19日(日)午後1時30分~3時。
▽向台地区会館ホール 16日(木)午後6時30分~8時、19日(日)午後4時~5時30分。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・庁舎統合に関する意見交換会を実施します(西東京市Web
・庁舎統合方針を決定しました(西東京市Web

 

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