ケヤキやクスノキは移植検討 市民広場の解体工事、仮庁舎建設計画説明会
西東京市田無庁舎の市民広場を解体して建設する仮庁舎建設計画説明会が9月7日と9日の2日間、田無庁舎の2階会議室で開かれた。工事の期間や内容、付近の交通状況などの説明のほか、広場にあるケヤキやクスノキなどの樹木は「可能な限り移植の方向で検討している」との市の意向が明らかになった。
管財課によると、2日間で計50人の市民が参加した。特に9日は約30人が集まり、予定の1時間を30分余り延長。閉会後も残った市民がお昼前まで市側と熱心に話し合いを続けた。
9日の説明によると、市は今年10月下旬から2020年1月末まで広場は立ち入り不可となる予定。仮囲いは高さ2メートル。出入り口は1階と2階の正面、1階の西口となる。工事車両は1階出入口につながる車道を使用し、交通誘導員を配置する。
広場には現在、ケヤキ2本、クスノキ6本などの樹木がある。これらの扱いについて管財課の下田立人課長は「広場の樹木は可能な限り移植する方向で検討、準備している」と話した。担当職員が詳細を補足し「移植の実現性や費用などを総合的に勘案して検討する」と述べた。
「ケヤキの木を切らないでほしい」との声に対し、下田課長は「クスノキ2本はすでに準備を始めた。ケヤキは、根元を囲んでいる(石製の)ベンチを壊して根の状態を見てから移植が可能かどうか判断したい」と説明した。
仮庁舎はリース方式を採用する。老朽化の進む保谷庁舎を解体し、職場の再配置先として仮庁舎を建設し、2033年までに完成予定の統合庁舎に移る間、約14年使用の予定。「市の中心エリア」としている統合庁舎の位置は、現在の保谷、田無庁舎を含めて2023年までに決定する、との説明だった。
工事を手掛ける大和リース東京支店の説明によると、仮庁舎は鉄骨造の5階建て。延べ面積は約3330平方メートル。作業は月曜日から土曜日の午前8時から午後6時まで。日曜・祭日は休む。工事関係車両は現場のほか近くの貸し駐車場を利用する。低騒音、低振動の重機を使用する、としている。
近くに住む参加者らから「市民広場がなくなると、避難場所はどうするのか」との声が上がった。これに対し市側は「市民広場は災害時の避難場所にはなっていない。隣接の南町スポーツ・文化交流センター『きらっと』や田無第一中学校に避難、誘導します」と返答した。工事用車両の待機場所や通行時の安全対策などへの要望も出た。
仮庁舎工事に関連して、保谷庁舎解体への疑問、庁舎統合方針の説明を求める声も多く、1時間の予定だった説明会は約30分延長。いったん閉会したあとも昼前まで十数人の参加者が熱心に質疑に加わった。
(北嶋孝)