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「市民ニーズに対応する」職員像 西東京市の「課題検討型インターンシップ」

By in 市政・議会 on 2018年8月26日

「西東京市ってこんなところ」。スライドで市の概要を説明する

 西東京市は8月22日、就職活動を始めた学生らを対象に「課題検討型インターンシップ」を実施した。グループワークで市の課題に取り組み、若手職員とのフリート-クを通じて西東京市の特徴や市職員の仕事を知ってもらう企画。午前、午後の計3回に144人が参加した。

 午前10時スタートの第一陣は49人。白と黒のリクルートファッションに身を包み、田無庁舎5階会議室に集まった。1テーブル10人ずつ、5卓に分かれて着席した。総務部職員課の職員が挨拶し、今回の取り組みの意義を述べる。「西東京市の魅力や特徴を知り、市職員の仕事がどういうものか理解していただくのが今回のインターンシップです。西東京市の魅力を知り、ぜひ住んでいただきたい」

 続いて、西東京市は2013年1月に旧保谷市と田無市が合併して誕生したと紹介。現在人口は20万人を超え、多摩26市で5番目。一般事務職員は4月現在616人。仕事の単位になる「係」は150に上り、「民間だと会社が違うほど仕事の中身はさまざま」と担当者。「異動はほぼ5年おき。いろんなことに挑戦したい人が向いているかもしれない。仕事の9割は市民と接する内容です」と、基礎自治体の特徴を説明した。

 

初対面で話し合い、方向を見つけていくグループワーク。熱が入り、席を立って意見交換。

模造紙に議論内容を書き出して、チームごとに発表

 

 メーンに設定されたグループワークの課題は「待機児童」だった。各テーブルごとに待機児童発生の原因と対策を話し合う。話題のテーマだけに、20分足らずの間に話し合いは進んでいく-。

 そもそも保育園や保育士が少ない、預けたい子どもが増えた、施設を増やそうにも地域の理解がない、保育士らの待遇がよくない…。次々に挙がる原因に、対策のアイデアも湧いてくる。保育士の資格を持ちながら働いていない潜在資格者の掘り起こし、子ども食堂など民間ボランティアの活用、企業内保育所の増設、ベビーシッターへの補助金…。大判の模造紙に、原因や対策が次々に書き込まれる。市の求める「市民ニーズに的確に対応できる職員像」(「人材育成基本方針」)にふさわしい対応力ではないか。

 ところが…。原因分析と対策提示のほか、対策への「反対意見」も必須の検討項目だった。中小企業だと企業内保育所は厳しい、ボランティア援助は支援先の選定が難しくて不公平にならないか、増設や補助はお金がかかる、財政難、などなどの異論、反論も続出した。

 初対面の参加者が5つのチームを組み、その場で課題に取り組んで堂々と発表した。担当職員は「短い時間によくまとめましたね」と驚いていた。

 「反対意見」を求めた理由について担当職員は「最善の対策だと思っても、市民の間にはさまざまな考え方や意見、価値観があり、反対の可能性を意識する必要がある」と指摘。「行政事務、市政運営の費用は市民の税金によってほとんどが賄われている。反対意見も踏まえて、公平公正な行政を心掛けないといけない。それが市の仕事の大前提であり特徴です」と話した。「市民」と「市役所」のつながりに触れる言葉だった。

 

若手職員とのフリートーク。経験談は貴重な情報

 入庁2~3年の若い職員とやり取りするフリートークの時間も設けられた。各グループに1人か2人の若手職員が入り、学生の質問に笑顔で丁寧に答える。仕事で鍛えた「市民対応」の経験が生きたのかもしれない。

 インターンシップが終わった後、参加者の話を聞いた。早稲田大学3年の女性は埼玉県からやって来た。最寄り駅から田無駅まで電車で1時間前後。「西東京市は意外に近かった」と話す。「通勤可能距離ですね」と誘いをかけたら「はい。でも受かるかどうか。教員志望でもあるし…」と言葉を濁した。それでも「公務員の仕事は『9割が市民対応』という言葉は新鮮だった」と言う。

 地元西東京市に住む大学院生の男性は「初めてのインターンシップだったのでとても緊張しました」。一呼吸おいて「先輩たちの話が聞けて、ぼんやりしていた仕事のイメージが具体的になった」と話した。印象に残ったのは「グループワークで反対意見を求められたこと」だった。

 「近隣市も調べましたが、課題検討型インターンシップを実施しているのは西東京市だけでした」と院生。早大3年の女性もうなずいて「就活サイトを見たら、西東京市のケースが出てきたので申し込んだ」とも話した。

 インターンシップは、学生による「就業体験」。就活サイト「マイナビ」によると、大学3年の夏から冬にかけて多く、参加体験のある学生は78.7%、参加社数は平均4社という。

 職員課によると、課題検討型インターシップのやり方は西東京市独自で進め、今年が3年目になる。「近隣市の実施例は聞いていない」という。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・市役所の仕事を知ろう!(課題検討型インターンシップの募集)(西東京市Web
・西東京市人材育成基本方針〈改訂版〉(西東京市Web、PDF:2,695KB
・インターンシップとは(マイナビ

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