西東京市で自閉症啓発関連イベント開催 美術展や手芸&茶話会、映画鑑賞会

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2019年4月30日

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 4月2日は世界自閉症啓発デーでした。東京都心でも地元西東京でも、自閉症の理解を図るさまざまなイベントが開かれました。どんな催しがあり、集まった人たちの声と胸の内はどうだったのか-。「ライト・イット・アップ・ブルー西東京」の斎藤直美さんの報告です。(編集部)

 

 

 西東京市内でこの4月、世界自閉症啓発デーの関連イベントが相次いで開催されました。4月1日~5日、西東京市役所田無庁舎2階エントランスで開いた「啓発展示&オブジェ」(「でこぼこ」主催=4月8日既報)を皮切りに、美術展や手芸&茶話会、映画鑑賞会が続きました。今回は、私がかかわったライト・イット・アップ・ブルー西東京主催のイベントについて紹介します。今年のテーマは、「彼らの魅力を少し感じてみませんか !?」でした。

 自閉症のことをご存知でしょうか。自閉症の人は、決して自分の殻に閉じこもっているわけではありません。病気ではなく脳の発達の仕方の違いによるものだ、と世界中の研究者は考えています。認知や感覚が独特で、健常者が当たり前に思っていることへの対応がわからない。音がうるさく聞こえたり、光をまぶしく感じるなど感覚が過敏で辛いことがあります。本来はまじめで純粋、いいところをたくさんもっている人たちです。(世界自閉症啓発デーのリーフレットより)

 

美術展「アール・ブリュット西東京」で展示された作品

 
 4月5日~25日、東伏見の「仙人の家」で開いた美術展「アール・ブリュット西東京」では、市内在住の自閉症の人たちが描いた作品を見ていただきました。アール・ブリュットとは、フランス語で「生の芸術」を表す言葉です。専門の絵の教育を受けていない人たちが制作した芸術の魅力を伝えようと広まった運動です。会場に来た方々からは、「引き付けられて目が離せなくなりました」「元気が湧いてきました。不思議な魅力がありますね」といった感想も聞きました。作品を展示されたご家族からは「子どもを誇らしく感じました」「来年は作品が展示されるレストランで食事会をして共に喜びを分かち合いたい」などの感想もいただきました。展示した作品は優しく、温かな気持ちになるものでした。彼らの多様な内面世界を感じ取っていただくきっかけになったと思います。

 19日午前には、手芸&茶話会「ハンドメイドカフェ with ブルーリボン」を障害者総合支援センター「フレンドリー」で開催しました。自閉症啓発デーのシンボルカラー、ブルーのリボンを使って既成のポーチに飾りつけました。この日、使ったリボンは、世界自閉症啓発デー東京イベントのキックオフミーティング(2月開催)で、企業から寄付していただいたものです。手芸を楽しみながら、東京都ペアレントメンターの先輩ママと自閉症や発達障害の子どもの子育てについてお話をしました。進路のことや就労のこと、放課後等デーサービス(障害をもつ児童が放課後などに通う療育機能を備えた福祉サービス)でのトラブル相談、夫婦間の協力の在り方など話題は尽きませんでした。

 

完成したポーチとブルーリボン

 
 25日には仙人の家で、自閉症の一種であるアスペルガー症候群の青年を描いた海外映画の鑑賞会を開催しました。自分のせいで恋人にふられた兄に、新たなパートナーを見つけようと奮闘するラブストーリーです。彼らの不器用だけどピュアな性格がよく描かれていた作品だったとおもいます。集まった16人の参加者は、高齢者がほとんどでした。障害者の子育てには祖父母の理解や手助けが大切なのですが、高齢者向けの講演会やイベントはほとんどありません。「身につまされた」と涙ぐむ方もいらっしゃいました。
 
 今後も、毎年4月にこうした楽しいイベントを開いていきたいと考えています。
(斎藤 直美)(写真は筆者提供)

 

【筆者略歴】
斎藤 直美(さいとう・なおみ)
西東京市在住。西東京市社会福祉協議会ほっとネット推進委員、ライト・イット・アップ・ブルー西東京代表、ほっとカフェ西東京代表。

 

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西東京市で自閉症啓発関連イベント開催 美術展や手芸&茶話会、映画鑑賞会」への1件のフィードバック

  1. 1

    筆者からの連絡により、掲載写真のうち手芸&茶話会の1枚を削除しました。(編集部)

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